TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

日産・テラノ Vol.31 (1999/5/5)

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     『TVKテレビの 「新車情報’99」 を斬る!』
         Vol.31 (1999/5/5) 毎週発行
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★5月3日放映
【日産・テラノ】

今回マイナーチェンジの大きな目玉は、直噴ディーゼル搭載したことです。直噴は、ガソリンでもディーゼルでも大変注目される技術だと思います。レシプロエンジンが登場し既に100年(くらい?)、未だに内燃機関の王座を独占し、ほぼ完璧と言われるまで改良し尽くされた感もありますが、時代の要求に応じて更に進化し続けてほしいです。なお、NEO-Diディーゼルエンジン(直噴ディーゼルエンジン)は、平成10年度省エネ大賞というのを受賞したそうです。

テラノのオフィシャル・ページを見たい方はこちら
http://www.nissan.co.jp/TERRANO/
をご覧ください。

基本スペックは、直噴ディーゼル直列4気筒DOHC、3リッター、インタークーラー付きターボ、170ps、トルクは36Kg。ディーゼルは10・15モードが公表されていませんので、時速60Km一定走行の燃費では20.0Km/Lと公表されています。価格は303.8万円です。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、9.1Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は65~66dBでした。

このクラスではトップの動力性能だと思われます。一昔前ディーゼルというのは、非力で重くてかったるくて、しかもスミイカを蹴っ飛ばしたように黒煙を撒き散らしていました。

発進時にはアクセルをベッタっと床まで踏み込み、戻していくみたいなアクセルワークでした。しかし近年の高性能ディーゼルエンジンは、まるでガソリン車に劣らないようなレスポンスだし、震動や騒音も押さえられ、その進化には目をみはるものがあります。スペックを見る限り、このテラノのエンジンは更に驚くような進化を遂げているものと期待してしまいます。

アメリカ人と日本人はどうもディーゼルが嫌いですが、ディーゼルのデメリットが今後も更に改善され、そのメリットを享受できるようになれば、注目すべきパワーユニットであると思います。ヨーロッパのディーゼル事情に詳しい三本さんも、ディーゼルには関心がお有りのようです。

高速道路でのハンドリングの印象は比較的おっとりしているようですが、不安定な感じはない様子です。

以前から定評のあるオールモード4×4に加え、今回から4WDへ切り換えるトランスファーレバーが廃止、ダイヤル式のスイッチ一つになりました。オートにしておけば、走行状態に応じて無段階で前後のトルク配分が行われます。高速道路ではオートで走っていましたが、インジケーターは四輪駆動状態を示すランプが光っていました。

山坂道では重たい車体ながらも、そのビッグトルクで「ATとの相性もよくラクラクだ。ノイズも気にならない」とのコメントでした。後方からマフラーをアップした映像でも黒煙は全く出ていませんでした。

片輪をダートへ落してブレーキングするABSチェックでは、タイヤのオフ性能もありますし、何の問題もありません。できればこの手のクルマの場合は、ちょっとオフロードも攻めてほしいなあ、と思いました。

三本さんは山坂道のロケでUターンをするようですが、やはりクロカン車は、その四輪駆動系のシステムを持つために回転半径は大きくなり、街中では取り回しに苦労するのではないか、と不満を漏らしていました。

マイナーチェンジの内容としては、新型エンジンの搭載、フロントグリル周りのデザイン変更、サイドガードモールとサイドステップの変更、バックドアーパネルの形状変更、そして内装特にインパネ周りです。

以前は安っぽいと不評だったインパネですが、随分と改善されました。しかし三本さんは、「ダサイ」と言っていました。

とっても静かなディーゼルエンジンは、エンジンブロックの補強、エンジンマウントを電子制御して震動を押さえる工夫、そして遮音と、いろんな対策が施されているようです。

三本さんは「日産車のエンジンルームはゴチャゴチャしていて見栄えが悪い」とよくツッコンでいましたが、今回はきれいなエンジンカバーが付いており合格です。これは見栄えのほかに遮音にも寄与してるとのことです。

インタークーラーの吸入口はボンネットではなく、バンパーの下に左右2つ設けてあります。三本さんは「ボンネットに口が開いているよりこっちのほうがいい」と言っていたように、正面にあったほうが吸入効率もいいようです。ルックスより効率を重視する考え方に変わってきたのだとしたら、私も賛成です。しかし特にオフ走行などで、汚れやすかったり詰まっちゃたりは平気でしょうか。

フロントスクリーンの角度は35度。視界を確保することはこの手のクルマの必要条件ですから、特に問題ないはずです。しかし着座位置が低すぎるのではないか、と言っていました。

着座位置に関しては好みの問題もあって、ハイラックスサーフのように低いほうがいい、という人もいれば、アップライトなほうがいい、という人もいます。クロカン車という性格から考えると、着座位置は高くてアップライトなポジションのほうがいいのではないか、と思います。

この種のクルマが登場するたび指摘する、フロント左側にある小さなミラー、通称「雨あがりのきのこ」ですが、これはこれで仕方ないものだと考えます。確かに間抜けなキノコみたいですが、単純に無くせばいいものでもないだろうし、デザイン的に工夫すると言ってもちょっとイメージが沸きません。機能を強化するにしても、やたらデカイものになってしまっては違和感があるかもしれません。

さて、今回のインフォメーションコーナーでは、クロカン四駆三昧ということで、三本さんのチェロキー試乗レポートでした。メーカーが準備したオフロードコースは、岩場から丸太を左右に掛けただけの橋越えまで、なかなかバリエーションに富んでいるハードなコースでした。

さすがラリー経験のある三本さん、泥々のステージを気合と勢いで一気にクリア。「一番こわかった」とおっしゃってた丸太越えもなんなくクリアしていました。

それを見たクロカンとは無縁の三清さんは「すごーい、すごーい」とかわいく連発。道なき道を行く三本さんを見直したようです。

★次週の予定
マツダ・ボンゴブレンディ