TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

99年上半期を斬る Vol.47 (1999/8/25)

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     『TVKテレビの 「新車情報’99」 を斬る!』
         Vol.47 (1999/8/25) 毎週発行
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★8月23日放映
【99年上半期を斬る】

毎年恒例になっています、番組お馴染みのパネラーを迎えて上半期を振り返ります。

モータージャーナリストの星島浩氏、同じく鋭くキレるジャック山口こと山口京一氏、そして最近ツッコミが衰えてきた?我らの三本和彦氏、総合司会は紅一点、ハニーな三清直美さん。

さすがにお馴染みの面々の高齢化は否めません。また、番組構成に新しい演出とか変化が全然ありませんで、いつものように3人が淡々とおしゃべりしていました。今さらながら改めてスゴイ番組だと思うと同時に、見入ってしまう自分もスゴイです。

上半期を振り返り、ゴットファーザー・三本さんの第一声は、「上半期でも300万台くらい売れた。景気が悪いといわれながらもこれだけ新車を消費できる国は他にない」と日本のファンダメンタルズのすごさと不思議さを指摘。

国際派の山口さんは、「自動車業界の地球規模の再編は、新たな時代を予感させる大きな動きだ」とボーダレス化を「おもしろくなる」と期待をこめて語っていました。

私も山口さんのおっしゃることは重要なムーブメントだと思います。これまで、技術革新はもちろん、環境問題、安全対策とか、世界的にテーマのようなものがそれぞれあったわけですが、個々のテーマを追究する以前に、バックボーン自体が変革しようとしています。このムーブメントにテーマを付けるとすれば「競争力」かもしれません。

個々のクルマを振り返る何でもトークでは、三本さんいわく「セダンらしいセダンがない」とのことです。

これはずっと以前から言われて久しいことですが、やはりこの傾向はまだまだ続きそうな感じです。現在流行ってるSUVとかRVとかに心底あきるときがやってきたとき、新たなブームがくるとのではないかと思いました。

また流行というのは何でもそうですが、以前と全く同じものは来ないもんです。何かリファインされていたり、ブラスアルファされていたり、また全然別の付加価値が付随したりします。

そういう意味で三本さん達が言うところの、セダンらしいセダンというのはもう復活しないのかもしれません。既存概念のセダンの良さを追究するだけではなくて、何か新しい発想が必要な気がしました。

たとえばトヨタアルテッツァは、そんな次世代の姿を垣間見ることができると思います。もちろんすべてのセダンがあのようになればいいわけではありませんし、あれが新しいコンセプトかどうかは別にして、提案の一つであることには違いありません。

そんな中で三本さんや星島さんがセダンらしいセダンとしてほめていたクルマは、ホンダ・インスパイア/セイバー。ホンダオブアメリカの実力は中々スゴイと、出来の良さに関心していました。

三者とも印象的だと名前を上げたのは、やはり日産・スカイラインGT-R。なんだかんだと賛否両論ありますが、一言「速い」。そういう存在があっていいと思います。しかし星島さんがおもしろいことを言っていました。「GT-Rはある意味、保守的な手法で造られた最後のクルマだと思う」とのこと。

この時期において今年度の新車情報大賞の有力候補に上げられるトヨタ・ヴィッツ。エンジン、デザイン共に皆さん高い評価をしていました。あのリッターカーは、GT-R以上のインパクトを与えたようです。

三本さんは印象に残ったクルマに、日産・シルビアを上げていました。シルビアの放送ではけっこうイチャモン付けていたような気がしましたが、価格性能比がいいとのことです。あの値段であの性能が手に入ることを評価していました。

3人の方々が上げた個々のクルマの名前を簡単に書きますと、スバル・レガシィB4の四輪駆動の良さ、プジョー206の走りの良さ、マツダ・プレマシーの日本に合ったパッケージングの良さ、BMW・328Ciのエンジンとサスペンションの良さ、日産・セレナディーゼルターボの出来の良さ、ホンダ・S2000の思いっきりのいい商品づくり、などなど。

三本さん、S2000については「エンジンの回転数が高すぎる。時速100キロ、6速で3000回転も回るなんて私には違和感がある」とコメントしていました。

クルマづくりのボーダレス化に伴い、デザインも変わってきました。今後、これはどこの国のデザイン、といったような見方はできないと思われます。

山口さんがおもしろいことを言っていました。「その国の文化を理解するのは、外国人のほうが鋭かったりする。そしてそれをより具体的に表現できるように思う。日本車も外国人にデザインさせたら別の意味で日本的ないいものが生まれるかもしれない」。確かヴィッツは、ギリシャ人がデザインしたと聞きました。

日本車には、あの外車に似ている、というデザインがあります。確かにヨーロッパのなどには、世界のトレンドリーダーのような存在があって、それに傾向していくのは仕方ないことですが、日本的なものという発想はとても気薄になっているのかもしれません。

グローバルスタンダード、ボーダレス化といわれるときにこそ、日本のオリジナリティみたいなものがおもしろい要素だったりするのかもしれません。

大きく変ろうとしているクルマ事情。次世代を占う今世紀最後の東京モーターショーが、10月23日~幕張メッセで開催されます。新車情報でもその様子を特集するようです。第33回東京モーターショーについて詳しいことは、こちら  http://www.motorshow.or.jp/
をご覧下さい。

私見では、三清さんは元コンパニオンだったと思うのですが、そんなコンパニ風の衣装がぜったい似合う三清さん。今回のトークでは、完全にオジサン達の聞き役に徹してしまい、自分の意見を言う余地はほとんどありませんでした。衣装はふつうでいいですから、東京モータショーにはぜひ三清さんが出向かれて、いろいろレポートしてほしいです。

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