TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

VW・ニュービートル Vol.49 (1999/9/8)

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     『TVKテレビの 「新車情報’99」 を斬る!』
         Vol.49 (1999/9/8) 毎週発行
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★9月6日放映
【VW・ニュービートル

初代ビートルは1938年に誕生したそうで、大衆車の歴史の中では欠かす事のできない存在です。しかし今回のニュービートルは、そんな過去の役目は担っておらず、シャレっけたっぷりのオシャレなクルマです。スタジオへ持ち込まれた淡いイエローのビートルに、三清さんも興味しんしんといった感じです。

ニュービートルのオフィシャル・ページを見たい方はこちら  http://www.vwj.co.jp/show/beetle/index.html
をご覧ください。

基本スペックは、2リッター、直4SOHC、116ps、トルクは17.3Kg。
燃費は10・15モードで9.8Km/Lと公表されています。価格は上級グレードのプラスで289万円です。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、9.1Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は66dBでした。

かつては、おきまりの空冷リアエンジンだったわけですが、ニュービートルはFFです。幅は1.7メートルを超え、3ナンバーサイズになります。エンジンは一種類で、グレードは標準タイプの239万円と、スタジオに持ち込まれたプラスと名が付く豪華仕様の2種類。プラスには本皮シートやアルミホイールなどが付きます。

1994年1月のデトロイト・ショーで、ビートルを模した未来的なデザインが大反響を巻き起こしましたが、その当時は実際の市販は決定されていなかったようです。しかし予想以上の評判で、ニュービートル市場投入へ一気に前進します。

高速道路では、なぜか走りについてほとんどコメントがありませんでした。ハンドリング特性についてもありませんでした。三本さんは「昔のビートルと全然ちがう」と当たり前のことしか言いません。

山坂道では、トルク重視の設定で扱い易いとのこと。ハンドルは国産の軽いものにくらべたら、手応えのある感じらしいですが、しかし重いわけではないようです。

実際の走りの性能としてはどうなんでしょうか。今回は高速、山坂道いずれもこの手のコメントが少なかったです。私としては三本さんの目線による辛口インプレが聞きたかったのですが。

きっとニュービートルに乗ると、走りの性能だとか特性とか、気にならなくなるのかもしれません。ゴルフのシャーシーがベースだし、あらゆる面でそこそこの性能で、特に不満は感じないのかもしれません。

内装でびっくりしたのは、なんとカビン。ハンドルの根元あたりに、小さな花瓶がついています。正確には一輪挿し。箱根の山坂道の道ばたで摘んだという、愛らしいつゆ草を三本さんも挿していました。透明で細長いコップのような小さな一輪挿しで、水を入れて使います。もちろんこぼれたりしないんでしょう。

可憐な花とドライブする三本さん、さすがにタイヤを鳴らす気にならなかったようです。

デートで彼女を迎えに行くとき、この一輪挿しにあらかじめパンジーか何かを生けてしまっていいものか悩みます。私の感覚からすると相当変わり者になってしまいそうですが、ニュービートルなら「カワイイ~」と好感度アップするのでしょうか。世の女性に問いたいです。

昔、ダッシュボードに小さなヤシの木を飾るのが流行っていたのですが、それを思い出しました。もちろんそのヤシの木は本物ではありません。

そんなラブリーな運転席ですが、内装は特に女性っぽい感じでもなく、シンプルで質感もまあまあ、機能性が高そうです。

インパネは大きなメーターの中に、速度計、タコメーター燃料計がバランスよく収まるシンプルなマルチメーター。現在、左ハンドルのみの設定ですが、来年度からは右ハンドルも設定されます。

大きなサンルーフはとても使いやすく、三本さんは大変ほめていました。上には空があり、手元には花があり、端から見てると何とも快適そうななクルマですが、実際の使い勝手はどうでしょうか。

まず2ドアーのみです。三本さんは「4ドアーがあればなあ」と言っていましたが、後ろの席に乗り込むにはシートをリトラクタブルする必要があります。しかし、一旦跳ね上がり、前に倒れるという一風変わった動きをして、開口部はとても大きくて乗り易いようです。

後ろのハッチバックは、VWの丸いエンブレムをスライドさせるとオープナーフックが現れ、それを引っ張っぱると大きく上に開きます。しかし荷物のスペースは少ししかありません。4人乗車の旅行は不可能ではないでしょうけど、常識的には無理でしょう。

しかしセカンドシートを前に倒せば、フラットな広いスペースが生まれますので、2人だけだったら全く問題ありません。ですからファミリーユースとしてはちょっとキツいかな、といった感じです。

この形状は、昔のリアエンジンを前提としたボディーデザインです。そのころのトランクルームであるフロント部分には、4気筒エンジンが横置きで居座っていますので、結果、荷物を積むスペースが取れません。

それでもアメリカなどでたくさん売れているのは、ビートルへのノスタルジーとネームバリュー、そして何よりデザインが愛されるからでしょう。ならばエンジンをリアに持っていくとか、デザインに合せるような非常識な進化をすべきなのかもしれません。

デザインの美しさとは内側から、つまり機能性から派生してくるものだと思うので、外見だけの美しさというのは、いずれすたれてしまうような気がします。

この目立ち度100%のニュービートル。色は、シルバーアローメタリック、そして今回スタジオに持ち込まれたイエローが人気とのことです。

今年度は2000台の販売を予定しているそうですが、既に予約でいっぱいです。もっと輸入してもよさそうですが、アメリカでも好評なため、日本までまわらないとか。

右ハンドルも設定される来年度は、7000台を予定しているとのことですが、それも約1000台の予約が入っているそうで、欲しくてもちょっと先の話になりそうです。

イケてるベンツ、A160を所有する三清さんですが、強力なライバル出現です。Aクラスも最近はよく目にしますので、目立ちたがり度ではニュービートルに負けてしまったかもしれません。でも三清さんにはベンツのほうが似合ってる気がします。

★次週の予定
ホンダ・バモス