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『ＴＶＫテレビの 「新車情報’９９」 を斬る！』
Vol.56 (1999/10/27) 毎週発行
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★１０月２５日放映
【ＶＷ・ボーラ】
ボーラは聞き慣れない名前ですが、ジェッタやヴェントなどと同じ、ゴルフベースのコンパクトなセダンです。
ボーラのオフィシャル・ページはこちら
http://www.vwj.co.jp/show/bora/
をご覧ください。
基本スペックは、２．３リッター、Ｖ型５気筒ＳＯＨＣ、１５０ｐｓ、トルクは２０．９Ｋｇ。燃費は１０・１５モードで９．４Ｋｍ／Ｌと公表されています。価格は３２５万円です。
三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、９．３Ｋｍ／Ｌでした。時速１００Ｋｍ走行時の騒音は６５ｄＢでした。
エンジンは試乗に使われた１６度のバンク角を持つ珍しいＶ５と、２リッター直列４気筒ＳＯＨＣの２種類で、２リッターモデルの価格は２７０万円です。
プラットフォームはゴルフを流用していますが、正規代理店の人は「単にゴルフのセダンバージョンではない」と言います。
その理由として、ボディーパネルはほとんどボーラ専用で、ＶＷのプレミアム・コンパクトセダンとして、高級指向を打ち出しているとのことです。
高速道路での乗り味を一言で表すと「良きドイツ車」といった感じ。高い剛性を体感でき、しっかり感のある乗りごこち。また直進安定性も良いとホメのコメントが連発です。追い越し加速もトルク重視のエンジンで、余裕があるようです。
ハンドリングはダイレクト感のあるガンコ？なハンドリングだそうです。急な車線変更でも、舵を操作すると同時に反応するような操舵感で、ロールも少なく機敏な印象です。危険回避能力が高いともコメントがありました。かといって固くスポーティーな感じでもないようです。
ドイツ車らしく？車外ではエンジンノイズが一般的に大きいようですが、車内はいたって静か。時速１００キロのときのエンジン回転数は２７００回転。
箱根の山坂道では雨が降っていましたが、太めのタイヤの性能も手伝ってか、安心感のあるコーナリングです。山坂道ではグリップに少し不安があると言われるＦＦのクセは感じなく、雨のワインディングを軽快に駆け抜けていました。
室内寸法はゴルフと同等で、特別広くなっているわけではありませんが、インテリアはＶＷらしからぬ豪華な演出。
木目調パネルが使用され、特にＡＴシフトノブ付近はドイツの高価な高級車と見間違うくらいの雰囲気。車内全体はブラックで統一され、シブイです。また、試乗車にはレカロ製の本皮シートがおごられ、これも良さそうでした。三本さんは横幅がキツイと言っていましたが、これは人間側の固体差による弊害かと思います。
プラットフォームはゴルフと一緒なのに、この重厚感や、しっかりしたボディー剛性はどこからくるのか、と三本さんが質問すると正規代理店の人は、「レーザー溶接を採用している。これにより溶接の精度が向上し、剛性感アップにつながっていると思う」とのことです。
トランクの開閉はフェザータッチ式で、オープナーに手を入れるだけでパカッと開きます。またトランクハッチはダンパー式で、高級車としての細かい気配り抜かりなしです。ちなみにボンネットフードもダンパー式でした。
後席の背もたれ部分が前に倒れてトランクスルーになります。これをするには後席の座面を前に倒し、ヘッドレストを外して背もたれを前へ倒します。
作業がちょっと面倒ですが、それをすることで、トランクからフラットにつながった広いラゲッジスペースが生まれます。実際にはやらないと思いますけど寝れると思います。これは左右それぞれに出来ますので、荷物大きさや乗員数に合せてスペースの有効利用が可能です。
合理性と質感の両立。しっかりした造りから来る剛性感と、ガンコ？な走り。そしてコンパクトなサイズ。三本さんがベタ褒めする理由がよくわかります。
セダンの未来はほとんど無いと考えている私から見ても、ボーラは悪くないなあと思いました。これが三本さんが言うところの、セダンらしいセダンなのかもしれません。
しかし、実際に買うとしてまわりを見渡すと、ちょっと割高感は否めません。排気量で考えるのはナンセンスですが、２．５リッタークラスで国産では３００万円も出せば十分すぎるセダンが見つかると思われます。３００万以上出すのならトヨタ・プログレという選択肢も有り得るかと思います。デザインやインテリアのコンセプトなど、国産以上の魅力を見出すことが出来るか、といったところでしょうか。
さて、先週のファンカーゴより今週のボーラのほうが似合うと思ったプレミアムな三清さん。髪型や衣装は「今週の三清さん」をご覧ください。書くことをサボッてるわけではありません、百聞は一見にしかずと申しますから。
★次週の予定
第３３回東京モーターショー・パート１
