☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
『TVKテレビの 「新車情報’99」 を斬る!』
Vol.59 (1999/11/17) 毎週発行
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
★11月15日放映
【アルファロメオ・アルファ166】
166は164の後継で、アルファの最上位モデルに位置付けられます。これでしばらく空席だったフラッグシップモデルが出揃い、フルラインナップになりました。
166のオフィシャル・ページはこちら
http://www.alfaromeo-jp.com/index2.html
をご覧ください。
基本スペックは、3リッター、V型6気筒DOHC、226ps、トルクは28Kg。
なぜか10・15モードがわからないとのことで公表されませんでした。価格は600万円です。
三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、8.2Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は63~64dBでした。
このほかに2.5リッターモデルが用意されていて価格は515万円。日本へ輸入されるのは以上の2グレードのみだそうです。MTは選べるのかその話題は出ませんでした。
高速道路のインプレッションでは、久々にこぶしを頭にのせてチェックしてくれました。最近はどれも頭上空間がタップリしたRV系が多くシビアなチェックは不要になってきましたが、スライディング・ルーフ付きのスタイリッシュなセダン166においては、手のひら2~3枚程度。ただし、三本さんの座高はヨーロッパ人の平均を上回っております。
やや水平ぎみのポジションだというステアリング。映像を見た感じではそれほどでもないと思いましたが、アルファ共通の特徴のようです。
そんなステアリングを操作した印象は、しなやかで歯切れが良いとのこと。素早い車線変更では、ロールはするものの、スっと進路を変え安定している様子です。
山坂道では「よく踏ん張り、吸い付くような走る」とコメントしていました。「アルファはコーナリングを重視したエンジンであり、サスペンションであり、ミッションである」と正規代理店の人。
スポルトロニックと呼ぶATは、マニュアルのように操作できます。またフルオートで走っても、ワインディングなどにおいてチグハグなシフトアップやダウンをしないようにアルファならではのチューニングが施されているとのこと。もちろん道路状況に対応していく学習機能タイプ。
高速走行では計測結果を見る限り静かなクルマですが、山坂道ではけっこうエンジン音が聞えました。
上等なイタリア仕立てのスーツのようだ、と三本さんが評した室内インテリアは、MOMO社製のレザーシートがおごられ、アルファのフラッグシップを印象づけます。
ちなみに2.5リッターモデルはレザーシートではありません。またスライディング・ルーフもレス仕様になります。
助手席エアバックはユーザーが任意に解除できます。解除操作は隠れた場所にキーを差し込んで行い、同乗者や第三者が簡単に解除できません。
妊婦や、チャイルドシートを取り付けた場合などに解除するわけですが、「万能な安全装置なんて無いんだ」という意識こそが本当の安全思想なんだな、と感じました。まるごとお任せの日本車には「不要」と判断される仕様かもしれません。
後席に三清さんが座ってくれました。三清さんの長い脚でも十分なレッグスペースが確保されていて狭い印象はありません。
助手席のグローブボックスの中にあるトランクオープナーを引っぱるとトランクが開きます。ダンパー式でかなり垂直に開き、荷物を出し入れする際、フードがじゃまになりません。トランクの奥は真ん中部分が車内と貫通し、スキーなどが収納できます。
ボンネット内のV6の横置きエンジンは、周囲がカバーで覆われているせいかとてもスッキリ見えます。
私自身はアルファについて詳しくないのですが、アルファを支持するファンは熱烈なものがあるようです。美しいスタイリング、妥協しない走り、そしてクルマに対するこだわり、これを他人がどう評価しようと批判しようとアルファのユーザーにはあまり眼中なかったりします。
そんな伊達男、アルファロメオもフィアットの傘下に入り、パーツの共有化など、コストダウンと品質向上を果たしてしているようです。アルファはきっとこれからも系列に関係なく、カーキチのためのクルマづくりをしていくのだろうと思います。166は現時点で約200台の受注を受けているそうです。
さて、インフォメーションコーナーでは、日産が開発した電気自動車「ハイパーミニ」のインプレッションです。来年2月には企業や公官庁向けに販売される予定のハイパーミニは、2人乗りの軽自動車サイズ。都市での近距離移動を目的としたビークルで、フル充電で距離にして約100キロ走行できるそうです。
三本さんはクルマとしての実力を試すため、ハイパーミニで大通りなんかも走っていましたが、流れにのるには問題なしとのことです。
やはり狭い路地などが得意ステージで、スイスイと走ります。もちろんクルマ自体から公害物質は出ません。
ただ、これは弊害と言っていいのかわかりませんが、クルマと人間とのコミュニケーションがうまくとれない局面があったようです。それは騒音が全く出ないので、クルマが近づいても人が気付いてくれないそうです。クラクションを鳴らしまくるのも関心できませんし、とりあえず鈴でも付けるしかないでしょうか。
三本さんは、「霞ヶ関や永田町の連中は皆この電気自動車を使用すべき。黒塗りのクルマが料亭の前で連なって何時間もアイドリングしているのはけしからん!」と怒りのサンドバックが炸裂しました。同感です。
また「大臣はもちろん、東京都知事もハイパーミニに乗るべき」とのこと。私は人のこと言えませんし何に乗ってもいいとは思いますが、黒塗りの無意味なアイドリング、あれだけはやめたほうがいいと思います。臭いから。緊急事態に備えるといった理由があるようですが、疑問ですなあ。
★次週の予定
ホンダ・インサイト