TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

トヨタ・MR-S Vol.62 (1999/12/8)

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     『TVKテレビの 「新車情報’99」 を斬る!』
         Vol.62 (1999/12/8) 毎週発行
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★12月6日放映
トヨタ・MR-S】

MR2の後継で3代目にあたり、2人乗りのミッドシップオープンカーです。これ以上、クルマを遊び道具として捉えた仕様は他にないかもしれません。

MR-Sのオフィシャル・ページはこちら
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Mr-s/index.html
をご覧ください。

基本スペックは、1.8リッター、直列4気筒DOHC、140ps、トルクは17.4Kg。5速MT。燃費は10・15モードで14.2Km/Lと公表されています。価格は198万円です。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、12.9Km/Lでした。屋根をかぶせた状態で時速100Km走行時の騒音は69~70dBでした。なお騒音について当日雨が降っており、条件として不利だったとフォローがありました。

一時期、MR2は存続が危ないと噂がありましたが、さらに割り切ったコンセプトで再登場した感じです。

ミッドシップにこだわることでクルマを操る楽しさを追究し、全体の軽量化をさらに突き詰め、スピード感を得る為オープンにする。こんな時代にトヨタってすごいなあと、改めて思いました。

軽量化に到っては1トンを切る970Kg。ヒップポイントはかなり低く、乗りごごちはどうだろうと心配したようですが、高速道路では「マイルドな乗り味、悪くない」とのコメント。

ギアシフトフィールに難ありと言っていました。リアエンジンは操作系とエンジンとの距離が遠くなるから仕方ないと言われますが、この程度のデメリットは既にクリアしていると思うのですが、そうでもないのかな。

冒頭、トヨタの人は「つくりたいのはスポーツカーであって、レーシングカーではない」として、これはあくまで遊び心を満たすスポーツカーであると同時に、通勤の足としても使えるなど誰にでも運転できるクルマのようです。

初代MR2の山坂道レポートの映像が出ましたけどかなり攻めていました。それを見た三本さん自分で「おお、飛ばしてるな」と言っていました。最近はお歳のせいか、どんなクルマに試乗してもゆっくり走り、見てる側からすると少々物足りないです。

まあ一般道で攻めろ、というほうが間違いかもしれません。今回も「ミッドシップは怖いからなあ」とか言いながら安全運転です。

怖いと聞いて、以前MR2に乗っていた私の友人の話を思い出しました。フロントエンジンでは、限界を超えてくると重たいフロントからすべり出すから比較的コントロールし易いけど、リアエンジンの場合、急に背中を引っ張られるような感覚で滑り出し、コントロール不能に陥って怖いと。

エンジンは先週のセリカでも使用されている非力なほうのSS1のエンジンをベースに、低中速トルクを厚くしています。そのかわり最高出力は145psから140psに落ちています。

軽さがそのまま性能に反映しているようで、出足がよく威勢がいいとコメントしていました。トヨタの人は「エンジンパワーより軽量化が重要だった」として「6段ギアも重くなるからやめた」。とにかく「軽さが性能だ」とのこと。名言かも。

気になるホロ(屋根)について、開閉は手動ですが、とても簡単でやり易いとほめていました。リアウィンドはガラス製。開けたあとのホロはとてもスッキリ収まり、トノカバーなどで覆う必要はありません。

外版パネルはボルトによる脱着式で、ユーザーの好みに応じてかえられると言っていましたが、詳しいことはわかりませんでした。

またシートや内装色も何色か用意されていて選べるとのことでした。三本さんは試乗車の黄色いシートを大変ほめていました。座りごごちというより、色が気に入ったようです。しかしインパネデザインは「あらっぽい」と不評。

軽量なオープンカーと聞くと安全性はどうだろうと心配になりますが、今のご時世しっかり押さえているようです。

オープンカーで弱いとされる横からのインパクトは、時速55キロの側面衝突をクリアする出来。しっかりしたボディーづくりのほかに、乗員を若干中央寄りに配置、ドアーから距離をかせぐことで安全性を高めています。

ただし万が一横転した場合、やはりオープンは危険です。トヨタの人も、MR-Sに限らず「それは認識してもらう必要がある」としていました。

徹底した軽量化の過程で「トランクは捨てた」そうで、リアハッチの中はエンジンのみ。ラゲッジスペースはシートの後ろに設けてあり、ゴルフバックが1個積めるくらいの容量があります。位置的にエンジンより前だし、これなら荷物による荷重変動をあまり気にしなくていいとのこと。

さて、トヨタはだんだんターボを積んだハイパワー車が少なくなってきたました。セリカGT-Four、MR2-GTも姿を消し、いわゆる走り屋系マシンがなくなってし
まいました。

たとえばインプレッサWRX、ランサーエボ、シルビア、RX-7、ノンターボFFですがインテグラ・タイプR、そしてGT-Rに対抗するようなラインナップです。ノンターボのスポーツセダン、アルテッツァはちょっと違う気がします。

ドリキンなんてもはや時代遅れか?いいえ、最初からそんなこと許されておりません。でもTVゲームではトヨタをセレクトすると勝てないかも(笑)

(妄想)冬のオープンカー。景色のいいワインディングを三清さんとオープンクルーズ。冷たい風が頬をなで、静かに張りつめた空気を切り裂くように走ります。

MR-Sは助手席と運転席が接近しているせいか、それとも心が通っているせいか、ぜんぜん寒くない三清さんと私。もちろん会話も寒くありません。

峠をこえて、一軒の小さなカフェで休憩。マガジンX編集長の牧野氏に似たマスターと私達3人だけ。香りのいいコーヒーを味わったあと、なぜか私はおもむろにホロを出します。直美「え、どうして?」。私「いや、なんとなく」。そして2人は静かに走り去っていきました。おしまい。

★次週の予定
ローバー・ローバー75