TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

トヨタ・WiLL Vi Vol.76 (2000/3/16)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.76 (2000/3/16) 毎週発行
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★3月13日放映
トヨタ・WiLL Vi】

5つの異業種が合同で企画したという、変わった経歴を持つクルマです。見た目もすごく変わってます。

WiLL Vi(ウィル・ブイアイ)のオフィシャル・ページはこちら
http://www.willshop.com/will-vi/
をご覧ください。

基本スペックは、1.3リッター、直列4気筒DOHC、88ps、トルクは12.5Kg。燃費は10・15モードで17.2Km/Lと公表されています。価格は145万円です。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、14.5Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は68dBでした。

試乗車は大きなキャンパストップが付いています。グレードは一つでキャンパストップ有りと無しが選べて、無しのほうは130万円。

合同プロジャクトのコンセプトは、「20代、30代を中心とする新しい価値観、豊かな感性を持つ人達に、こだわりの商品を提供していこう」で、WiLL Viは「遊び心と本物感をかたちにしたクルマ」だそうです。

そのエクステリアを三本さんは「かじりかけのリンゴ」と表現していましたが、カボチャの馬車をモチーフにしたとか。クリフカットと呼ぶ、垂直に立ってるリアガラスが特徴的です。

中身的にはビッツベース。これでビッツのプラットフォームから派生したクルマは、プラッツ、ファンカーゴ、bB、そしてWiLL Viとなり、いづれも人気者です。

高速道路では「やわらかな乗り味」とコメントしていました。ホイールベースが短いせいか、ステアリングの反応は機敏な印象。

やわらかい乗り味はいいんだけど、もっとしなやかで粘り強さがほしいと言っていました。高速道路においては、セッティング的にあまり満足できない様子でした。

山坂道では「背が高い割にロールが少ない」として、特に不満はない印象。Uターンなどで小回りがよくきくし、いつもの片輪をジャリ道にのせてブレーキングするABSチェックも合格。セーフティーや走りの基本は押えさられているようです。

座面が高く、見晴らしがいいようです。それでも頭上空間はタップリしており、三本さんの座高でも、こぶしが上下に余裕で動いていました。

ただ、運転席からボンネットがほとんど見えないようで、前方の車両感覚がつかみづらいようです。

外観以上にこだわってる室内空間のテーマは「なごみ」と「リラックス」。インパネのモチーフはフランスパン。シートは食パンだそうで、色はベージュっぽい「なごみ」色でまとまっています。

本当に「なごむ」のか、シートに座りドアーを閉めて実際に体感したいところです。できれば出来立てのパンの匂いがしたらいいかもしれないと思いました。たまにパンを買ってクルマに持ち込むと、パンの香りでいっぱいになり、「なごみ」ますから。

大きなキャンバストップは「バルコニーの窓」だそうです。自分の家の窓は手動が普通です。なかには電動開閉する豪邸にお住まいの方もいらっしゃるかもしれませんが、WiLL Viのバルコニーも手動というわけです。なんでもかんでも電動にすればいいものではないとのこと。

手動といっても、やりやすく簡単そうでした。確かに操作に配慮があって手動で問題なければ、わざわざ電動にして価格を高くすることもありません。

どのクルマもいかにコストを低く押さえるか必死になってがんばってますが、ユーザーの側でも根本に立ち返って、不要な装備なんかいらないという考え方が必要なのかもしれません。

「前のモデルでは電動だったけど新しくなったら手動で格下かよ」なんて文句を言わず、手動でも機能的に問題なくて使いやすかったらそれでいいと思います。もちろん納得プライスであればの話です。

食パンシートをほめていました。ファンカーゴのようにコラムシフトを採用しているのでベンチシートになっています。完全にくっついているわけではなくて、左右独立しているのでシート調整は別々にできるようです。

またシートは、ソファーにカバーをかけたような感じです。単なるデザインなのか、そのカバーが取り外せたりするものなのか、よくわかりませんでした。

シートの座面が高く乗り降りしやすいようです。地上から約60センチ。「クルマはこうでなくちゃ」と三本さん。私も全く同感です。

セダンの潜り込むような低いシート。まるで地べたに座るような感覚。狭い視界。それをスポーティだと勘違いしていると思います。

確かに走りにおいて重心が低いことは大事な要素であり、その性能を最優先とする為にゴキブリのようなクルマがあってもいいですが、それを「演出」するのは変です。

昔は、見た目と走りの性能は比例していたのかもしれませんが、今は快適性と走りの性能はある程度技術で両立できるハズです。

WiLL Viの後席に三本さんが座ってみます。こちらも座面が高くて乗り易く、足元、頭上空間ともスペース確保には問題はなさそうでした。ただ、テレビを見ただけの印象ですが、シート座面の奥行きが小さいように感じました。

リアガラスがストンと直角に下がっているデザインをクリフカットと呼びます。昔は、湾曲していない板ガラスは安上がりだったり、雨や汚れが付きにくいなどの理由で流行ったらしいですが、WiLL Viのリアガラスは平らなようで、よく見るとゆるやかに湾曲しています。これはあくまでデザインのためのクリフカット。

トランクは特に大きいわけではありませんが、小さくて使い物にならないといったレベルでもないです。ダンパー式のフードは目一杯上がり開口部が大きく、荷物の出し入れがしやすそうでした。

「これは単に目立だけのクルマではない」とトヨタの人は言っていました。コンセプトの説明は大体わかりましたが、あとは自分で触れて、体験してみないとその実感はつかめないと思いました。月間販売目標1500台。今のところ実績で約4500台/月と好調な滑り出しです。

さて、WiLL Viを見て「かわいいクルマですよね~」三清さん。しかしそれに対する三本さんの返答は冷たいものでした。

(妄想)WiLL Viに乗って三清さんがいつもの代官山でお買い物。狭い坂道もスイスイ走るWiLL Viは、目立つというより街を引立たせるようです。

三本オジサンにはかわいいクルマのよさがわからないみたいですが、その街に合うクルマ、そのシーンに合うクルマ、カワイイ人に似合うかわいいクルマというのが、これからはたくさんあっていいんです。

かわいいクルマをかわいいと思ってくれる人が増えれば、三清さんももっと運転しやすく、クルマに乗るのことが楽しくなると思います。

★次週の予定
VW・ゴルフワゴン