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『TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
Vol.85 (2000/5/19) 毎週発行
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★5月15日放映
【トヨタ・プロナード】
プロナードのような逆輸入車を、三本さん流にいうと帰国子女。アメリカで企画・生産され主にアメリカで販売されますが、日本でも売っちゃおう、といった感じです。
プロナードのオフィシャル・ページはこちら
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Pronard/
をご覧ください。
基本スペックは、3リッター、V6DOHC、215ps、トルクは30.5Kg。燃費は10・15モードで9.7Km/Lと公表されています。価格は380万円です。
三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、9.0Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は62dBでした。
プロナードはアバロンの次期モデルに位置付けられ、これによりアバロンという名前はなくなりました。プロナードのコンセプトは「上質なゆとり」。走りのゆとり、室内のゆとり、静かさのゆとり、がテーマだそうです。
FFで、エンジンバリエーションはV6の3リッターのみ。今回試乗しているのは、革シートの最上級モデルですが、一番安いグレードでも300万円を超えるお値段です。
幅は1820mmと大柄。後部座席をはじめとして室内の広さは並み外れており、三本さんが運転席で「大きく前へならえ」しても、手がどこにもぶつからないといった広々セダン。
なんと前席ベンチシートの設定があります。さすがアメリカ育ちの帰国子女。ベンチシートなら前に3人座れて6人定員になるようです。3人家族なら前席だけでこと足ります。チャイルドシートが真ん中に付くかどうかはわかりません。
優れた静粛性。62dBという数値でも証明されましたが、クルマはこれ以上静かになる必要はないのではないか、と思ってしまいます。たとえば、インパネで確認しないとエンジンがかかってるかどうかわからないなんて、人によってはストレスかもしれません。
高速道路では静かでフラットで、まったく文句なし。どうしても文句を言うとすれば「個性がない」といったくらいか。
スカイフックTEMSと呼ぶサスペンション・システムにより、乗り味を3段階に変えられます。硬め、中ぐらい、柔らかめ。柔らかめの設定で車線変更しても、柔らかいからといって不安はないようでした。硬めにするとだいぶキビキビした印象になります。
山坂道でもスカイフックTEMSをいじってみます。硬めにするとシャープなハンドリング。柔らかめで走っても特に不具合はないようです。トルクもたっぷりあるし、快適極楽セダン。
三本さんもコメントしていましたが、特にクルマにこだわらず、快適・安全に移動する道具として考えたら、これほどベストチョイスはないかもしれません。ただしお金に余裕がある人に限ります。。
プロナードのプラットフォームは、カムリやES300(ウインダム)の流用で、フロア部分を50mmストレッチしたもの。
アメリカではFFが主流で、キャデラックなどの大きなクルマもFF化が進んでいるようです。三本さんが、「それではレクサス400(セルシオ)もFF化するのか?」と聞くと、「それはないと思う。FFもFRもそれぞれが生き残る。アメリカ市場は使い勝手や合理性を求めているのであって、駆動方式そのものにこだわってないだけ」とトヨタの人。
私もFFとFRを両立させる理由がよくわかりません。一本に絞ったほうがコスト的に有利ではないかと思いますがどうなんでしょう。
アバロンより室内高が25mm高くなっており、かなり広くなった感じ。トランクも大きくなってるとのこと。後席のアームレスト部分がトランクルームと貫通し、長物も収納可能。
イモビライザーが全車標準です。イモビライザーとは、キーにIDコードが埋め込まれていて、クルマに登録されたIDコードと一致しなければエンジンがかからない仕組みの盗難防止装置です。
仮に鍵山を完全に複製してイグニッションをONに出来ても、IDが一致しなければエンジンがスタートしません。プロナードの場合、EFIの噴射を禁止しています。
最近、盗難事件が増えているようです。このような先進の装備を高級セダンだけではなくて、人気のRV車などでも標準装備か、またはオプション設定を積極的にやってほしいです。乗員の保護安全性と同様に、ユーザーのための配慮として評価されるのではないでしょうか。
盗難にあうと泣き寝入りになる場合も少なくないようです。自分の愛車が何者かの手かかり駐車場から姿を消すなんて、考えただけでも目の前のちゃぶ台をひっくり返したくなります。
さて、今週のインフォメーションコーナーは、東京上野の国立科学博物館で開催されている特別企画展「20世紀の国産車」の紹介でした。日本初の国産車「オートモ号」の設計図?など普段お目にかかれない貴重な資料や、歴史的で珍しい実車がいっぱい展示されています。
三本さんも実際に行かれたそうです。VTRを見ながら、「学生時代このクルマに憧れたよ」などと話してくれましたが、あまりに古いクルマで私にはさっぱりでした。
「20世紀の国産車」は6月4日まで。詳しいインフォメーションは国立科学博物館のホームページをご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/special/past/car/index.html
★次週の予定
ボルボ・V70