TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

MCC・スマート Vol.88 (2000/6/8)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.88 (2000/6/8) 毎週発行
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★6月5日放映
【MCC・スマート】

企画とデザイン・コンセプトはスイスのスウォッチ。製造ダイムラー・クライスラー。生産している工場はフランスにあります。このクルマの血統、ブランドは何でしょう。全く想像がつかないクルマとは、正にこのことです。

スマートのオフィシャル・ページはこちら
http://www.mccsmart.co.jp/
をご覧ください。

基本スペックは、600cc、3気筒SOHCターボ、55ps。トルクは8.16Kg。公式な燃費は公開されておらず、販売元の実験値は21Km/Lとのことです。価格は168万円。カブリオレ仕様は188万円。

※公式サイトや、正規代理店スマートジャパンのサイトに公表されている燃費やスペックと若干異なる値があるようですが、あくまで新車情報で放映された数値を載せております。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、18.4Km/Lでした。時速80Km走行時の騒音は67dBでした。

スマートと聞いてそのエクステリアが思い浮かばない方は、まずはオフィシャル・ページをご覧いただきたいです。きっと一度は何かで見たことがあると思います。

全長2500、全幅1480、全高1530、ホイールベース1812、車重は720kg。最小回転半径4.25m。

日本の軽自動車規格は、全長3.4m、全幅1.48m、排気量660cc。幅は同サイズですが、全長で軽より小さいです。排気量も600ccということで、スマートは軽自動車登録となります。

実際のスマートは、幅1.48mを超えています。グラマラスに膨らんだリアフェンダー部分がハミ出しており、代理店であるスマートジャパンが薄いリアフェンダーを開発し、軽自動車枠におさめています。

希望があればグラマラス・フェンダーのままでも販売するとのことで、その場合は小型車登録となります。我々庶民の常識ですと有り得ない選択ですが、こだわる人もいるかもしれません。ちなみにその場合でも車両本体価格は同じだと言っていました。

2人乗りの2シーターで左ハンドルのみ。メルセデスの刻印があるターボエンジンはリアにあります。

前輪135/70R15、後輪175/55R15。前後でサイズが違います。ちなみにスペアタイヤは積んでいません。

トランスミッションは、マニュアルのような操作ができるシーケンシャルモードを持つ6段AT。

コンセプトは、エコロジー、エコノミー、セーフティ。特に安全性については小さいクルマの先入観を払拭するかのように、あらゆる配慮がしてあります。

実際どれほどの強度か分かりませんでしたが、十分な衝突安全性能の確保。運転席・助手席フルサイズエアバックと、ABSやトラクションコントロールを標準装備。

スマートで東名高速を流していた三本さんは、かなり目立っていました。その小さいボディーは、端から見たら電気自動車に思われるかもしれません。

高速での第一声は「うるさい」。計測値はそれほど非常識なレベルでもありませんが。

剛性感のあるボディーで安心感もある、とコメントしていました。タマゴのような構造のモノコックフレーム。

車線変更でもしっかりした手応えを感じた様子でした。ホイールベースが超短いので、かなり敏感な操舵感のようです。

山坂道でもそこそこ走っていました。トランスミッションをマニュアル操作していましたが、シフトチェンジしてもクルマの反応が遅く、ちょっと不満そうでした。

スマートのATはクリープ現象が起きないので、登り坂の発進ではブレーキを放したらすぐアクセルを踏まないと後退してしまいます。

箱根の山坂道でUターンしてましたが、やはり小回りはお手のもの。

片輪をダートにつっこんでフルブレーキをかけるABSチェックですが、クルマは向きを変えることなく安定していました。きっと三本さんも怖かったと思います。いくらABS実装とは言っても、クルマが小さいですからスピンしやすいハズ。

外見は非常にイケてますが、内装もスウォッチ・テイスト満開です。何とも新鮮で好感持ちます。決して金をかけているワケでもないのに、クルマの印象はデザイン次第なんだなあと改めて思います。

派手なんだけどブルーが基調で質感のよさそうなインパネ。狭い空間なのにダッシュボード上の物置も工夫されていて、すごくいい感じです。

三本さんもいろいろホメていましたが、その一つ、日よけのサンバイザー。メッシュになっていて透けて向こうが見えます。日よけならこれで十分だ、と三本さん。確かに機能的だと思ったし、何よりデザインもかっこいい。

またシートの形や色がイイ。他の軽自動車と比べてイイのではなく、スマートのシートがすばらしいです。

シートの裏側はなんと鉄板で覆われています。本当に「鉄」かどうか分かりませんが、三本さんは指でたたきながら鉄板と言いました。

シートのすぐ後ろはラゲージルームですから、荷物が前へ飛んできてもへっちゃらだとか。本当にそれだけの理由で重量がかさむ重たい鉄板で覆ったのでしょうか。

その鉄板の真ん中には通気口がついていました。鉄板だとらムレちゃうから通気性を良くしないと、などと言ってましたが、クルマのシートでそんなつくり見たことありません。

まあシートについては座ってナンボです。ぜひ東京・日本橋のショールームに足を運びたいです。

明らかに日本の軽自動車とは違うエクステリアとインテリア。軽自動車に限らず、日本のクルマづくりは私個人的には世界一だと思っています。

しかしスマートを見ていると、デザインとセンスがまるで違います。WiLL Viも悪くないけど、どうも国産車の場合は取って付けたようになってしまうのはなぜでしょう。

世界に誇れる日本独自の軽自動車。その規格の中で、いとも簡単にインパクトあるクルマを創造したことへ、驚異すら感じました。そもそも軽自動車枠に納めようとしてつくられたわけではなく、たまたまそうなっただけだと思いますが。

ボディーでは、フレーム構造体以外のパネル部分はプラスチックだと言っていました。このパネルをはめ替えることにより、多様なボディーカラーが可能だそうです。たとえば左右で色違いとか。

屋根は全面ガラスルーフ。メッシュが入っており、中はほとんど見えない感じでした。ガラスルーフは本来オプション仕様ですが、日本に輸入されるのはガラスルーフと屋根なしのカブリオレのみ。

このスマート、日本では4月より販売しており、現在までの販売累計は400台。

メンテナンス工場は本社の東京・日本橋にあり、整備拠点は今のところここだけです。その他の地域でも、整備要領の指示を出しながらメンテが受けられる体制を整えたいとのことでした。

また将来は、メルセデス販売網で取り扱う可能性も有り得る、というような発言がありました。

最近、日本自動車工業会の新会長の発言が波紋をよび、軽自動車の偏った優遇税制について議論が巻き起こっていますが、その是非はさておき、このスマートが軽自動車で維持できることは大変魅力的です。

車両価格は国産軽自動車に比べて決して安くないですが、やたら高価なわけでもないし、セカンドカーを持ちたい需要のある方には現実的な選択肢の一つになりうるのではないでしょうか。

今はセカンドカーをお持ちでない方も、スマートならもう一台、あなたの駐車場に納まるかもしれません。

買い物などの街乗りに軽自動車を使っているイケてる奥さんも、スマートにしたらもっとイケてる奥さんになれるかも・・

★次週の予定
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