TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

VW・ポロ Vol.92 (2000/7/6)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.92 (2000/7/6) 毎週発行
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★7月3日放映
【VW・ポロ】

アシスタントの野中さんは手のひらに旧ビートルのミニカーをのせながら、「私のフォルクスワーゲンのイメージはこれです」と言うと、三本さんもゴッツイ手にニュービートルのミニカーをのせて、「私はこれです」と言います。それ、逆じゃないでしょうか。野中さんのほうがオシャレなニュービートルだと思います。

ポロのオフィシャル・ページはこちら
http://www.vwj.co.jp/
をご覧ください。

基本スペックは、直列4気筒DOHC、1.4リッター、75ps、トルクは12.8Kg。燃費は10・15モードで12.8Km/Lと公表されています。価格は205万円です。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、10Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は66~67dBでした。

試乗車はオープンエアと呼ぶキャンパストップ仕様で、騒音は屋根を閉じた状態での数値です。

VWにはかっこいい魅力的な小型車が揃っています。パサート、ボーラ、ゴルフ、そして今回の新型ポロ。

日本で販売されるVWラインナップ群の中で、ポロはもっとも小さなクルマになります。もっと小さなルポという3リッターカーがありますが、現在日本には導入されていません。ちなみに3リッターカーとは、3リッターの燃料で100キロの距離を走れる低燃費車のこと。

旧型のポロとくらべると幅寸法は変わりませんが、全長で4センチ大きくなり高さで1センチ大きくなったそのサイズは、全長3750、全幅1660、全高1430。

トヨタ・ヴィッツの寸法は、全長3610、全幅1660、全高1510。幅はまったく同じ、長さはポロのほうが長く、背はヴィッツのほうが高いです。

日本でラインナップされるエンジンは今回の1.4リッターと、125psを発揮する1.6リッターDOHCの2本立て。

正規代理店の人が言ったVWのクルマづくりのコンセプトとして「ベスト・イン・クラス」というキーワードを上げていました。

それは「どのクラスであっても常に最高の品質と魅力を兼ね備えていないといけない。その思想の中でポロはプレミアムな小型車として生まれ変わった」といっています。

高速での印象は「実にしなやか」とホメます。また急な車線変更をしながら「危険回避能力が高い」と表現していました。スポーツカーといった性格ではないけれど、走りの基本レベルは高い、そんなイメージでしょうか。

「ロールもあるし上下動のバウンディングも起こるが、タイヤがよく路面をつかんでいる感じだ」とのこと。まさに三本流アナログ感覚。聴いてるだけでは難しいです。

ステアリング操舵力(重さ)はちょうどいい設定だそうで、操舵するとクルマがすばやく反応する機敏な印象。

頭上空間はこぶしが縦に一個入る余裕を持っています。ちなみに三本さんは身長172センチ、座高は92センチと座高が高いオジサン体型。

山坂道では、多少の非力感は否めない様子。しかし「普通に走るぶんにはほとんど支障なし。ねばり強いエンジンだ」とのコメント。エンジンは新設計でオールアルミ製。燃料はレギュラー仕様です。

ロケの当日はかなり天気がよく絶好のドライブ日より。キャンバストップをフルオープンにして箱根の山坂道を走る真っ赤なポロの試乗シーンは、観ているほうもドライブへ行きたくなりました。

屋根のキャンバス部分の外側は黒、内側は内装色と同じ色をしており、閉めている状態ではキャンパストップ仕様を忘れるほどのクオリティに仕上がっていると思いました。開閉はもちろん電動。

フルオープン状態で、前席に至っては余計な風の巻き込みはないようです。また騒がしくならないと言っていました。いろんなキャンパストップを運転してきた三本さんが、「空力などのいろんな工夫がされた結果だろう」と評価していました。

不満としては、ブレーキのフィーリングが今一つだと言ってました。利きが悪いというわけではなく、もう少し軽い踏力で思ったように利いてほしいとのこと。

このクルマは右ハンドル仕様です。それはいいのですが、ペダル類がやや中央寄りに配置され、慣れるまで違和感があるようです。これは左ハンドルベース?のクルマが右へ変更されている場合に、よく指摘されるようです。

車載工具でホメていました。コンパクトなトレイBOXの中に、高価そう?な工具が収まっていました。「日本人とドイツ人の考え方の違いか、日本車のはキャラメルのオマケみたいなヘロヘロしたものでガッカリする」と言ってましたが、同感です。まあ日本車でもセルシオとか高級車になれば上等のが付いてきますが。

エクステリア(外観)はかっこいいと思いました。サイズに依存しない、質感を感じるデザインだと思います。特にリアの仕上がりはイイと思いました。
 
最近のVWの中で特にイイと思ったのが、新車情報でも登場したセダンのボーラ。コンパクトにまとまった品の良さを感じたものですが、ポロもそのデザイン・コンセプトを踏襲していると感じました。

日本車では最近、海外にデザイン事務所を構え、外国人デザイナーにデザインさせてそれを採用する手法が多くなったようです。そうすると、たとえばトヨタ・ヴィッツのようにヒットが飛び出す場合もあるでしょうが、メーカーとしてのデザイン・コンセプトを守るのには難しい面もあるのかもしれません。

奇抜なものがイイと感じるときもあれば、伝統的なものがイイと思うときもある。海外で評価されても、日本人にはウケない場合もあります。つくり手のセンスか、受け手の感性か。クルマのデザインとは本当に奥が深いです。

また、三本さんはソリッドな塗装が大好きなようです。ソリッドな塗装とは、混ぜ物をしない原色のカラーそのままの塗装。ヨーロッパ車の小型車に多いです。

三本さんは「日本車は安っぽいクルマでもアルミを混ぜたりして、貧乏人がどっか堀当てたようにビカビカに光らせたがるから、余計に安っぽく見える」と言います。このあたりも日本人の「感性」でしょうか。

私は国産車しか乗ったことがありませんので三本さんのヨーロッパ車ホメまくりトークを聴いていても、「でも実際のところは日本車が一番でしょ」と思ってしまいます。

しかし、乗りごこちに関して「アタリ」というか、明らかに国産車と何か違うみたいです。

たとえば日本車ではサイズの小さなクルマは、安いクルマとして徹底的にコストダウンし「安さがウリ」といった商品になってしまいますが、一方ヨーロッパ車は、そういったサイズによる「車格」の決め付けが少ないのではないでしょうか。

「どうして日本車にはこういう乗り味ができないのか、くやしい・・」といった三本さんのお決まりコメントも、ユーザーのクルマに対する捕らえ方の違いによるつくり手の注力する方向性が、日本車のそれとは少し違うのかもしれません。

ただこの考え方の善し悪しは意見の分かれるところかもしれません。日本の小型車のコストと品質は、やはり世界一だと思いますので。

三本さんは、日本の自動車メーカーが外資に吸収されるのは遺憾だとおっしゃっています。しかし技術の日本メーカーとセンスと伝統のヨーロッパ・メーカーとの統合は、実は歓迎すべき方向性なのかもしれません。

まあ三本さんが嘆いている最大の理由は、これまで日本経済を支えてきたメーカー従業員の扱い方と、彼らを支援すべき立場である国の態度の悪さにあるわけですが。

さて、今週のインフォメーションコーナーは、日産の関連会社オーテック・ジャパンより発表された、シルビアをベースにしたイケてるオープン・カー、日産・シルビア/コンバーチブルヴァリエッタの試乗会の模様でした。

石原裕次郎が生きていたら、西部警察の中でぜひ乗ってほしいダテな一台です。電動デタッチャブル・ハードトップと呼んでいたその屋根は、全自動でオープン・カーに早変わり。閉めるのも全自動。

屋根はトランク部分に収納されるため、トランクに荷物はほとんど入らない模様。ダテです。

ヴァリエッタのオフィシャルページはこちら
http://www.autech.co.jp/SV/S15S03/index.html

(妄想)
サザンのTUNAMIでは、思い出はいつも雨だったようですが、三清さんとの思い出はいつの日も「晴れ」。

オープンエアのポロで走る箱根の山坂道。最高の天気。青い空と明るい日差し。青々とした木々。

ハーブのような香りがする風と、三清さんの髪の匂いと、三清さんがつけているブルガリの香りがブレンドされた空気が、助手席に座っている私を包む。

そう、運転しているのは三清さんでした。グラサン姿がイケてます。私はシートを少し倒し、手を頭に組んでオープンエアの空を眺めたり、美しい緑に目をやったり、そして三清さんの横顔に目を奪われたりしながら、「♪時間よ止まれ」と口ずさんでいました。

★次週の予定
トヨタオーパ