TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

クライスラー・PTクルーザー Vol.98 (2000/8/17)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.98 (2000/8/17) 毎週発行
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★8月14日放映
クライスラー・PTクルーザー】

非常に個性的なエクステリアです。まだ観たことない方は、まずオフィシャル・ページでそのレトロなデザインをご覧ください。私的には今世紀最強のクルマ、バットマンのバットモービルを連想しました(笑)

PTクルーザーのオフィシャル・ページはこちら
http://www.chrysler.co.jp/japanese/promotions/pt_debut/index.html
をご覧ください。

基本スペックは、直列4気筒DOHC、2リッター、141ps、トルクは19.2Kg。燃費は10・15モードで9.6Km/Lと公表されています。価格は280万円です。下位モデルにクラシックというグレードがありそちらは230万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、8.8Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は67~68dBでした。

1930~40年代のアメリカンクラシックなデザインで、三本さんは「なつかしい」とおっしゃっていましたが、私はまだ生まれていませんでしたので感慨深いものはなく逆に新鮮です。ホットロッドを彷彿とさせるワイルドな「前のめり」シルエット。

PTとはパーソナル・トランスポーテーションの略で、本アメリカでは今年4月に発売以来、4ヶ月間で3万2千台も売れたヒットになっているそうです。ヨーロッパでも特にフランスで人気が高いそうです。

押し出しの強さではピカ一で大きく見えますが、サイズは全長4330、全幅1725、全高1600。重量は1460kg。

いかにもアメリカ人が好みそうなコンセプトカーが、思ったよりこじんまりしているのは意外です。プラットフォームもPTクルーザー専用だとか。

デザイン重視の設計から最小回転半径は6.1mと日本ではやや取り回しに苦労しそうです。

昔のアメ車らしいやわらかい乗り味の「アメリカ仕様」と、硬いキビキビした足回りの「ヨーロッパ仕様」があるそうで、日本に輸入されるのはヨーロッパ仕様の硬いほう。

三本さんはアメリカ仕様も乗ったことがある様子で、「アメリカ仕様のやわらかいほうが良かった」といったコメントをしていました。

高速では「硬めな乗り心地でステアリング反応も機敏。遊びがほとんど無い」とのこと。時速100キロ走行時のエンジン回転数は約2500。

山坂道ロケは先週と同じ場所でした。つまり番組は2週分まとめて収録しているようです。

「ハンドルが思ったより切れ込む。違和感があって馴れるまで時間がかかる」と言っていました。いわゆるオーバーステアぎみなのかもしれません。

約7~8%の登り勾配を登っていると時々キックダウンしますが、その際エンジン回転が3500を超えると、ちょっと車内がうるさくなるようです。

日本に入ってくるのは輸出向けの右ハンドル仕様。しかし「ブレーキペダルが中央に寄りすぎ」だとか。つまりアクセルとブレーキが離れ過ぎているようです。

近すぎて足が引っかかるのも問題ですが、遠すぎるのもまた操作しづらいものです。遠い分にはたとえば大きめの後付けプレートを利用すれば解消するのかもしれません。

ドアミラーが見づらいと言っていました。デザインのせいかもしれませんがミラーの取り付け位置が手前で、右側は運転者に近すぎるし、左側は視線を大きく変えないと見えない感じ。

内装は円形を多様したレトロチックな演出。白地の3連メーターや、ユニークなデザインのステアリング。色合いも全体的に明るい印象ですが、私的にはわざとらしい気がしてあまり好みではありません。リミテッドは標準で革シートが付きます。

外観から想像すると狭いそうな室内空間ですが、予想を反して広いです。

「運転席の頭上空間はクライスラー車の中で一番広い」そうで、後席のレッグスペースも「クライスラーのフルサイズセダンの次に広い」とのこと。

野中さんが後席に座ってみます。広く快適そうな居住空間。明らかにSUV系の空間であり、セダン的ではありません。最近、野中さんの後席チェックを心待ちにしているのは私だけでしょうか。

特徴あるリアゲートを開けるには、メッキで輝くエンブレムを引っ張っていました。ラゲージスペースの面積はさほど広くはないものの高さ方向でかなりたっぷりしており、それを有効に活用するため仕切り板が付いていて、高さ位置を何段階かにセットできます。

そのほかいろいろなレイアウトに対応しています。後部座席は脱着式で、外せば広大なスペースが出来るし、また助手席を前に倒すことで、室内長いっぱいの長い荷物も積めます。これはまさに出来のいいSUV。

三本さんも「空間を上手にアレンジするアイデアや工夫は、日本人が得意だと思っていたのに~」と感心するとともにグチモード。

独特のフロントデザインによってボンネットの空間は制約を受けました。本国アメリカでは2.4リッターが積まれていますが、もうそれ以上大きなエンジンはスペース的に載らないとか。

たとえばバッテリーはエアクリーナーの下に置くなど、工夫が必要なエンジニア泣かせの狭いエンジンルームとなっています。

PTクルーザーは昨年の東京モーターショーにも披露されていましたが、このようなレトロ調のクルマが実際に市販され人気を博すような例が増えてきました。たとえば三本さんも例に挙げていたVW・ニュービートルも、同じようなベクトルのヒット商品です。

今やクルマで最も重要な要素はデザインかもしれません。ただ機能美とは思えないレトロチックなデザインがもてはやされるのは、一過性の現象ではないかと思います。

それともクルマも「服」と一緒なのでしょうか。もはやデザインは「機能美」から決別して、一人歩きしているのかもしれません。

(妄想)
三本さんも「ロケの道中はかなり注目をあびた」そうですが、ベンツA160やニュービートルが珍しくなくなった昨今、助手席に三清さんを乗せたPTクルーザーは、現時点で注目度ナンバーワンです。

ちまたに溢れるデート・カー観察していると、盛り上がって楽しそうに笑っているカップルもあれば、ぜんぜん会話がなく、ひたすら2人で前方を見ているカップルもいます。

そんな中、周囲の視線をビンビン感じながらPTクルーザーで流していると段々興奮してきて、バットマンのマスクをかぶってもっとウケをとりたい衝動に駆られました。

★次週の予定
2000年上半期を斬る