TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

2000年上半期を斬る Vol.99 (2000/8/24)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.99 (2000/8/24) 毎週発行
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★8月21日放映
【2000年上半期を斬る】

毎年恒例、いつものメンバーで今年上半期を総括します。

あらためて紹介するまでもないお馴染み三本和彦氏、ジャック山口ことモータージャーナリストの山口京一氏、モータージャーナリストの重鎮、星島浩氏。そしておじさんに囲まれながらも明るくがんばる総合司会担当の野中美里ん。

皆さんそれぞれ印象に残ったクルマを上げていました。上半期、三本さん評価車は、
トヨタ・プリウス。ハイブリッドの進化には感心したとのこと。
ダイハツ・ネイキッド。機能性と斬新なデザインの融合は高く評価しているようです。
フィアット・プントの安っぽくない仕上げの良さ。
オペル・ザフィーラの見事なシートアレンジ。

反対にツッコミが入ったのは、
アウディ・TTクーペ。今一つの?四駆システム。
●高級指向になり本来のありがたみが失せてしまったクライスラー・ネオン。
●フォード・フォーカスは、評判は良いがエンジンが力不足。AT仕様車ではもう少しパワーが欲しいとのこと。マツダのエンジンでも載せたほうがいいんじゃない?とも言っていました。
●日産・バサラは「クルマの発表会で自らクルマの欠点を10項目も上げていた。そんなことは前代未聞」と異色だった印象を上げていました。

山口さんは、特に「トヨタ車のデザインのパワフルさ」が印象的だとのことでした。
○WiLL Vi(ウィル・ブイアイ)やbB、そしてエスティマなど、まるでビックリ箱のようだとトヨタ旋風に感心している様子。
○日産・ティーノハイブリッド。台数は少なかったが、日産の職人芸的なクルマだったとのこと。
フィアット・プント。電動パワステを任意に作動させる珍しいスイッチがついていましたが、「おもしろいし使える。こういう仕様もいいと思う」と評価していました。
クライスラー・PTクルーザー。「良く出来てる。やはりアメ車はアメ車らしくなくては」とのことでした。日本でも人気で、今年の輸入分は完売したようです。


外側にヒンジが付くダイハツ・ネイキッドのアイデアは、星島さんが以前から提案していた方法のようです。そんな斬新なアイデアをお持ちの星島さんの評価車は、
トヨタ・プリウス
○ホンダ・オデッセイ。「あれだけ高い運動性能を持つミニバンは他にない」と高く評価。
○三菱・ディオンはその「安さ」に感心したとのこと。
○スバル・レガシィランカスターの水平対向6気筒エンジンはすばらしいとのこと。
マツダ車が寂しい、とお嘆きです。確かに「新車情報000」になってから一度もマツダ車の紹介はありませんでした。

恐縮ですが私の意見もちょっと・・。評価車は、
○ホンダ・オデッセイ。突出した特徴がないくせに、みんな「欲しい」と言うすごいクルマ。絶妙なるバランスという逸品。しかしデカイ。あんな大きなクルマがカローラたいにガンガン売れまくって、ユニクロの狭い駐車場に何台も置かれるのはちょっと困る。
トヨタエスティマ。広くて静か。デザインは好みの領域ですが悪くないと思う。
○VW・ポロ。好き、理由はなんとなく。
●フォード・フォーカス。世界が本当にこれを評価しているとしたら、日本の小型ミニバンを知らないだけだと思う。
クライスラー・ネオン。どんなにつまらない映画でもたとえば「風景がきれい」とか何かしら取り柄があるように、クルマもどこか見所があるものですがネオンはそれすら見出せませんでした。三清さんとの妄想が浮かばなかっただけなのですが・・

さて、国際派で英語がベラベラの山口さんは、最近ではベトナムへ行ったりとグローバルに活躍されてます。

そんな山口さんは「WiLL Viのようなクルマが日本人以外にウケるとは思わないが、しかし決して日本のデザインは悪くないと思う」との発言。

三本さんも「そうかもしれない。海外のデザイナーによると、日本のデザインは自由な発想で注目すべきところが多いと聞く」とのことでした。

そして新しいデザインを短時間のうちに商品化する日本の技術力も、海外から感心されているとのことでした。

誇り高いニッポンの自動車技術。戦後約50年、必死に築き上げた我々の優秀な技術が、海外資本にのみ込まれ、従業員たちがリストラされる。

いまや純血メーカーはトヨタとホンダだけとなりました。業界図を塗りかえる近年の状況に、我らが三本さんは憤慨し、怒りのサンドバックが炸裂します。

世界的に全く通用しない怠慢で遅れた銀行を税金で救ったが、本当に救うべきは日本の経済を発展・成長させた世界でも最先端の自動車産業ではなかったのか。

金融機関を助けたあのカネがあれば、日本の誇るべき産業は救えたし、しかもお釣が出たはず。

新聞記者時代からずっとクルマ社会を見続けてきた三本さんは、21世紀へ向けて新たな変革を期待する反面、今回の出来事は「国益にマイナス」と納得できない様子です。

おっしゃる通りかもしれないと思いました。私事で恐縮ですが自分も金融の端くれに身を置いておりましたので、金融システムを最低限保護することについては、日本経済全体の安定を保つために仕方なかったと考える一人ではあります。

しかし、守らないといけないものがそこにあったとき、それを全力で守るのが筋だろうし、それが我々の政治に期待すべきことかもしれないと思いました。

それに対しグローバル思考の山口さんは、楽観的な見解を述べてくれました。

「かつての技術立国イギリスも、あのローバーがタダ同然になるなど衰退したように見えるが、F-1やル・マンどのレースシーンではイギリスの技術は今も一流である。」

「誰がそのオーナーになったとしても、日本の技術魂は残ると思う。技術とはそういうものではないだろうか。」

議論は尽きませんが、とにかくダメな金融ダメな政治に関係なく、誇れる技術者たちは日々仕事をしています。

以前は最も売れていたトヨタ・カローラの新型が、今月末にも発表。

「安い、早い、うまい」だけではない日本の技術力を世界に知らしめたトヨタセルシオ。世界中が注目する3代目が近々登場。

そしてホンダ・シビックの新型もかなり注目されています。

外国勢ではメルセデスの新型Cクラスがまもなく日本に上陸。こちらも大きな影響を与えそうです。

三本さんはこれからのクルマに期待するものとして、毎度「気持ちのいいもの」と総括します。環境をはじめ、あらゆるフェーズで気持ちよくなければクルマではない。「気持ちわるい」クルマは買うな!が三本さんの主張です。

※今回はオジサンばかり見ていたので楽しい妄想が浮かびません。妄想コーナーはお休みします。

★次週の予定
時代を駆ける名車