TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

日産・ブルーバードシルフィ Vol.107 (2000/10/20)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.107 (2000/10/20) 毎週発行
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★10月16日放映
日産・ブルーバードシルフィ】

カルロス・ゴーン社長は、奥さんに数日間試乗してもらい感想を聞いてから最終のゴー・サインを出したといいます。社長婦人も納得した、新生ニッサンの自信作です。

オフィシャル・ページはこちら
http://www.nissan.co.jp/SYLPHY/
をご覧ください。

基本スペックは、直列4気筒DOHC、1.8リッター、120ps、トルクは16.6Kg。燃費は10・15モードで16.0Km/Lと公表されています。価格は186.4万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、12.2Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は65dBでした。

コンパクトな5ナンバーサイズ。全長4470、全幅1695、全高1445、重量1170キロ。最小回転半径は5.0mという小回りのいいセダンです。

エンジンのラインアップは2リッター直噴、1.8リッター、1.5リッターの3本立て。ハイパーCVTは2リッターのみ。価格帯は154.9万円~206.2万円。

U14型ブルーバードは引き続き販売されます。パワフルでボクシーなブルーバードをお望みならこちら。

日産の人がいうシルフィのコンセプトは明快でした。ターゲットは40~50代の団塊の世代と呼ばれるユーザー。よく「このクルマは若者からお年寄りまで・・」なんてセリフが出ますが、それはメーカーの都合のいい解釈だったりします。

団塊の世代向け、シルフィのコンセプトは3つ。

1、上質さへのこだわり。「さりげない上質感をかもし出すことが、使う人のセンスの良さをあらわす」として、細部にわたり統一感あるデザインを追求したとのこと。

2、先進の環境技術。運輸省の定める超低排出ガス基準値をさらに下回る、1.8リッターガソリンエンジンを最量販車種に搭載。

3、使い勝手のよさ。クラストップの最小回転半径。ご夫婦にピッタリのジャストサイズ・セダンです。

高速道路では「やはりトヨタとは違う。ヨーロッパ車のオーソドックスなサスペンションの味に似ている。したたかというより、しなやかな印象」とのコメント。

そのフィーリングを「確かな乗り味」と表現していました。車線変更では「ロールは起こるが不安がない」とのこと。「上質」は演出だけでなく、走りの性能も上質のようです。

山坂道ではタイヤが鳴らない、と感心しています。1.8リッターのリーンバーンエンジンは、山坂道でも過不足なくドライビングできる様子です。ビジーにならない電子制御4速AT。

「静かでやわらかい乗りごこちなのにロールが抑えられている」とのこと。省エネと環境だけが取り柄のクルマではなさそうです。

この1.8リッターの主力エンジンは、排出される成分のうちハイドロカーボン(HC)だけで見れば、東京都の空気よりもきれいなんだそうです。

エンジンのカットモデルで説明がありました。吸気を「電子制御スワールコントロールバルブ」で高速化、かつスワール(渦巻き)を発生させ、始動直後から理想に近い混合比を実現。

また「超低ヒートマスマニホールド触媒」で、低温から触媒が働くように改良。

触媒は暖まらないと役割を果さず、一般的には始動してから20~30秒くらい経過しないと機能しません。いわばこのあいだは毒素を撒き散らし状態。

よく、エンジンをかけてから、おもむろにクルマのまわりを一周している人がいますが、あれは体によくないようです。クルマに乗ってからエンジンをかけて、しばらくそのまま車内に避難していましょう。

「超低ヒートマスマニホールド触媒」では、始動直後のタイムラグを約10秒に短縮。しかもこの10秒間に発生した毒素は触媒の中にトラップ(ため込む)していて、そのままでは排出しないといいます。触媒が機能した時点でトラップしたものを洗浄して排出するという、ガマン強い触媒です。

シルフィならエンジンをかけた直後に、愛車を眺めながら一周しても平気みたいです。

内装は評判どおり上質感を演出。ファインジャガード織物のシート生地。上質にこだわった明るい色合い。

座面が高く、ヒップポイントは地面から500ミリ。U14ブルーバードより30ミリ高くて視界がいいです。

明るい木目調パネルがふんだんに施された室内。この明るい雰囲気は、イギリス車の上品なインテリアに似ていると思いました。

日産純正ナビのポップアップ式モニターはいいと思います。使わないときはすっきりするし、目線が低くならなくていいし、パネルが日よけの役割もかねています。ナビはオプションで試乗車には付いておらず、モニター部分はフタの付いた小物入れになっていました。

それとは別のATセレクトレバー奥にあるコインボックは、「大きさが中途半端で使いづらい。灰皿なのか小物入れなのかよくわからない」。

全体的になんとなくチグハグな感じを受けるとのことで、細部まで行き届いているけど「まとまりが悪い」と厳しいツッコミもありました。

実はシルフィ試作段階のとき、三本さんは意見を求められたそうです。そのときは、31項目も指摘したそうです。

そのうち1/3くらい採用されたとのことでした。たとえばその一つで、ギアをバックに入れたときサイドミラーが自動的に下を向く機能がついています。

フロントまわりのデザインは、ローバーを連想しました。大人のヨーロッパ風テイスト、そんな印象です。

「コンペティター(ライバル)は?」という三本さんの問いに日産の人は「特にいないと考えている。この価格、このテイストはシルフィ唯一だと思っている」とのこと。

確かにこれまでのブルーバードや、他のセダン達と何かが違います。

「環境と上質」。このテイストをユーザーはどのように評価するのか。これからのセダン、そしてこれからのクルマづくりの方向性を占う、注目のクルマかもしれません。

(妄想)「細部まで上質」。それは洗練された三清さんのことではないでしょうか。

たとえばGT-Rのようなスーパースポーツの助手席にも違和感ない三清さんですが、英国調のやさしく明るいインテリアのほうが合っているのかもしれない。

秋のオープンカフェで過ごす、アダルティーなひととき。上質なハーブティーと、そして三清さん。シルフィは、そんな2人の感性にマッチするクルマでした。

★次週の予定
ホンダ・シビック