TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

トヨタ・カローラ Vol.109 (2000/11/3)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.109 (2000/11/3) 毎週発行
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★10月30日放映
トヨタ・カローラ

カローラは14ヶ国で生産され、世界中で販売されています。今回で9代目。初代は1966年に誕生。恐縮ですが私と同い年です。子供の頃、我が家にはじめてやってきたイカーは2代目カローラでした。私がはじめて運転したのは4代目。はじめて事故ったのも4代目。庶民にとって、そして私にとっても原点のブランドです。

オフィシャル・ページはこちら
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Corolla/index.html

基本スペックは、直列4気筒DOHC、1.5リッター、110ps、トルクは14.6Kg。燃費は10・15モードで16.6Km/Lと公表されています。価格は151.8万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、17.1Km/Lでした。今回は道路事情?により山坂道の試乗が中止で、ほぼ高速走行だけの計測結果です。時速100Km走行時の騒音は63~64dBでした。

全長4365、全幅1695、全高1470、重量1040kg。

ちなみに先週のホンダ・シビックのサイズは全長4285、全幅1695、全高1495、重量1170kg。

カローラの価格帯は、4WD仕様を含め112.3万円~206.8万円。エンジンは1.3と1.5と1.8リッター。ディーゼルは2.2リッターが用意されています。

基本構成は3グレード。ベーシックな「X」、ポピュラーな「G」、高級仕様の「LUXEL」。今回試乗されたのは「G」。

「ネーム以外は全部変えた」とトヨタの人。プラットフォーム、エンジン、トランスミッション、デザイン、専用のシンボルマークまで一新。

フロントグリルに付く新しいマークは、「NCV」の文字をモチーフにデザインされたもの。NCVとはニュー・センチュリー・バリューの頭文字で、意味は「21世紀の新しい価値を提案する」だそうです。

NCVが象徴するように、「これまでのモデルチェンジの概念を一旦忘れた。21世紀における新しいグローバル・コンパクトの創造を目指して開発した」とトヨタの人。その思想はセルシオ以上かもしれません。

ポイントは3つ。1、クラス概念を超えたパッケージとスタイルの両立。このフェーズに1年半かけたとか。2、質の高い走りの実現。3、環境と安全。

ありふれたコンセプトに聞こえますが、いずれも高次元で達成しているようです。ただし、運輸省排出ガス認定制度の認定は☆(星一つ)。先週のシビックは☆☆でした。☆はもっと付けられたのかもしれませんが、一個にしておくのがトヨタらしい。

高速道路で三本さんが、「この静かさはアッパレだ」と驚いた静粛性。測定結果でも証明されています。

新開発のエンジン。数値的にはフツーですが、「低中速域でトルクが出る扱いやすい特性。パワーはたいしたことないが、力不足を感じない」とのこと。

乗り味はどちらかといえばソフト。それでいてステアリングの応答性はいいようです。「やわらかさを帯びている割によく応答してくれる。ドイツ車のような感じでもないが、不安がない。わりあいキリッとした印象だ」。

ドイツ車っぽいようで少し違う。しかしこれまでのトヨタ車っぽくない、そんなふう聞こえました。

シートはドイツ風だそうです。タイト感があると言っていました。時代はかわり、柔らかいキャバレーシートは少なくなりました。

ヒップポイントが高くなり、背も高くなりました。視界良好。それでも頭上空間は三本さんの大きなニギリこぶしが縦に入り、さらに動かす余裕がありました。

「内装は価格以上」と三本さんに言わせたインテリア。

ハンドルの素材はウレタンのようでしたが、中央にデカデカと鎮座したトヨタのマーク。気分はなんちゃってセルシオ。

木目調パネルで質感を演出。メーターは白っぽい見やすい色とデザイン。少しでも視認性が悪いと必ずツッコむ三本さんが気に入った様子。

寸法は従来より全長が50ミリ、全幅は5ミリ大きくなりました。外寸は若干の拡大ですが、ホイールベースの延長でずいぶんと広くなった室内。でもシビックのように大バケしたような進化ではなく、セダンとしてのセオリーを踏襲しているようです。

乗り降りしやすい座面が高いシート。野中さんが助手席と後席に座ってくれます。お尻からスッと座り込む感じ。屋根も高いのでリンボーダンスをする必要はありません。

後席から降りるとき、床の敷居が少し高く、足がひっかかることがあるかもしれません。「側面衝突の対応で重厚な補強材は不可欠。室内の床をそのぶん高くすれば敷居はなくなるが、そうすると全体的に腰高になってしまう」とトヨタの人。

後席の床の中央が少し盛り上がっています。「FFだからトンネルはいらないでしょう」と三本さんがツッコむとトヨタの人は、「4WD仕様がある。アンダーボディは全車共通にした。また、平らな床よりも曲面を利用することで強度を出しやすいメリットもある」とのことです。

外観からだと小さく見えるトランクですが、容量は旧型より約12%増えているそうです。以前のようにストラットタワーがラゲージスペースを犠牲にしていません。トランクフードはヒンジ式。

「クラスを超えた品質」は基本性能だけでなく随所に見られるようです。

「ドアを閉めたときの音を聞いてほしい」とトヨタの人。スタジオでやってみます「ドスッ」。クラスを超えた音質だそうですが、テレビだとよくわかりませんでした。

グローブボックスはダンバーがきいており、ゆっくり開閉。LUXELグレードは節度感あるゲート式のATシフトレバー。そこだけ見るとセルシオプログレか・・

「難癖つけがたいクルマ。トヨタの屋台骨を支えるに相応しいクルマに仕上がっていると思う」と三本さん。

ツッコミが取り柄の新車情報ですが、しかしここ最近登場したクルマ達はアッパレばかりです。三本さんが何十年も口がスッパくなるほどに訴えてきたツッコミが、現実化してきている。

まだ受け入れられないのは三角窓と、割り込みしたときハザードのかわりにするという「アリガトウ」電光掲示板。これはまだ先になりそうです。

恐れながら、もしかしたら三本さんの役割も終焉のときをむかえているのかもしれません。とは言うものの「新車情報を斬る!」は三本さんと一身同体ですのでもう少しがんばって頂きたい。

トヨタの人は、「ミニバンから乗り換えても違和感ないセダンですよ」とアピールします。ミニバン全盛を迎えていますが、ミニバン先取りユーザー達はそろそろ買い替え周期へ差しかかる頃かもしれません。

トヨタの人はさらに「何よりもお求めやすい価格がベース。そこを基準に品質を上げる。新型カローラで感動してほしい」と言います。

しばらくセダンに眼中なかった我々。ふと隣を見たらすごくいいクルマがいた。それはカテゴリー分けでもない、既成概念を吹き飛ばす安くて高品質な商品。カローラは自動車界のユニクロかもしれません。ホメすぎか?

(妄想)クルマではじめてのデート。今より何倍も妄想力が強かった18才の秋。

角張った4代目カローラ(4ドアセダン・エアコンなし)は、誰がなんと言おうと私にとって唯一のラブマシーン。

たぶん事前に下見した横浜の「港の見える丘公園」や、外人墓地周辺に行った気がする。

そして今、三清さんと新型カローラでデートする。三清んには内緒で、そのときの道筋をたどってみたけど、それはすごく大人っぽいデートでした。

ちょっと寒かった秋の夕暮れ。あっという間に夜景に変わったパノラマ。もしかしたら、三清さんも若い頃どこかで観た夜景を思い出しているのかもしれない。

今週は全室オーシャンビューには寄らないで、このままカローラで帰ることにしました。

★次週の予定
スバル・インプレッサスポーツワゴン