TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

2000年を振り返る Vol.117 (2000/12/30)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』

         Vol.117 (2000/12/30) 毎週発行

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★12月25日放映
【2000年を振り返る】

20世紀最後の放送。お馴染みのメンバーでこの一年を締めくくります。

パネリストはモータージャーナリストの星島浩さん。同じくモータージャーナリストの山口京一さん。そして僕らのためにイカッてくれる怒りのサンドバッカー三本和彦さん。総合司会は、やさしそうだけど本当はコワイ野中美里お姉さん。

今年の新車情報は「20世紀の国産車」や「時代を駆ける名車」など、ミレニアムな企画物があったせいで、取り上げる台数が例年より若干少なく、登場したクルマは44車種でした。


◎2000年を振り返った印象は
三本さんは、「いろんな傾向が見られた年だった。セダンの復権があるかと思えば、RVが細分化した。ワゴンともセダンともつかないようなクルマが登場した。不景気といわれながらも、クルマは結構売れた」と振り返ります。

山口さんは、「20世紀はすごい世紀だった。馬車の時代から、我々でも自動車が買える時代になった。今世紀初めに登場した電気自動車が、世紀末の今、また脚光をあびるなど、時代の遷り変わりと同時にサイクルを感じる」と100年を振り返り、感無量。

星島さんは、「クルマづくりが急速に変化してきた年。ディーゼルの問題は今年の大きな動きだった」と振り返ります。


◎印象に残った軽自動車と小型車(国産車
三本さんは、ダイハツ・ネイキッド。星島さんがメーカーへ提案した「ドアーの外付けヒンジ」が斬新でした。小さなドアーを大きく開けるために、合理的で有効な手段だったようです。

軽自動車では、今年もクラシックバージョンの人気が相変わらず継続したようです。

三本さんは以前にプリウスの初期型を所有していました。「今年発表された新型プリウスの進化には目を見張るものがあった」と評価します。

トヨタ・WiLL ViやbBなど、ヴィッツから次々と派生した小型車はどれも注目され、クルマづくりの手法が変化してきたことを感じた年でした。

排ガスのクリーン化を追求して日本の技術力をみせてくれた、日産・ブルーバードシルフィ。環境問題の克服なしに、21世紀のクルマ社会は無いと言って過言ではありません。

ホンダ・ストリームダイハツ・YRV、三菱・ランサーセディアなど、今年登場した小型車はどれも魅力的なクルマばかりでした。「場所と金があったら所有してみたい」
と三本さん。

山口さんが印象強かったクルマは、トヨタ・カローラとホンダ・シビック。私も同感です。この小さな両横綱ぬきに2000年は語れないと思います。

この価格でこのクオリティ。やはり世界一ではないでしょうか。トヨタ、ホンダ両者とも民族資本メーカーというのが、皮肉というか興味深い。

星島さんは、三菱・ディオンやダイハツ・アトレー7など、ホイールベースを拡大することで成立させた小型ミニバンが印象的だったといいます。

小型ミニバン台頭の流れは、来年も続くだろうと予想されます。「日本では、スモールセダンやユーティリティワゴンに変わる新しい乗り物になる」と星島さん。

このような流れをみていると、もう何年も前に登場したトヨタイプサムは偉大なクルマだったと改めて思います。そういえば当時、イプサムをネタにした「7月7日晴れ」
という映画がありました。当時からすごかったイプー。

そして三本さんをはじめ意外と評価高いのは、日産・エクストレイル。先週放送されたばかりでした。これがなかなかイイらしいです。日産の救世主になれるか。


◎その他で印象に残ったクルマ(国産車
星島さんが印象的だったのはホンダ・オデッセイ。ミニバンを思わせない走りを評価。

21世紀の高級車、話題のトヨタセルシオ。あのカローラがつくれるメーカーだからこそ、セルシオも生み出せると思います。私はセルシオをあまり所有したいとは思いませんし、また手に入れることは叶いませんが、日本が誇れるクルマとして評価したい一台です。

山口さんも、セルシオ。ハンドリングのイケてるERバージョンがお気に入り。そしてスバル・インプレッサ

三本さんも、セルシオ。しかし「エクステリアはもっと斬新でもよかったのではないか」とツッコミます。トヨタ・マーク2は「でかすぎる。大きなクルマはトヨタにもたくさんある。キュっと締まったクルマになればもっとよかった」といいます。同感デス。日本を代表する高級スタンダードセダンとして、走り、かっこよさと同時に使い易いサイズも追求してほしかった。

スバル・レガシィランカスター6も、三本さんの評価が高い一台です。インプレッサも評価。しかし「スバルはすごいクルマをつくるが、良いクルマが出来ない」とキツいツッコミをします。具体的には、内装のデザインやつくりを批判しています。

今年の国産車ではトヨタが圧勝。勢いがあったのはホンダ。他のメーカーも次世紀に向けて着々とチカラをつけてきています。来年も楽しみです。


輸入車で印象に残ったクルマ
三本さんは、クライスラー・PTクルーザー。どれもベンツ似のクルマが多かった中、常識外れ?のエクステリアが印象的。三本さんも試乗のとき、周りからの注目度ナンバーワンだったようです。ただし「乗りごこちが悪い」とのこと。

PTクルーザーはヨーロッパ向け右ハンドル仕様車をそのまま導入しているようで、カタイ乗り味が我が国にはイマイチ合わないとか。

次に三本さんが評価するクルマはフォルクスワーゲン・ポロ。私はベンツもBMWもあまり好きではありませんが、フォルクスワーゲンのエクステリアは大好きです。特にポ
ロのデザインはすばらしい。

そして三本さんが自らファン宣言しているプジョー。406の足の良さにはトコトン惚れ込んでいる様子。

ベンツのCクラスは今年の大きな話題でした。期待通り、三本さんが理想とする正統派セダンの姿がそこにありました。

「いらないクルマ」としてクライスラー・ネオン。残念ながら私はその存在すら忘れておりました。

かっこいいクルマが大好きな山口さんは、アルファスポーツワゴン。アウディ・TTクーペの室内は、「狭すぎる、閉じ込められる感じ」とのこと。窓も小さく顔が出せないので、バックが大変です。さすがにダンディーな山口さんも伊達すぎるクルマでした。

星島さんは、「相変わらずベンツやBMWが売れているが、一方で輸入車は様変わりしてきた。今後は我々に身近なクルマがもっと増えてくると思う」とのこと。


◎推薦するクルマ
星島さんは、カローラ1300。コストパフォーマンスは世界一。

2000年ミレニアム・イヤーにおいて、推薦するクルマにセダンのカローラが上がるとは、数年前に誰が予想したでしょうか。

日本カーオブザイヤーに輝いたホンダ・ストリーム。今年のホンダは凄かった。オデッセイ、シビック、ストリームと欲しくなるクルマばかりを次々に発表しました。

山口さんも、まずはカローラ1300を推薦します。次に、セルシオERバージョン。ストリームはよく出来たクルマと推薦するものの、「私にはミニバンは必要ない」とのこと。

三本さんは、具体的な車名は上げなかったと思いました。「クルマに出費する割合は年収の25~30%。それ以上クルマに金を出す必要なし」。つまりアナタの年収によって推薦するクルマは異なるということ。確かにセルシオを推薦されても買えませんズリ。


◎21世紀、自動車メーカーに期待すること山口さんは、「壊れないこと。安全であること。信頼性が高いこと。IT化も結構だが、クルマ自体の進化も忘れないでほしい」とのこと。

星島さんは、「リコール隠しのような事態は今後あってはならない」として、良識ある姿勢をメーカーに望みます。

三本さんは、「クリアで気持ちのいいメーカーへ。キチッと考え方を伝えられることが必要だ」と言います。

同感です。クルマという商品はやはり別格。たとえば自分の部屋だけで楽しむビデオ機器とはやはり違う。欠かすことができない道具でありながら、高い安全性と環境性能を常に求められます。

またクルマは、個人がお金を貯めて買うなかで不動産につぐ高価な商品。自動車メーカーは商売をするという本来の目的と同時に、果さなければならない社会的使命があるようです。


◎20世紀を代表するクルマ
星島さんは、「クルマの価値観は時代と共にかわるので一概には言えないが」、と前置きをしながら、フォルクスワーゲン・ビートルを上げていました。山口さんは、ミニ。

三本さんは、T型フォードとビートル。これらは「大量生産」によって、20世紀のクルマ社会の基礎を形成しました。今年お薦めのカローラは、まさに現代のT型フォード
かもしれません。

21世紀終わりに、「21世紀を代表するクルマ」と賞賛されるのはどんなクルマなのでしょうか。新しい歴史の第一歩が、まもなく幕開けします。

(妄想)昨年末はY2K(なつかしい)で忙しく、三清さんとのミレニアムデートができませんでした。

21世紀の幕開けを拝みに、深夜から出かける三清さんと私。初日の出に行くなんて何年ぶりでしょうか。

しかし道路は予想を以上にスゴイ状況。「21世紀暴走」を食い止めるための強力な道路規制により、初日の出スポットへ向かう幹線道路は大渋滞。

21世紀の夜明けという記念すべき瞬間に、なんと2人はクルマの中。何だか今年もクルマ漬けの年になりそう。

晦日はいつものように、静に暖かく迎えたほうがいいかもしれません。みなさんも良いお年を。

★次週の予定

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