TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

ホンダ・フィット Vol.149 (2001/8/10)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.149 (2001/8/10) 毎週発行
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★8月6日放映
ホンダ・フィット

ホンダの世界戦略車。報道によると発売1ヶ月でいきなり4万台も受注したとのことで、これは記録的な数字。先日発表された平成13年7月度の実績では、1位のカローラには及ばなかったものの、1万6千台で堂々2位の成績でした。

オフィシャル・ページはこちら
http://www.honda.co.jp/auto-lineup/fit/

基本スペックは、直列4気筒SOHC、i-DSI(位相差点火制御エンジン)、1.3リッター、86ps、トルクは12.1kg。無段変速CVT。燃費は10・15モードで23.0km/Lと公表されています。価格は114.5万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、17.0km/Lでした。時速100km走行時の騒音は69dBでした。国土交通省の排ガス認定は☆☆。

全長3830、全幅1675、全高1525、重量990kg。最小回転半径4.7m。

「スモールカーの革新」をテーマに開発。コンセプトは「パーソナル・マックス」。スモールの良さとワゴンの多機能性を併せ持ち、ユーザーのわがままなパーソナルライフに対応するスモールカー。

ホンダの人がアピールしたポイントは以下の通り。1、世界最高水準の低燃費。2、ワゴンをしのぐ広さと多機能性。3、高い質感を持った近未来デザイン。

さらに、「従来スモールカーといえば低燃費だけがウリだったのに対して、スモールサイズでありながら様々な機能をこの一台で実現した、新しい時代のクルマです」とホンダの人。

フィットで採用された「位相差点火制御エンジン」とは、シリンダーあたり点火プラグが2つ設けられているエンジンで、「ツインスパーク・エンジン」とも呼んでいるようです。

2つのプラグは、同時に点火したり時差をもって点火したりしながら、燃焼の効率化、シリンダー内の吸気スワロールの最適化、燃焼室のコンパクト化に貢献している模様。

このような技術を盛り込み低価格で出してくるホンダはやっぱりスゴイ。

「すべてが新しい」とホンダの人。プラットフォームは新設計。4年前の開発スタート当初から、今一つ不評だった「ロゴ」を引き継ぐ考えはなかったようです。

ツッコミも世界標準の三本さんが、世界標準のフィットに試乗します。

キビキビした印象で、運動性能が高いと思わせる演出。「わりあいとスポーティーなステアリング」とのこと。

「省燃費タイヤで空気圧が高いせいか、乗り味はややかためだ」とのこと。山坂道でもゴツゴツしたアラさが目立ち、乗り味について「これが唯一残念」と言っています。

ライバルのトヨタ・ヴィッツと比較すると、乗り味についてかなり違いがあります。「かたさ」を欧州車に近いカッチリ感と捉えるかは、好みが分かれるところ。

スモールカーの宿命か「もう少し乗り味に重厚感があればもっとよかった」と、付け加えていました。

高速道路の車線変更で、「ハンドルを操作すると少し遅れてロールが起こる感じだ」とコメント。山坂道では「ハンドリングはキリッした印象だ」とのこと。

高速での騒音はチト大きめでしたが「1000~1500回転付近で普通に流すぶんには静かなクルマだ」とのこと。

燃料タンクを前席の下あたりに設置した「センタータンク・レイアウト」。前後の重量バランスを配慮。

この無段変速機CVTは、意図的にクリープ現象を発生させているようです。しかし三本さん的には物足りなかったらしく、「4%程度の坂道では後退した」とホンダの人に訴えていました。

最近のホンダ車に多い、前方の見切りが悪いデザイン。スタジオに来ていたホンダのエクステリア担当は、「ショートノーズですから、さほど気をつかわなくても取りまわしは大丈夫だと思う」との返答。まあこのサイズなら確かに慣れるでしょう。

ホンダの人が特に自慢したフロントまわりのエクステリア・デザイン。引き締まったノーズに大きな一体型ヘッドランプ。見切りの悪さは別にして、100万円前半のクルマには見えない高い質感を私も感じました。ボディカラーが10色用意されている点もポイント高い。

頭上空間に余裕があり、室内が広い印象。背は高いが、立体駐車場に納まるサイズ。

屋根のアンテナについては、「取りづらい」といつものツッコミがありました。

ラゲージは意外と大きいです。高さがあるため容量はシビックより大きいとのこと。

ダッシュボードの「ツルツルした仕上げは、ちょっと寂しい気がする」と三本さん。革シボ(シワシワにさせる仕上げ)が施されていないインパネ。これがコストダウンのためか、コンセプトをもった提案なのかよくわかりませんでした。

シートについて「シートサイズが大きく形状も良い。座りごこちも悪くない」とホメています。ホンダの人は「シートサイズは、オデッセイと同じです」とのこと。

細かなツッコミが多かった印象ですが、「できあがりが良いクルマだ。文句はない」と総評としてはたいへんホメていました。

シビックで培われたホンダMM思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)は、しっかりと21世紀の世界基準に継承されているようでした。

報道によれば、7月末時点で納車は3~4ヶ月待ち。ヴィッツは未だ新鮮ながらもやはり見慣れた存在となり、フィット人気は今後も続きそうです。

私なりに売れている理由を分析しますと、低価格、かっこいいエクステリア・デザイン、乗り込んでみたときに「お、悪くない」と思わせる空間と質感の演出、そして10・15モード23.0km/Lという省エネスペック。

ツインスパーク・エンジンのさりげない高性能は、ヴィッツと比較検討する過程において決定的にさせる要素の一つかもしれません。

スタンダードに納まらずあえて挑戦する姿勢が、「変革」を欲するこの時代にウケていると思います。これは今にはじまったことではなく、ホンダのDNAそのもの。巨人トヨタと真っ向から勝負するホンダパワーの源が、ここにあるのではないでしょうか。

低価格スモールカーでは「妥協の産物にならないこと」が重要。そうはいっても価格の問題がありますから、ユーザーにそれを感じさせないことがポイントです。

2002年2月ころには日産から新型マーチが登場予定。トヨタでも次なるコンパクトカーを準備しているとか。世界基準のコンパクト・バトルは今後、日本における世界タイトルマッチといった様相です。

(妄想)フィットで海へ散歩ドライブ。キビキビ走るフィット。助手席はスリムなパンツが似合う三清さん。

人が去った砂浜で海に沈む夕日を眺めていると、このまま夏が終わってしまいそうな感じ。涼しい潮風は、もう秋の予感。

夏の強い日差しで真っ赤に育った果実。それがジュクジュクと熟してくるのがこれからの季節です。おいしいラブリー果実をゲットできるか。

夏の終わりとともに2人の熱もさめないように、最後の追い込みに気合入れマス。

★次週の予定
トヨタ・ヴェロッサ