TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

トヨタ・ヴェロッサ Vol.150 (2001/8/17)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.150 (2001/8/17) 毎週発行
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★8月13日放映
トヨタ・ヴェロッサ】

マーク2の姉妹車であった「クレスタ」は消滅します。よってヴェロッサはクレスタの後継モデルといわれていますが、トヨタの人は「たまたま販売店が同じで後継車だと認識されているようだが、ヴェロッサは21世紀にふさわしい新しい時代感覚に合ったニューブランド。つくり手としては、クレスタの後継とは考えていません」とのことです。

オフィシャル・ページはこちら
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Verossa/

基本スペックは、直列6気筒DOHC、直噴D-4、2.5リッター、200ps、トルクは25.5kg。5速AT。
燃費は10・15モードで12.4km/Lと公表されています。価格は294万円。国土交通省の排ガス認定は☆。

試乗車はターボモデルのVR。2.5リッターのターボで280ps、トルクは38.5kg。4速AT、エンジンは直噴D-4ではありません。燃費は10・15モードで9.4km/Lと公表されています。価格は337万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、8.7km/Lでした。時速100km走行時の騒音は65dBでした。ターボモデルには国土交通省の低排ガス車認定はありません。

全長4705、全幅1760、全高1450、重量1490kg。最小回転半径5.3m。

プラットフォームはマーク2と共通ですが、「それ以外はすべて新しい」とのこと。番人向けのマーク2とは異なり、「自分へのこだわりや感性を大切にする成熟した選択眼を持った人々に受け入れて頂ける、今までのトヨタ車になかった刺激的で個性的なクルマ」とトヨタの人。

キーワードは「エモーショナル・セダン」。そのコンセプトは、知性や理性で理解するというよりは、ドライバーの感性や官能に訴えかける人々を魅了するクルマづくりを追及。

最近のトヨタは変わりました。「トヨタ車は出来は良いが、つまらん」といった批評を意識的に払拭しようとするラインナップが相次いでいます。しかしトヨタファンとは「知性や理性で理解する」人達なんですが・・・

さらにトヨタの人は「私たちが憧れる、速いもの、強いもの、美しいものを形にした、それがヴェロッサ・デザインの原点」といいます。

「ヴェロッサ」とはイタリア語の「ベロロッソ(真っ赤)」をもとにした造語。コンセプトからネーミングまで、まるで触ると火傷しそうな熱いクルマです。試乗車はそれにふさわしく280psのターボモデル。

三本さんは第一声、「速すぎる。誰がこのクルマに乗ったら良いのか、私にはよくわからない。高速移動が中心、もしくは特殊目的に使う以外で、一般公道における足としてはパワーがあり過ぎる」とのこと。

2400回転の低回転で38.5kgというビックトルクを発生させるスーパーユニットは、そのパワフル感をすぐに実感させるのかもしれません。

クイックなステアリング。215/45R17のタイヤもその性能に加勢しています。しかし「キックバック(わだち等にハンドルが取られる感じ)は仕方ない」と三本さん。

山坂道では「パワーに不足があろうハズがない」とのことで、それは逆に「苦痛だ」そうです。「このクルマで日本の公道にて速度制限を守って走ることはもはや苦痛」。

ガソリンエンジンにおけるターボ過給は、圧縮比を上げられないとかいろいろな面で不利だと言われます。このエコ時代に、もれなくターボ付きがラインナップされるのは、やはりレガシィB4の人気がその一因ではないかと思います。

売れなかったセダンに新風を巻き起こしたB4。それは、走りについて徹底的にこだわったイメージでした。

同じターボでも2リッターに過給するのと2.5リッターに過給するのでは格が違う様子で、300psを超える潜在ポテンシャルを持つユニットを自主規制でアンダースペックにするのと、レガシィのように自主規制値いっぱいまで持ち上げるのでは、同じ280psでもそのフィーリングが違うようです。

スタジオに来ていたのはNA仕様。直噴2.5リッターで5速AT。こちらのほうが賢い選択だと思います。新型スカイラインの2.5リッターモデルは同じく直噴ながらもトランスミッションは4速ATだし。

走りは「いわゆるFRっぽい。好きな人にはイイと思う」とのこと。

三本さんいわく「どうか自制心の強い方に乗っていただき、あり余るパワーをどう余らせるか、ということについて考えてください(笑)」とコメント。

「ずいぶん贅沢だ」と表現した内装。試乗車は本革シートでした。赤やオレンジのインパネ照明が大嫌いな三本さん。ベロロッソ(真っ赤)なメーター照明を見てどう思ったのか、特にツッコミはありませんでした。

かわりに三本さんがしきりにツッコんだのは、頭上空間の狭さ。三本さんの座高は92センチでこちらも日本の自主規制いっぱいといった感じですが、その頭上空間は手のひら一枚。これはいただけません。

スタジオでは、三本さんに命令されて身長179センチのトヨタのチーフエンジニアがドライバーズ・シートに座ります。サンルーフ付きで多少天井が下がっていることを考慮しても、なんとトヨタの人の髪の毛が天井に触れていました。これはいただけません。ポマードおじさんだったら天井が汚れてしまう。「ほらほら狭いじゃん」と三本さんにツッコまれて苦笑いするトヨタの人。

まあこれは番人向けのクルマではなく、伊達な性格づけのクルマですから、そんなことで文句がある人、もしくはズラの人は買わなければいいことなんでしょう。

また「シートのサイズが小さい」と指摘しています。このツッコミは新型スカイラインのときもありました。室内を広く見せる演出なのか。それともセダンに乗る人はスリム体型が多いという統計でもあるのか。それとも三本さんがデカすぎるのか。

今週も野中さんが座ってくれます。身長160センチ、バランスのとれたプロポーションを持つ野中さんには、そのシートは快適でシックリ馴染んだ様子。それでも後席の頭上空間は少し狭そうでした。ご検討の方は是非ご家族全員それぞれ後席に座ってもらい、「頭の上にげんこつを載せてチョンマゲ」と寒いギャクとチェックを忘れずに。

トランク容量はマーク2と同程度。中央にトランクスルー機能あり。スペースを有効に使うユーティリティボックスあり。ボンネットフードは相変わらずヒンジ式でした。

「スポーツカー」「大排気量」「ハイパワー」。こういうセグメントはじきに無くなってしまうと思っていましたが、今年10月末に開催される第35回東京モーターショウの出品予想など見ると、どうやらそうでもない模様。

走りへのこだわりや付加価値を盛り込むことで、今世紀も繁栄し続けようとする自動車メーカー。我々はより一層、自らの選択眼を持ってクルマ選びをしなければならないよ
うです。

(妄想)三清さんとエモーショナル・デート。それはエキゾチックな雰囲気の中に、個性的でファーム(引き締まった)な演出を合わせ持つ、まさに究極のデート。

東京ウォーカーに出ている「花火がよく見える穴場スポット」などに出没するのはバツ。2人の官能に訴えかけるような、個性的な遊び場へ三清さんをエスコートしなければ。

その移動ツールとしてヴェロッサは絵になります。万が一スピード違反で捕まったとしても決してヘコまず、エモーショナル(感情的)な走りに徹すること。

私の場合、走りの自制心は結構自信あるのですが、別のほうはかなりエモーショナルかも・・・

★次週の予定
2001年上半期を斬る