TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

VW・ルポ Vol.154 (2001/9/14)

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.154 (2001/9/14) 毎週発行
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

★9月10日放映
【VW・ルポ】

149.9万円。150万円を切るリーズナブルな輸入車。ルポフォルクスワーゲンの中で一番小さなクルマです。

オフィシャルサイトは
http://www.vwj.co.jp/

基本スペックは、直列4気筒DOHC、1.4リッター、75ps、トルクは12.8kg。4速AT。燃費は10・15モードで14.0km/L。価格はMDデッキなどオーディオを標準装備するコンフォートパッケージで159.9万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、11.6km/Lでした。時速100km走行時の騒音は68~69dBでした。

全長3525、全幅1640、全高1475、重量1000kg。最小回転半径4.7m。

フォルクスワーゲン・ジャパンのラインナップに加わったルポ。ルポより一つ上の車種であるポロは、以前に番組でも紹介されました。「ルポ」と「ポロ」は区別しづらい。野中さんも今週の番組の中で何度か呼び方を間違えていました。

ルポはヨーロッパでは98年にデビューしており、通算26万4千台も売れているスモールカーのスタンダード。日本へは3年落ちで登場。

ルポといえば「3リッターカー」の「ルポ3L」。「3リッターカー」とは、3リッターの燃料で100キロの距離を走るという低燃費車。日本においても2000年に発表会が行われましたが、ディーゼルということもあって正式導入されませんでした。

本国でのエンジン・バリエーションは3つ。1リッターガソリン、1.4リッターディーゼルターボ、1.4リッターガソリン。日本へは1.4リッターガソリンのみ。

ヨーロッパでは1リッターガソリンが最も売れているとか。その次にディーゼル、1.4リッターガソリンは最も売れていないそうです。

デカイ三本さんが小さなルポに試乗。しかし妙な違和感はありませんでした。体格を選ばないパッケージングはさすが。

高速ではウルサ過ぎないが、静かでもないエンジン。日本車にくらべ若干、非力さを感じる模様。「日本車では1.4リッターで100馬力は今や常識」と三本さん。しかし、「実用エンジンとしては不満なし」と改めてコメントしています。三本さんも我々も、パワーという麻薬に侵されているのかも。

この1.4リッターエンジンはポロと基本的に同じで、EUの新しい排ガス規制に対応済み。

時速100キロ時、エンジン回転数は2700~2800。

芯のあるドイツ車的な足回り。「特に滑らかな舗装が続く高速道路では気持ちがイイ乗り味」とのこと。しかし「路面が荒れたところだと、ちょっとかたい感じがする。もう少しサスペンションで吸収してほしい」とツッコミも。

舵のフィーリングはスポーティで反応が早く、キビキビしている印象。

山坂道では非力さが目立ちました。登り坂が続くワインディングには不向き。パワーという麻薬にラリッてる、我々だけがそう思うだけかも…。ATは日本製。

「速い速度でコーナーに進入すると、サスペンションの特性が変わる感じがする。これはタイヤのせいかもしれない。サイズを替えて、空気圧を高くすれば改善するかもしれない」と三本さん。また、コーナーでトルクをかけると強アンダーステア傾向が出や
すいらしい。

内装では、ドアの内バリやAピラーなど所々ボディと同色の鉄板がむき出し。日本車ではこのような仕上げは少なくなりました。「合理性の追求。安っぽく見えない。上手く演出している」とホメています。

シートの出来もホメています。調整機能が少し異なりますが基本的にポロと同じシート。「見せかけだけのシートが多い日本車に比べて、よく出来ている」。しかしサイズ的には、三本さんの体格では若干小さめだった模様。

前席は十分広く居住性に問題なし。後席には立派なヘッドレストが3つ。後席へアクセスするためのウォークイン機能の出来がイイ。簡単な操作で大きく開口し、三本さんでも難なく乗り降りしていました。

後席のシートベルトアンカーは自立式。またロードリミッター付プリテンショナーシートベルトを採用し、スモールカーといえども手を抜かない装備はさすが。でもチト狭い。大人3人は現実的には無理?。

ソリッドなボディの塗装色をホメています。キラキラ光る混ぜ物で塗装を高価に見せる日本車。「塗装はソリッドのほうが丈夫なんだ」と三本さん。

しかし、その塗装が施された「バンパー」にツッコミが入りました。「ヨーロッパでは当然、黒バンパーですよね」と三本さん。この塗装バンパーはフォルクスワーゲン・ジャパンが発注したジャパニーズ仕様らしい。「日本ではこうしないと売れないので」
と代理店の人。キレる尊師。

「ちょっとぶつけてキズになっただけでも、塗装やなんだかんだで15万円くらいかかるんでしょう?150万円のクルマで、1割もバンパーに修理代がかかるなんてケシカラン!おかしいと思わないの?アンタらにはやさしさってもんが無いのかい」。

三本さんが言う修理代15万円が正確なのか不明です。が、いずれにしても塗装バンパーの修理費が高いことは周知のとおり。特にエントリーモデルにおいては、バンパーを擦ってしまうようなユーザーが多かったりするわけで、本物の合理性も同時に輸入し
てほしかった、といったところか。

しかし我々ユーザーがどんな消費行動を取るか。エアロをまとっホンダ・フィットと見くらべて、「合理性」という理由で、そっけない樹脂バンパーのルポを選ぶだろうか。悲しいかな日本人はそういった「モノ」を見極める眼力が無いのが現実かも。

ボンネットフードがダンパー式。あの三本さんが一瞬驚いていました。「このクラスでダンパー式を採用とは。日本車では300万も400万もするクルマでもツッカイ棒が多いのに」。

3ドアハッチバックのみ。そのコンパクトなボディ・サイズからラゲージの容量は少ないものの、機能面では見劣りしません。後席シートを前に倒せば十分な積載量を確保。その際、ヘッドレストがジャマにならないよう決められたところにちゃんと納まる。スマートな印象のクルマでした。

安い価格設定について。ドイツ本国にくらべ、同じ仕様で日本円に換算して10万円しか違わないとか。「儲からないでしょう」と三本さん。「儲かりませんね」と代理店の人。しかし常々思うことは、輸入車の価格設定と値引きに関してかなり不透明感があること。まあルポは不透明にする余地はないでしょうが…。

今年の販売目標1,500台。ひかえめです。

最高のスモールカーだったヴィッツ。一人勝ちは許さん!とばかりフィットが登場し、一気に加熱しているスモールカー戦争。もちろん日本勢はこの2台だけではありません。高度で高品質なバリュー戦争に、3年落ちのルポは少々役不足か。

しかし道具としての品質ではフォルクスワーゲンも決して負けてない。本物の合理性、欧州の雰囲気、飽きのこないエクステリア、欧州での実績。

クルマに対して、何かちょっとだけこだわるユーザー達へアピールできれば、バリュー戦争の隙間に入り込む余地はたぶんあると思う。またこのクラスは数が出ますから、日本に1500台しかないクルマに乗れるなんて考え方によってはイケてるのかも。

(妄想)かわいいルポでルンルン・ドライブ。もちろんかわいい野中さんを助手席に乗せて。

都内の買い物ユースに最適なルポ。そしてアッシーとして最適な私…。

季節は秋へ。我々アッシーやメッシーやネッシーは、本命へと脱皮しなければいけない時期。脱皮に失敗した者は「死」あるのみ。

とりあえず、今日はキビキビとメリハリある運転でお買い物に貢献。おしゃれな秋色の服を選んだ野中さん。秋色の野中さんと秋の夜長を過ごすことができるのだろうか…。

そんな心配をよそに、どうやらルポがたいへんお気に入りの様子でした(泣)

★次週の予定
シトロエン・C5