TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

ヒュンダイ・XG Vol.158 (2001/10/12)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.158 (2001/10/12) 毎週発行
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★10月8日放映
ヒュンダイ・XG】

今年の1月から日本進出を果した韓国最大の自動車メーカー。総生産台数は年間260万台で世界第8位。新車情報にもすでに2回登場しました。今回紹介するXGはヒュンダイの最上級セダンです。

オフィシャルサイトは
http://www.hyundai-motor.co.jp

基本スペックは、V6、DOHC、3リッター、192ps、トルクは26.5kg。5速AT。10・15モードは発表されませんでした。価格は279.8万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、7.9km/Lでした。時速100km走行時の騒音は62~63dBでした。

全長4865、全幅1825、全高1420、重量1630kg。最小回転半径5.3m。

アメリカでは約1500台/月、韓国では「グレンジャー」という名前で約4000台/月も売れている人気車種。

XGの生い立ちについて詳しくわかりませんが、初代は三菱のデボネアをベースにしていたようです。2代目は三菱と共同開発。今回の新型ではプラットフォームから独自開発?らしい。

全幅1825といえばセルシオより5ミリしか違わない堂々とした図体。これでも前モデルよりシェイプアップされて、「外寸では全長で200ミリ、全幅で20ミリ小さくなった。しかし室内長は120ミリ大きくなった」と代理店の人。

数年前、韓国にてデボネアベースのXGに試乗したことがあるという三本さん。当時からその出来の良さに脅威を感じたとのこと。そして今回の新しい韓国のクラウン、いやFFだから韓国のウィンダムはどんなクルマか。

高速道路では「静かだ。エンジン音、風切り音、ロードノイズもにほとんど聞かせない」と三本さん。先週のウィンダムでは話題の吸音材を用いて高い静粛性を実現していましたが、番組の騒音測定結果だけで見るとXGのほうに軍配が上がりました。

どうしてこんなに静かにできるの?という三本さんの質問に代理店の人は、シリンダーブロック素材の工夫、井形サブフレームを用いたエンジンマウント、サンドイッチ構造のエンジンルーム、ボンネットフード内側に防音材、エンジンカバーに吸音材などを施しているとのこと。普通にやれることをマジメにやった、といった感じか。ちなみにボンネットフードはダンパー式。

走りも滑らか、と表現。しかし「タイヤの空気圧が高めなのか、ややゴツつき感がある。道路の継ぎ目でショックを感じる」とのこと。

路面の凹凸でアタリが伝わる感じは高速道路だけでなく、箱根の山坂道でも訴えていました。といっても妙な不快感というわけでもなく、「これは味付けの感性や考え方の違いかな」とのこと。

日本の平均値からするとスペック的にはやや控え目なV6エンジンですが、可変吸気システムを備え「低中速トルク重視の使いやすいエンジンだ」とのこと。とにかくノイズを出さない静かなユニット。燃料は庶民のレギュラー仕様。

マニュアル操作が可能な5速AT。このあたりも世界の高級車に引けをとっていません。

ステアリングは軽い操舵感。「軽くて遊びが少ないが、そのあとの重さで不自然な感じがした」とのこと。パワステの油圧アシストのフィーリングで、少し違和感があった模様。

またブレーキは「ペダルストロークが深すぎる。もう少し軽いタッチで制動するほうが日本人好みかも」とのコメント。

内装は木目調パネルで高級感を演出していますが、なんとなくヤボッたい。「細かい仕上げではやや見劣りする」と三本さん。

今回試乗している279.8万円の300Lでは本革シートが標準。スタジオで野中さんが座ってくれます。シートはかためがスキ!という野中さん、「ちょうどイイかたさです」とのこと。三本さんも不満は無いようでした。

「北米のヒツジの革を使用している。シートのデザインはヨーロッパに依頼している」と代理店の人。運転席、助手席とも電動シート。

キーレスエントリーで開錠できる大きなトランク。ちなみにトランクフードはヒンジ式で、三本さんのツッコミが入っていました。

最上級のXGを「日本車でいえば350万円くらいのクルマ」と三本さん。そのくらい、高級車の実力と手応えを実感した様子でした。

ちなみに239.8万円のグレードもあって、こちらは織物シートになります。韓国車のユニクロ的神髄は、このグレードかも。

アフターサービスでも抜かりない体制を目指しており、日本国内で現在30店舗まで拡大。

韓国で第3位の自動車メーカー起亜(キア)を傘下に入れ、ヒュンダイは22車種を生産するビックプレーヤー。2010年には世界5大メーカーの仲間入りを果す、という目標を掲げているとのこと。

三本さんは「クルマと会社は小回りがきかないとダメ」とメーカーが肥大化することを牽制しますが、品質と安さのユニクロ戦法で勝負を挑むヒュンダイには寝耳に水、といったところか。

その品質と安さはアメリカで人気。そして欧州でも欧州車の対抗馬として雑誌などで紹介されているようです。自動車大国へ急速に成長している韓国。ハイブリッドカーの生産もはじまっており、すでにハワイで実験販売しているとか。燃料電池への取り組みも積極的に行っていることは言うまでもありません。

一方で我々は韓国車に対する注目度がかなり低い。恐れながら、バカにしている傾向があるのも事実。しかし産業から国家に至るまで歴史を見れば明らかなように、パワーある新興勢力をあなどる既存の大将は、必ず負ける。

日本車のマネ。しかし日本のメーカーも、未だにマネをしています。マネができれば一人前。

ところで私たち日本のユーザーは、本当に「クルマは安い」と感じたことがあるでしょうか。三本さんが言うように、年収の1/3で満足できるクルマを購入できているのか。そして日本車の出来に100%満足しているのか。

日本では売れなくても、海外では着実にセールスしている韓国車。我々が脅威を脅威と感じないでいるとしたら、かなりヤバイかも。

(妄想)ドライブの秋。食欲の秋。そして恋する秋。野中さんとステディな秋をすごしたい。

今週は河口湖付近へ早朝ドライブです。さ、寒ぶ~。野中さんの吐く息が白かった。まるで季節を飛び越え冬にやってきたみたい。

雪を頂く富士山に向かって走るヒュンダイXG。その満足できる走りと静粛性に、ニッポンの将来に少しばかり危機感を抱く。

しかし野中さんとのラブラブデートや、そして番組「新車情報は永遠に不滅です!(趣旨不明)

★次週の予定
スバル・トラヴィック