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『TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
Vol.162 (2001/11/9) 毎週発行
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★11月5日放映
【第35回東京モーターショーPart2】
先週に引き続き東京モーターショー特集。
モーターショーのオフィシャルページはこちら
http://www.motorshow.or.jp/
ゲストはモータージャーナリストの牧野茂雄氏。コンパニお姉さんよりずっとイケてる野中美里アナ。実は皆勤賞ではなかった、ゴットファーザー三本和彦氏。
○スバル
テーマは「ドライビング・エモーション」。独自の4WDテクノロジを中心に、走る楽しさを追求するクルマづくりの姿勢をアピール。
ST-Xは、レガシィワゴンの後部をトラック風に仕立てたと思われるアクティブなレジャービークル。WX-01は、3列シートの7人乗りビックワゴン。
HM-01は、コンパクトなハイブリッド4WD。前輪はエンジン、後輪はモーターで駆動。軽自動車も手がけるスバルでは、スモールカーのあるべき姿や個性を追求、より新しいスポーティーなミニカーを提案していきたいとのこと。
○スズキ
テーマは「メイク・イット・ユニーク」。ユニークな発想でユニークなモノづくり、新しい楽しさを発見し、未体験の便利さと楽しさを紹介。
シボレークルーズは、スズキがシボレーに提供する小型車。Covie(コビー)は、MMCスマートに似たスモールEVカー。
GSX-R/4は、バイクの1300ccエンジンを積んだ2シータースポーツで、まさに四輪のバイク。MR Wagonは、どれだけキャビンスペースが稼げるか挑戦した小さなミニバン。Lapinは、明るい黄緑色をした飛び抜けてユニークなデザイン。
○ダイハツ
トヨタと共同ブース。エコロジー、スポーツ、ニューコンセプトの3つのコーナーを中心に展示。クルマの本質的魅力である走るよろこび、使う楽しさを提案。
FF Ultra Spaceは小さなエスティマといった感じ。軽自動車とは思えないキャビンスペース。センターピラー・レスでかなりの開放感。
U4Bは、小型4WDのSUV。MUSE(ミューズ)は、ITをウリにしたコンセプトカー。「MUSEはITのクローズアップよりも、大人4人がキチンと乗れたりするパッケージングのほうを評価したい」と牧野氏。
UFEは、660cc直噴エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドで、「超」省エネにこだわったエコカー。空力に優れたボディデザインでcd値0.25。樹脂やアルミを多用し、車重は630kg。燃費は55km/Lを実現。「これはおもしろい」と三本さんも興味しんしん。
COPEN(コペン)は丸みをおびたデザインのオープン2シータースポーツ。ハードトップの屋根が電動で開閉し、まるでミニ・ソアラ。しかし荷物がぜんぜん積めないのが難点。
○いすゞ
テーマは「ゴーファーザー」。誰よりも遠くへ。新開発のSUVを提案。
AXIOMは、昨年アメリカで発表され人気を博したモデルで、いすゞSUVの力強さを提案。GBXは、シートがセンター側に片持ちで固定されており、車外から見るとシートが浮いているよう。これもセンターピラー・レスで開放感あり。
Z・E・Nは、ゼット・イー・エヌと読みますが、その由来は「禅」から。純和風の内装を提案。木目ではなく木造といった感じ。たとえば窓はオオギ形のデザイン。シートを収納するとタタミの「和室」が出現。我々が忘れかけていたこのなごみ感は、渋滞でもイライラ知らず?。走りのほうは、4WDの走破性と商業車的な機能性を持ちあわせているとか。
以上が国産大手5メーカー以外の国産メーカー。「これらのメーカーは自分たちが何をすべきか、何が得意かをきちっとアピールしている。大手にない得意な部分を見せていた」と評価する牧野氏。
「反面、とんでもなく夢みたいなものは無くなった。それが今回のモーターショーの特徴でもある」と三本さん。
○外国車
メルセデスSL500は、夢のスーパーカブリオレ。F400 carvingは2シーターのオープンモデル。他に注目は、ロードスターアグレッシブやスマートクロスブレード。
BMWは新しい7シリーズ760iがお披露目。コックピットにシフトノブが無く、ジョグダイヤルで操作するという斬新さ。牧野氏は、「このシステムをまとめたのがアルパインやアルプス電気といった日本企業。こういう試みは最初に日本車メーカーが提案すべきでは?くやしい」とコメント。
オペルでは、屋根がお風呂のフタのような、ユニークフロッグスター。ロータスそっくりの2シータースポーツ、スピードスター。アストラクーペOPCエクストリームは、ガルウイング・ドアーのレーシングカー。
アウディでは、白い内装が贅沢なA4カブリオレ。
フォルクスワーゲンでは、V型エンジンを2つくっつけたW型エンジン搭載のW12クーペコンセプト。V8エンジンのニューパサートWB。レトロでなごみ系デザインのマイクロバス。
ドイツ車を見ながら「ドイツ車はシャレっ気はないが、合理性や実用性は目を見張るものがある。日本人は理屈っぽいからね」と三本さん。
ルノーでは、日産のV8エンジンを搭載したタリスマン。クリフカットが斬新なアヴァンタイムは、まもなく市販予定。ヴェルサティスもまもなく市販予定とか。
シトロエンでは、コンパクトなC3。三本さんお気に入り。
プジョーでは、307。「プジョーに限らず、フランス車は乗り心地は全般的にドイツ車的になってきた。あのしっとりした味がなくなったのはちょっと残念」と三本さん。
ランドローバーでは、トゥームレイダー仕様のディフェンダー。アルファロメオでは、アルファ156GTA。サーブでは、9X。ジャガーでは、Rクーペが目を引く。新しいミニクーパーSもお披露目。
ボルボでは、ACCやPCC。そして牧野氏が注目するSCC。セーフティー・コンセプト・カーの略で、客室の安全をどう確保していくか、という観点から提案。
クルマがデカくなる傾向が続くアメ車。カテラの後継である新しいキャディラックCTSは、FFからFRに回帰した模様。ウィゾンはセダンとSUVのクロスオーバー。
シボレーeクルーズは、スズキがつくる小型車で「シボレークルーズ」のITバージョン。
フォードでは、サンダーバード。クライスラーでは、日本でも意外と人気が継続しているPTクルーザーのコンバーチブルがお披露目。そして元祖クロカンで、大幅に進化したというジープチェロキー。
「アメ車のデザインはヨーロッパ車とはまた違ったおおらかさがあって、今後も楽しみ」と牧野氏。
東京モーターショーで年々パワーアップを見せる韓国ヒュンダイ。日本車にそっくりですが、中味のクオリティもそっくりかも。で、値段は安い。
最後に、華やかな自動車ショーの影でひっそりと展示する部品メーカー。無骨な社員が出迎える屋台のようなこのブース群こそ、自動車大国ニッポンを支える総本山。
ボディ、ブレーキ、トランスミッション、電装、塗装。もちろんタイヤ。
シート、ダッシュボードやインパネ、純正アルミホイールなど普段自分のクルマで見慣れているパーツが、普段は聞いたことがない部品メーカーのブースで見ることができます。
「部品メーカーの力が、日本車の力だ」と牧野氏。三本さんは「モジュール化がさらに進む中で、もはや自動車メーカーは組み立て屋さん」とのこと。
そして自動車メーカーにとって組み立てと同じくらい大事なことは、「イメージづくり」だと思います。
★次週の予定
トヨタ・カムリ