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日産ミストラル(2001/6)マイカーインプレッション

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ミストラルはテラノをベースとしたクロカン4WDで、ヨーロッパにてテラノⅡとして生産されています。日本に導入されたのは1994年から1999年?くらいまで。日産合理化のラインナップ統廃合により、今では日本のディーラーで新車を購入することはできません。

ミストラル(タイプX)、1994年10月納車、只今の走行距離10万7千キロ。東京都内在住。当時の価格279万円。色はブルーグリーン、2.7リッターディーゼル・ターボ(インタークーラーなし)。100ps、トルク24.5キロ。

実績あるTD27ディーゼルターボエンジンは、改良され低速トルクがアップ、街中で使いやすいです。当時発売された「ミストラルのすべて」にも、「踏んだだけ前に出る」と評価されていました。つまりそれまでディーゼルは、踏んでも前に出なかった(笑)

2300回転くらいで最大トルクが発生し、そこをキープするとパワフルに走れます。しかしそこはディーゼルですから、ガソリン車のような加速感は得られません。

燃費は7~9キロ。平均で8キロをコンスタントにマークします。燃料タンクの容量は80リッターで、残り10リッターで警告灯がつきますが、このとき満タンからの走行距離は約600キロ走っています。長距離ドライブならリッターあたり9キロはいきますので、どこへ行くにも大抵ノン給油で往復できます。

走りのほうはクロカンですのでそれなりです。乗用車のような乗りごこちは得られません。好きな人は好き。人を選ぶ癖のある乗り味。重たいクルマですが、ガッチリとした剛性感と安心感があります。

高速コーナーを速く走りぬける性能はありませんが、たとえば街中のカーブなどでは、まったく躊躇することなく曲がれます(笑)。ショックアブソーバーは、純正が消耗したので現在ランチョRS5000を付けています。タイヤはブリジストンデューラーAT。

恐る恐るセブンイレブンの駐車場に入るエアロ・クルマが多い中で、そういうことをまったく気にする必要なし、ということを長所として上げておきます(笑)

このクルマの良い点
○視界、見晴らしがたいへん良い。左右の窓も大きい。ウエストラインが低い。アップライトなポジションは好みの分かれるところですが、気分がいいです。このポジションは、特に助手席の人は楽しい。

○車幅が1755ミリで大きすぎない。

○ヨーロッパサイズの大きなシート。そして、クッションがたいへん硬く出来ています。これにより長距離で疲れません。どんなクルマに座ってもやわらかく感じて、他ではどうしてもシックリきません。織り生地でよれず、丈夫です。そして見た目も悪くない。

○姉妹車のD21テラノにくらべて室内が静か。ディーゼルらしい音がしません。

○ヨーロッパ・デザインの洗練されたエクステリア(自分ではそう思う)。

○折りたたみの3列シートで7人乗り。イザっていうとき重宝します。1列目より2列目、2列目より3列目のほうが座面が高く、視界がいい。3列目はオマケなので別にして、2列目の開放感はバツグンです。

最近のミニバンなどにこの「段々畑」手法が取り入れられていますが、ミストラルがお手本になったのでは?

○パートタイム4WDは評価の分かれるところ。私的には使いたいときだけ四駆にできるパートタイムのほうが燃費が経済的だし、構造もシンプルでいいと思う。雪道走行が多いのですが、そのときが一番このクルマに乗っていてよかったと感じる瞬間です。

○クロカン走行は年に一回たしなむ程度。ダート走行は少々。オフ性能は姉妹車であるD21テラノに準ずると思います。ハシゴ型ラダーフレーム構造をもち、足が短いですが、その道のポテンシャルは秘めていると思われます。

不具合など、
●少し左に流れる傾向がある。調整が狂っているんだと思うのですが、なぜか他の多くのミストラルユーザーも同様の症状を訴えており、一番データを持っているハズのディーラーでやってもらっても改善しないと聞いています。もしかしたら、このクルマの癖かもしれません(そんなことがあり得るのかわかりませんけど)。

そして一般的なことですが、タイヤが片減りするので年に一度程度、タイヤのローテーションを行ったほうがいいです。片減りすると更に流れる症状が悪化しますので。流れるといっても運転にまったく支障ありません。慣れます。

●ヨーロッパ製(日産モトロールイベリカ、スペイン工場生産)のせいか、電装系が弱いと思う。まず、現地調達のスペイン産バルブはすぐに切れた。メータ内の照明など。これは国産に交換することで解消。日本製のクオリティの高さをあらためて感じた。

モーターも弱い。たとえばワイパーモータも故障し一度交換した。オートアンテナも壊れた。でもこのパーツがどこの製品だったのか知らないので何とも言えない。

●内装デザインそのものは気に入っているが、たてつけが悪い。グローブボックスのつなぎ目なんかはヒドイ。しかし実用性に問題なし。

●どのオーナーも経験するという、標準装備のサンルーフのビビリ音、および雨漏り。これは修理対応することで改善し再発を防止できます。マイチェンまでの初期モデルに頻発した不具合、かもしれません。

●この時代、このクルマ最大のウィークポイントは「ディーゼル」であることです。TD27エンジンは一世代前のユニットであり、振動と音が大きい。室内では静かですが、外ではうるさい。またメンテナンスを怠ると黒煙を発生させます。

ヨーロッパ車に似た不具合が多いミストラル。しかしどれも細かい内容であり、現在7年目、走行10万7千キロ。まだまだ快調です。17万キロ走行している知り合のミストラルもありまして、丈夫で息の長いお得なクルマです。

ミストラルと出会って、クロカンの楽しさと、そしてヨーロッパ車の合理性を実感でき、クルマの見かたが変わりました。

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 2001年6月3日 ミストラル乗りの仲間とツーリング。14台のミストラル編隊!

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