TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

スバルアウトバックBP(2008/7)マイカーインプレッション

レガシィ アウトバック(DBA-BP9 F型)
○年式、購入年月 2008年式、2008年6月納車
○グレード 2.5i
○色 サンライト・ゴールド・オパール

f:id:bamboo151a:20190417222737j:plain

納車されて一ヶ月、走行1,400km時点のインプレッションです。まず走りの印象。乗っていて楽しいです。クルマが軽く感じます。前車ステージアとくらべて約200kg軽いとはいえ、段違いにフットワークがいいです。


信号スタートでどんどん前に出て行く感じで(実際にはそんなに速くないのでしょうが)ストレスが少ないです。また、追い越し加速もいいです。低中速だけでなく高速域でも、たとえば120km/hを超えていても余裕が感じられます。

スムーズにふけあがりドライバーの意思(要求)に応えてくる印象です。4気筒エンジンはどれもこのように軽い印象なのでしょうか?昔バイクに乗っていたことがあり(ヤマハMR-50、ホンダVT-250、ホンダCBR400RR、スズキアドレス100)、少し大げさですがバイクっぽい感覚だと思いました。

この2.5リッターエンジンは太いトルク感のようなものは感じられませんが、どの速度域でも前に出れる追い越し加速力があり、軽快な感じがします。

4気筒SOHC、177ps、23.4kgm/4400rpmという非力なスペック。ステージアは同じ2.5リッター、日産自慢のVQエンジンで6気筒DOHC。最高出力215ps、27.5kgm/4400rpm(ハイオク仕様)。ステージアからのアウトバックへの乗り換えはレベルダウンに思っていました。

しかし、雑誌やネットの書き込みなどを見るとD型以降の2.5リッターエンジンは総じて評判がよく、かえって3リッター6気筒エンジンの不満のほうが多かったわけで、予算の関係もあり間違いない選択だろうと2.5iの購入に踏み切ったわけです。

結果は期待を裏切らないものでした。スペック(数値)というのは参考程度の肩書きであることを再認識させられました。

コーナリングは車高が高いデメリットを感じません。たとえば高速道路のインターチェンジで180度まわるような場所でも安心して突っ込んでいけますし、山坂道も苦手な印象がありません。

進路変更がラクでスムーズ。左右へのフットワークがいい。まさに軽快です。それでいて直進安定性も悪くないです。ステージアにくらべホイールベースは18cmも短いのに、見劣りしない高速直進安定感。

4速AT。これがスペック的に一番気になっていました。ある友人からは「おれが昔乗っていたミラパルコと同じじゃねーか」と馬鹿にされました。2001年に購入した前車M35ステージアは5速だったし、今ではCVTでなくても6速程度はあたりまえ。この時代に堂々?と4速でつくっているスバルは、逆にすごいと思っていました。

しかし結論から申しますと段数についてまったく不満なく、これでOKだと思いました。無理やり納得しているわけではありません。段数よりも、ダイレクト感など走りの性能のほうに目が向きます。走りが軽い、加速がいい、どの速度域でも反応がいい、と私自身が感じているということは、このATの狙いは達成されていると思います。

段数は抜きにしてもスバルのATについて良い評価を見ません。まず、ステージアにくらべてシフトショックを感じます。しかしこれについて予備知識があったせいか、思ったほどではないなというのが感想です。

「ATがバカ」という書き込みをよく見ました。シフトタイミングの問題を言っていると思いますが、とりあえず現時点では気になることは無いです。

パドルシフトはエンジンブレーキを発生させるときによく使います。フロアのシフトノブをマニュアル側へ切り替えなくてもパドルシフトだけで落とせるため、操作が早いです。

フロアのシフトノブをマニュアル側へ切り替えずにパドル操作によってマニュアル状態になった場合、クルマが判断して自動的にドライブへ戻るのですが、この制御も丁度よくとても使いやすいです。肝心のマニュアル操作後のクルマの反応ですが、ステージアより早く、これなら使い物になるというレベルにあると思います。

2.5iのブレーキは標準的。「すごくよく効く」という書き込みを見たことがありますが、そんなに特記すべきレベルではないと思いました。ABSやVDCをまだ効かせたことがないので、今後雪道で体験し後日感想を述べたいと思います。

燃費は、現時点で総平均9.7km/L。条件は東京23区、真夏、チョイ乗り6割り、ほぼSモード、燃費を気にしない運転でこの値は満足。


乗り味。初期型は脚がかなり硬かったみたいで「硬すぎる」といったネット上の書き込みを多くみましたが、年改で見直しが行われ最終型の足回りは誰が乗っても大きな不満は無いと思われます。

路面の荒れに対しゴツゴツ反応するような硬さはありませんが、路面の状態にクルマが影響されやすくフラット感が損なわれ易いことは事実です。

路面に荒れやうねりがあると低速でもグラグラっと揺れますし、荒れた路面を高速で走行した場合、上下に揺れるシーンもあります。

コンフォート系の乗り味だったステージアとくらべると、ちょっと落ち着かない感じは否めません。しかし決して安っぽい乗り心地ではないです。このクルマの癖であり、少し風変わりな味付けです。この料理を誰もが「旨い」と言うかどうかは微妙なところかもしれません。

ステアリング。操作感、握りの感じはいいです。よく「戻りが悪い」と書き込んでいる人がいますが、そうは思いませんでした。

SIドライブは、2.5NAのアウトバックでは使わないんじゃないの?と思っていましたが、案外使ってます。エンジンが暖まってないときはしばらくIで走行するし、近所の路地はIのほうが走りやすいです。しかしIモードは、他のクルマにどんどん置いてかれるくらいトロいです。まさに燃費重視の納豆走行となります(笑)。雪道で有効かもしれません。

エクステリア。基本的には古いデザインだと思います。オーバーハングは長いし、特に斬新なラインでもない。でもボリューム感を演出したアウトバックのデザインは、結構気に入っています。ヘッドライトの形状やランプ類の仕上げ、ボンネットからフロント周りにかけてのグラマラスな感じなど、年改を重ねるに従い細かい部分で斬新さを表現できていると思います。

車内は十分静かです。しかしステージアのほうが静粛性(遮音性)は高かったと思います。この4気筒エンジンは想像よりも車内に伝わる振動や騒音が少ないです。前車VQエンジンとくらべても大きな遜色はないです。うるさいのは、エンジンをかけた最初の数十秒(真夏でも)。早く暖めるためなのか、かなり回転数があがっています。

シートは標準のファブリック。ユーザーが多いためかたくさんの批判を見ますが、まあこんなものと思います。固めで私は疲れません。F型アウトバックは運転席のみ電動が標準。またテレスコにより前後にもステアリング調整可能で、フィッティング性もいいほうだと思います。

内装について。やはりスカイラインベースのステージアにくらべるとワンランク、もしかしたらツーランク落ちると思います。特にドアーの内装仕上げ。たとえばもう少ししっかりした取っ手がほしいです。また、ヒジにチカラを入れただけでへこむセンターコンソールの仕立てはさすがにマズイと思います。

そのほかスイッチ類の質感、操作感、夜間照明、天井のピラーの内張りの生地の質など。このあたりは軽量化のためとは少し違うと思うので、もう少しレベルアップしてほしいところです。

しかし初期型にくらべたら年改によって高級感を演出するための小技が随所に施され、これでも最終型はチープな感じはかなり払拭されていると思います。

内装としてのシートの質。大きさ/ボリューム、質感ともに安っぽい感じは受けません。空間(すきま)が少ないとボリューム感を出せるため、巧みな細工で隙間をつくらないようにしているのかもしれません。

車内の空間はステージアにくらべるとじゃっかん狭いです。外寸では車幅は変わらないですが、全長は35cm短いです。「必要以上に広い空間は不要」という自身のコンセプトから、アウトバックは狭すぎず広すぎずジャストサイズ。しかしミニバン全盛の今日、空間にこだわる方には狭いと思われるでしょう。

ラゲッジは、床パネルの合わせや納まり具合、床パネルの取っ手の感じなど、つくりが丁寧だと感じました。

高級感の演出というのは無いのですが、たとえば天井にチャイルドシートのアンカーが当然のように付いていたり、またフックが使い勝手のよさそうな位置に付いていたり、やはりワゴンの老舗っぽいなと感じました。

軽量化の工夫が随所で徹底していると感じます。たとえばラゲッジの床パネルがすごく軽いと思うし、その床下トレイは発砲スチロールのようなもので、コストダウンだけではなく主に軽量化を狙ったものだと思います。この部分だけでステージアより2~3kgは軽く出来ていると思います。

ドアロックの開閉音が安っぽいです。ドアーの開閉音ではありません、ロックの音です。日産キューブ並でしょう。内装でも指摘したとうりドアーの内側が貧相、ボリューム感が無いです。高級感を出すにはドアー自体を重厚に演出する必要があると思います。まあこのクルマの狙いは軽量化でしょうから、納得しましょう。

「ドアーの開閉音が高級だ」という書き込みをよく見ますが、確かに重厚っぽい音がします。たぶん、サッシュレス+大量のラバーでそういう音をつくっているのだと思います(窓を開けた状態だとまったく別の音になります)。

インテリジェントキーはたいへん気に入っています。一度体験すると手放せなくなる装備です。マイナス10度のスキー場でも問題ないかシーズンに検証します。要望として、エンジンをかけたままキーを持ち出した状態でドアロックできるとうれしいです。

不具合もなく、今のところ大きな不満はありません。よく書き込みされる、インパネからのミシミシ音?も発生していません。ステージアは四季を問わず常にミシミシ鳴いてましたので、静寂そのものです。

ハンドルに伝わる振動が懐かしいというかおもしろいというか。ハンドルに伝わる振動とは、段差を乗り越えたときにステアリングに少々ショックがあります。大げさに表現すると、そのショックが大幅に増幅された場合、ハンドルをとられる動きです。もちろん取られるわけではないしハンドル操作上まったく支障は無いのですが、こういう印象は高級車では絶対見られないものです。軽量化のために?または何かの目的のため細かなアラ消しをしないのでしょう。

クルマと直接関係ないですが、ディーラーオプションナビ、ストラーダについて。ストラーダ自体には不満は無いです。しかし納得できないことだらけです。

オーディオ音声がFM飛ばしのため音質が悪く、従って使い勝手も悪いため、実質オーディオ機能は封印されたのと同じです。大容量HDDやSDカードまで備えているのに宝の持ち腐れ。ストラーダのオーディオに期待されている方、ほぼ無理ですのであしからず。

本体設置場所が運転席シート下でDVDを再生する気分にならない。だからせめてナビだけは100点満点を期待したのですが、音声案内スピーカーが助手席下に設置されるため聴きづらく、音量は最大にしています。助手席に座った人はうるさいと言っている。

以上のことは知識として事前に知っていました。が、とにかくストラーダFクラスに舞い上がり選んでしまいました。

取り付け作業にも不満あり。取り付けマニュアルによると運転席のシートを外すようなのですが、シートがちょっと汚れていたり、運転席側ドアーランプのバルブがズレており納車時点で点灯していなかったり、一番びっくりは助手席サンバイザーの取り付け部が片方外れていたこと。サンバイザーを下ろして初めて気付きました。そして、運転席側のカウルサイドカバー(足元のドアのあたり)が一部外れていました。これはすべて、ディーラーによるナビ取り付け時のミスでしょう。

地デジはすばらしいです。都内はどこを走っても全く乱れません。しかし、音声は必殺FM飛ばしですからご承知おきを。音声だけ乱れるとき多々あり(笑)

オーディオは趣味や好みの範疇だから参考にならないと思いますが、標準でも十分なレベルになったと思います。好きな音楽を気持ちよく聴くにあたり不満なし。マッキンは聴いたことがないのでそのスゴさは知りませんが、私には価格が高すぎると思います。

ここを総括すると、もし今買うとしたらメーカーOPナビを選び、地デジチューナーは付けないでしょう。投資額に対しクルマでテレビはさほど見ないからです。そんな金あったら家のテレビをはやく薄型に買い換えたいです。

内装など細かいことを指摘しましたが、「クルマとしてはたいへん気入っています」。他人のアウトバックのインプレッションを見ていると、みなさん最後にこのようなコメントをしています。自分も、なるほど同じだなと思いました。

憧れの高級車でもなく、とびきり速いクルマでもなく、デザインも見飽きたクルマなのに不思議です。でもレガシィに憧れていました。それがメディアや一部の熱狂的ファンによって演出されたイメージではなく、期待どおりであったことは確かです。

f:id:bamboo151a:20190417224130j:plain