TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

日産・スカイラインGT-R Vol.22 (1999/3/4)

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     『TVKテレビの 「新車情報’99」 を斬る!』
         Vol.22 (1999/3/4) 毎週発行
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★3月1日放映
【日産・スカイラインGT-R】

1969年の2月に初代GT-Rが登場し、当時、新聞記者だった三本さんが最初に「羊の皮をかぶったオオカミ」と称したそうです。それから30年、もはやGT-Rは「オオカミ」というより、「電子制御のサイボーグマシン」と言ったほうが正確かもしれません。

GT-Rのオフィシャル・ページを見たい方はこちら
http://www.nissan.co.jp/COMPASS/SKYLINE_GT-R/
をご覧ください。

基本スペックは、直列6気筒DOHC、2.6リッター、ツインボールベアリング・セラミックターボ、280ps、トルクは40.0Kg、6速MT、燃費は10・15モードで8.1Km/Lと公表されています。価格はVスペックで559.8万円です。ATトランスミッションの設定はありません。

今回は、日産栃木工場内のテストコースでロケが行われました。さすがの新車情報フリークの私も、このGT-Rについて、いつものように、こぶしを頭にのせてインプレッションしていいのだろうか、と思っていました。

テストコースでの三本さん、久々に走りを魅せてくれるか!と期待しましたが、カーグラフィックTVで片山右京選手がドライビングするGT-Rを浮気見してしまった私から言わせると、今一つ物足りない感じでした。

それでも一周6キロの周回コースを勢いよく走り出して、なんと4速目で時速180キロをマークしました。

この車のスゴさは、そのエンジンパワーだけではありません。電子制御トルクスプリットの四輪駆動で、しかも左右の駆動力をそれぞれ調整しています。また、ハイキャスにより後輪も舵を切ります。ドライバーが要求するパワーを、さまざまな状況下においていかに路面に伝えていけるか、といったことに、最新の技術を駆使して造られた車と言えます。

日産の人も「究極のトライビングプレジャーの追求、意のままに操る走りの楽しさを、最高の技術で実現している」と言ってました。また、フルタイム4WDにしないのは、FRの回頭性のよさを重視している為だそうです。

高速周回コースでのGT-Rは安定そのものでした。もはや、この車からすれば、リミッターが効く時速180キロまでの領域は、中速域なのかもしれません。公道での制限速度である時速100キロ以下は、低速域になってしまうのかもしれません。

ブレーキもほめていました。ブレンボ製の大径のブレーキは「高速から気持ちよく効く」そうです。

山坂道ではありませんが、テストコース内のワインディングロードでは、比較的狭い道幅で、結構キツそうなコーナーを時速90キロくらいで駆け抜けていました。こちらでも全く安定していて、タイヤも鳴りません。ちなみにサイズは245/40R18を履いています。

「とにかく高性能。これは麻薬だ」と、三本さん、完全にラリッてました。

今回は燃費と騒音は測定されませんでした。車内の映像では、ターボの加給音でしょうか、終始「ヒュンヒュン」といったメカニカルな音がしていました。

シートの収まった三本さんの後ろ姿を見ると、肩までホールドされていて、すごいバケットシートだ、という印象です。「レカロですか」と聞いてましたが、国産だそうです。ダイヤル式に調整が出来て、一般の2ドアクーペのように、ボタン一つで前に倒れてスライドします。普通のシートと使い勝手はほとんど変わらない感じで、三本さんも感心していました。

カーナビのような中央の液晶モニターは、マルチ・ファンクション・ディスプレイと言って、油温、水温、過給圧、前後の駆動力配分、インジェクター開弁率(燃料噴射量)、吸・排気量などなど、Vスペック仕様では9項目の情報を表示します。プレステでゲームしてるみたいです。

GT-Rには、今回試乗しているVスペックと、ノーマルの2グレードがありますが、ちなみにノーマルは499.8万円です。この60万円の違いは何かと言いますと、後輪のデフが電子制御か、ヘリカルの粘性デフか、また、アドバンスド・エアロシステムと呼んでいるみたいですが、ディフューザーという板で、底を平らにしてるかどうかです。リアのディフューザーはカーボン製です。

フロントのボンネットはアルミ製。外見では、大きなリヤウイングが印象的です。あんなデカイ羽根が付いているのに三本さんは、「ドライバーの後方視界をそんなに妨げていない」とコメントしていました。空気抵抗を増やさずにダウンフォースを得るとかで、もう私には難しくてよく分かりません。

そう言えば今回は、頭のこぶしも、Aピラーの角度を測る分度器もありませんでした。そりゃそうでしょう。VスペックのVとは「ビクトリー」のVで、これはレースに勝つための車です。

普通のスカイラインよりボディー剛性も高くなっています。見た目はスカイラインの衣をまとっていますが、中身は別物と言えるようです。三本さんは「ここまで高性能な車を造るのだったら、クーペにこだわる必要もないし、新しく造ったほうがいいんじゃないか」と言っていましたが、日産の人は「イヤ、やはりベースはスカイラインです。すべて最初から造るとなると、最終的な値段は、この2倍以上になるでしょう」と言っていました。

最後にスタジオで三本さんは、「この車に乗る人は、どうか自制心を持って乗ってほしい」と言っていました。また「じじぃが乗る車じゃなかった」と弱気な発言もなさっていました。

三清さんは「この車にふさわしい方に乗ってほしいですね」と言っていました。おっしゃる通りです!試乗に使われたブルーのGT-Rに合せたのか、三清さんの洋服もブルーでオシャレでした。GT-Rの助手席には、三清さんがふさわしいかもしれません。

★次週の予定

ダイハツ・アトレー