TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

サーブ・9-5エステート Vol.28 (1999/4/14)

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     『TVKテレビの 「新車情報’99」 を斬る!』
         Vol.28 (1999/4/14) 毎週発行
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★4月12日放映
【サーブ・9-5エステート】

サーブのエステートは40年ぶりの復活だそうです。北欧のワゴンと言えば何といってもボルボエステートが代表的で、そのステイタスは未だに衰えませんが、それを横目に登場したサーブのエステートとはどんな車なのでしょう。

サーブのオフィシャル・ページを見たい方はこちら
http://www.saab.co.jp/
をご覧ください。

基本スペックは、直列4気筒DOHC、2.3リッター、インタークーラー付き低圧ターボ、170ps、トルクは28.5Kg、燃費は10・15モードで8.6Km/Lと公表されています。価格は533万円です。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、9.7Km/Lでした。10・15モードよりいい結果が出ました。時速100Km走行時の騒音は63~64dBでした。

大変静かな車です。セルシオの計測数値は64dBだったとのことですから、その静粛性はトップレベルです。しかもこれ、ワゴンです。

この車の印象を一言でいうとしたら「造り込みのいいクルマ」ではないでしょうか。あらゆる面において手抜きが無くて、しかも独創的な発想のもとにしっかりと造られている。ちょっとほめすぎでしょうか。

しかし今回の三本さんは、怒りのサンドバックあらため、ほめまくりのサンドバックでした。

高速道路では、まず直進安定性が大変いいようです。手放しでも安定しており、それでいてハンドルを切ったときは素早く反応するそうです。このフィーリングを「大人のクルマ」と称してしましたが、さすがの私もこの言い回しは今一つピンと来ませんでした。

山坂道でも低圧ターボの安定したトルクフィールで、走りやすいようです。ATトランスミッションは日本製だそうで、押さえるところはきっちり押さえているところも「大人じゃ~ん」かもしれません。山坂道の走り味は、なめらかでジェントルだそうです(?)。大人って難しい。

内装は航空機メーカーを思わせるコンセプトが随所に見られます。飛行機というとメーターだらけかと思いきや、計器類はいたってシンプルで、視認性を重視してることがうかがえます。また木目調パネルで高級感があります。ダッシュボードの奥には盗難防止装置が付いていて、外から見ると小さなランプがピカピカ発光していました。

三本さんが特にほめてたことは、エアコン吹き出し口の操作性のよさです。吹き出し口の真ん中あたりに棒が付いていて、それをつまんで動かすことで送風の向きが変わります。

言われてみれば私の車の場合、上下と左右の調整が別々で、安っぽいダイヤルみたいのを指でグリグリまわしながら向きを調整します。今どっちを向いているのか訳が分からず、顔を近づけて中の羽根の様子を見たりしてます。

イグニッションキーはセンターコンソールの、ATセレクタレバーの後ろあたりにあります。これも航空機造りのコンセプトからきてるようです。

ハンドルを抱きかかえるように、なぜか体を丸めながらコソコソとエンジンかけてるより、センターコンソールにキーをズボッと入れてエンジンかけてるほうが、カッコイイかもしれません。でもよほど慣れるまでは、ハンドルの下をまさぐってしまうでしょうね。

だたしこの位置には欠点もあり、同乗者、特に小さい子供などがイタズラする可能性があります。

シートも特徴的で、特にヘッドレストの形状が変わっています。ぜひ一度座ってみたくなるようなシートでした。

Aピラーの角度ですが、ジャンボ分度器では45度、傾きを測る計器では34度、全然違うのに三本さんは何の疑問も持たず、淡々と話を進めてしまいますが、私としてはどうにも解釈しづらいです。とにかく乗降性はいいようです。後席へも乗ってくれましたが、こちらも広々としていて余裕の合格でした。

昨年、セダンの9-5が登場しましたが、今回の9-5エステートも、エンジンは基本的に同じです。三本さんの、内装ほめまくりサンドバックで時間がなくなってしまい、ボンネットは開けてもらえませんでした。できれば低圧ターボについて話題にしてほしかったです。

そのほめまくりのワゴンとしての造りのよさですが、通常トノカバーと言っているものが、ハードタイプで大変しっかりしたものでした。正規ディーラーの人はパーセルシェルフ(仕切板)と呼んでいました。荷室のドアーは閉めてから何分かすると自動的にロックが掛かる仕掛けがありました。このタイミングは自由に調整できるそうです。

また私もはじめて見ましたが、荷室の床がスライドして外へ出てきます。その床板の上に、なんと200キロまでの重さの物を載せられるとのことで、重たい荷物を載せたまま、外へスライドできるという代物です。

外へ飛び出した床に、三本さんと正規ディーラーの人がふたり仲良く座っていました。座りながらまたスライドさせて、そのまま車の中に入っていってしまうのかと思いました。とても楽しそうでした。私も三清さんとやってみたいです。これも航空機で培われた技術がフィードバックしてるようです。

後部座席を前に倒すと、フラットでさらに大きな荷室が生まれますが、関心することは、その状態でも前席との間に網のパーテーションが出てきたり、後部座席を利用した荷物止めがあったりと、単に座席を倒しただけで荷室を広げている、といった安っぽい感じがありません。まるで2人乗りのワゴンを思わせるような自然なレイアウトになります。

オプションでは、ワンちゃん用の本格的なパーテーション(サク)が用意されていたりと、ワゴンを使いこなすユーザーのために、とてもよく考えられていると思いました。

我が国には安くていいワゴンがあるし、ワゴンをスタイルで乗っても別に構わないとは思いますが、この9-5エステートを見ると、改めて「ワゴン文化」が存在することを思い知らされるようでした。

さてQ&Aコーナーでは、シートの話題でした。なぜ日本車は座りづらいシートが多いのか、といった質問でした。三本さんは解説しながらだんだん怒ってきて、メーカーは我々をなめている!とテーブルにパンチをお見舞いしてしまいました。三清さんガンバレ、と応援しましたが、さすがの三清さんもマジ顔になってしまいました。

最近「NO!と言える~」が話題になってますが、新車情報では三本さんが20年も前から「NO!と言えるユーザーになろう」と主張しています。ハニーな三清さんからしますと若干肌に合わないフェーズがあるかと思いますが、これが新車情報のいいところです。このサンドバックおじさんに対抗するには、三清さんが逆ギレするしかありませ
ん。

★次週の予定
三菱・タウンボックス