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『TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
Vol.86 (2000/5/25) 毎週発行
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★5月22日放映
【ボルボ・V70】
ステーションワゴンといえばボルボ。その知名度とステータスは未だ健在です。正規代理店の人がいう「究極のエステート」とはどんなクルマでしょう。
V70のオフィシャル・ページはこちら
http://www.volvocars.co.jp/
をご覧ください。
基本スペックは、2.4リッター、5気筒DOHC、ライトプレッシャーターボ、200ps。トルクは29.1Kg。燃費は10・15モードで9.2Km/Lと公表されています。価格は510万円です。
三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、8.0Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は64dBでした。ロケ当日は暑く、ずっとエアコンを使用していたと燃費に関してフォローが入りました。
日本でも大ブレークした850エステート。その後継モデルがV70で、今回はそのフルモデルチェンジになります。バリエーションは2グレードのみで、今回取り上げている2.4Tと、ハイプレッシャーターボ搭載で250psのT-5。こちらの価格は560万円。
先代は850のデザインを踏襲し、角張ったエクステリアながらも洗練され、非常に高い完成度と評価されました。
今回のスタイリング・コンセプトは、「スポーツカーのようなフロントとステーションワゴンのリア」だそうで、フロントのAピラーは先代よりも傾斜が強いです。
随分と丸みを帯びた印象です。カクカクしたレンガのようなボルボ・デザインが好きな人にはどう映るのでしょう。Aピラーの傾斜に関して三本さんは「乗りづらい」と言っていました。やはり、美しいスタイル=乗りづらい、のでしょうか。
ボルボ・フォー・ライフと呼ぶ3つのコンセプトは、「プロテクトライフ」「エンジョイライフ」「ロングライフ」。クルマとしては正に理想のコンセプト。
ボルボはフォードクループの一員になりましたが、このV70はエンジンを含めほぼボルボ純血だそうです。
高速道路では、軽めの過給で3リッターに乗ってるようなフィーリング。トルクバンドが広くて使いやすい、と言っていました。
リアサスペンションが「以前みたいにピッチングが出ない」と、走りの洗練度も増している様子です。乗り味を一言で表すと「ドイツ風」。しっかりした感じを演出しているようです。
パワステが軽くなったと言っていました。これは山坂道でも同様の操舵感とのことです。
試乗車はオプションパーケージ仕様で55%偏平のタイヤを履いており、山坂道では「激しく走ってもタイヤが鳴らない」そうです。でもそのせいか山坂道のUターンで「小回りがきかないなあ」とのこと。
今回最大の注目は、なんとクルマが大気を浄化するという、信じがたいシステムをこのV70は搭載しています。
エンジンを持つクルマでは、どんなエコカーとだろうと、エンジンをかけた瞬間から大気を汚染しています。
しかしこのV70は、エンジンを始動すると同時に「オゾンイーター」と呼ぶ装置により、なんと空気をきれいにしちゃうと言います。マジでしょうか。
もちろん排気ガスがきれいな空気になって出てくるわけではありません。自分のエンジンが汚した大気に対して、少しでも良い事しようといった感じ。
公式サイトにはオゾンイーターとありましたが、番組では「スモッグイーター」と呼んでいました。これはラジエーターに、秘密?の触媒を塗布することで実現しているとのことです。
この触媒を組み込んだラジエーターを大気が通るとアラ不思議、有害オゾンを約75%酸素に変換します。
ラジエーターは常に空気が流れているし、またこの触媒は高温のほうが効果が高いとのことで、それでラジエーターを利用しているそうです。
アイドリング状態でも黙々と有害オゾンを酸素へ変換してるとか。特に都心の渋滞などで威力を発揮するというから驚きです。実際の効果についてハッキリわかりませんが、発想がすごいと思いました。クルマが動く空気清浄器?
ちなみに、すべてのクルマにこれが付いたら、目に見えて地球の大気がきれいになるのでしょうか。そういう試算やアピールを、ボルボはやっているのでしょうか。詳しく分かりませんでしたが、エンゲルハードという会社の触媒技術だとか。ここの株は買いか。。
環境への新発想もさることながら、安全についても気合入ってます。S80にも装備されたあのインフレータブルカーテン。別名、頭部側面衝撃吸収エアバックで、窓の上からカーテンのようなエアバッグが展開し、側面追突の衝撃から乗員の頭部を守ります。
外から見るとドアーがボッコリと盛り上がってますが、デザイン性もさることながら、実際にドアーの厚みはかなりのものでした。三本さんも「こりゃ厚い」と言っていたほど。側面からの衝撃に対応する為、と正規代理店の人。
小さな子供の安全対策も万全です。28年も前からチャイルドシートを販売し、実績と定評のあるボルボですが、今回から脱着における国際標準ISO-FIX(イソフィックス)方式を採用。
スタジオで実際に脱着をやっていました。ちょっと大掛かりなフィッティングパーツでしたが、脱着は確実で簡単。またチャイルドシートは後ろ向きに設置、というボルボのポリシーは相変わらずです。
6才直前の大きな子供用には、今までもあったワンタッチでシート座面が高くなる、埋め込みタイプのものがファミリーパッケージにて提供されています。
ラゲージルームの使い勝手は大変良好。いろいろ行き届いたつくりは実際に触れて試してほしいです。
3列めシートがオプションで用意されているそうです。後ろ向きに座る簡単なものらしいですが、シートベルトもちゃんとアリ。これだと7人定員となります。サードシートのオプションは20万円。
この新型、いろいろと話題性のある装備や仕様で価格はほぼ据え置きです。
ワゴンブームのとき、ボルボのステーションワゴンに乗ることはステータスでした。スウェーデンの思想やボルボの安全性に魅力を感じたものです。自分の安全の次には、環境に配慮するクルマ選びがかっこいい、かもしれないです。
★次週の予定
オペル・ザフィーラ