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『TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
Vol.119 (2001/1/13) 毎週発行
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★1月8日放映
【BMW・X5】
日本ではブームが去った感じのオフロード四輪駆動車は、アメリカを中心に需要が高く欧州にもブームが飛び火しそうな勢い。「ジープ型」をしていかにも悪路を走りそうなX5ですが、実態はオンロードをスポーティに走れる、豪華なSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)です。
オフィシャル・ページはこちら
http://www.bmw.co.jp/Library/Automobile/X5/
基本スペックは、V8DOHC、4.4リッター、286ps、トルクは44.9Kg。燃費は10・15モードで6.8Km/Lと公表されています。価格は835万円。
三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、6.0Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は62~63dBでした。
全長4665、全幅1870、全高1705、重量2180kg。
エンジンのバリエーションは、直6の3リッターやディーゼルもあるようですが、日本に輸入されるのは上級モデルのV8のみ。
野中さんから「新車情報で取り上げるクルマにしては(価格が)お高すぎませんか」とツッコミが入りました。まったく同感デス。
三本さんはニコニコしながら「この番組では500万円くらいまでかな。時期が時期だし、お年玉ということでまあいいでしょう」とのこと。三本さん、お年玉ください。
X5のコンペティターとしては、メルセデスベンツ・ML320やトヨタ・ハリアーなど。特にハリアーはアメリカで好評です。
クロスカントリー車の魅力は、見切りの良い高い着座位置と広い室内空間、力強いスタイル、そして高いオフロード走破性。反面、オンロードではカッタルイ乗り物でした。
市場を研究し尽くした結果、オフロード車といえどもオンロードでの高い操縦安定性や快適性が求められているとのこと。
背の高いボディーを持ちながら、オンロードでスポーティな走りを味わえるようです。
X5を高速道路で流す三本さん。常々思っていることですが、顔の大きい人ほど大きなクルマが似合うと思う。
1.9メーターにせまる全幅。高速では快適なのかもしれませんが、一般道ではきっとストレスに。
4.4リッターV8のパワーユニットは、「あきれるくらいトルクフル」と三本さん。低回転からぶっ太いトルクがモリモリ湧き出し「パワーは麻薬」状態。
まあ6キロの距離を走るのに1リッターもガソリン食うわけですから、このくらい楽しませてくれないとワリに合いません。
セダンに引けをとらないリニアでシャープなハンドリング。さすがはBMWがつくったSAV。
タイヤは255/55R18と足回りもデカいです。やはり、ガタガタ道などは行かないほうがいいかもしれません。オプションで19インチも用意されているとか。
ぶっ太いトルクを受け止める5速のATトランスミッションは、違和感なく完成度が高いとのこと。
山坂道でも当然パワー不足は全然感じない様子で、2トンを超える車重を軽々と振りまわせます。
背が高いのにセダンに近いハンドリングを実現している秘密は、凝りに凝ったサスペンション。フロントはストラットを改良したダブル・ジョイント・スプリング・ストラット式。リアは三本さんも見たことないというインテグラル・アーム式の電子制御エアスプリング。
電子制御のハイメカもふんだんに採用されており、四輪個別に駆動力やブレーキの制御をするそうです。まさに至れり尽くせりのスーパーサルーン。走行時の騒音も高級セダン並みの静かさ。
どんなクルマも差別なく乱暴に扱う三本さんは、山坂道で片輪をダートへ突っ込んでフルブレーキング。「ハンドルから手を放していても安定していた」とのこと。
三本さんいわく「SUVとしては豪華すぎる」インテリア。ブラックレザーや木目パネルなど、そこは835万円のクルマに相応しいリッチな空間。この豪華さは7シリーズのセダンに近いとのこと。
全長が抑えられているせいかラゲージスペースは狭いようです。贅沢なクルマとはいえ、この点はマイナスではないでしょうか。
ラゲージのハッチバックは上下分割式。手をかざすだけで開く電子式スイッチを採用。上下分割式は荷物の出し入れの際、ヒザが汚れないなどメリットがあると思います。また簡易ベンチにもなりますし。ちなみに200Kgまで耐えられるとか。
スペアは標準タイヤ。その取り出し方が凝っていました。室内の荷室床下に収納されていますが、テコの原理を利用するイメージで重たいタイヤを外へ取り出せます。イザというときアセッて腰を痛めることもなさそう。
V8エンジンがスッキリとおさまるエンジンルーム。「これくらいスッキリしていないと」とホメる三本さん。重心を落とすためエンジンを少し低い位置に設置しているとか。
エンジンを低くすると悪路では底をヒットする可能性が高くなり、オフロード車としては不利といえます。X5はオンロードを重視した設定。
年間生産台数は4万5千台あまり。そのほとんどが、メインターゲットであるアメリカで売れているとか。
「日本にはこの種のクルマは見当たらない」と言っていました。そのテイストはライバルのハリアーでもなく、ランクル100でもない、贅沢なBMWのテイストのSAVでした。
さて、今年も三本さんが本を出しました。2001年度版「辛口クルマ選び」徹底ガイド/三本和彦です。
(妄想)BMW・X5で、三清さんと冬の軽井沢へウインター・ドライブ。
キンと寒さが張りつめる夏の避暑地はこの時期空いています。今こそアダルティな2人にふさわしい大人のリゾート空間(?)
アトリエ・ド・フロマージュでお茶して、軽井沢銀座を歩く三清さんと私。寒いけどあったかい、2人だけの時間でした。
★次週の予定
トヨタ・カローラフィールダー