TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

トヨタ・マーク2 Vol.113 (2000/12/1)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.113 (2000/12/1) 毎週発行
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★11月27日放映
トヨタ・マーク2】

セダンが主流だったころ、高級車指向の庶民にウケまくったマーク2。代を重ねて今回で9代目になりました。私事で恐縮ですがその昔、6代目を所有しておりました。

オフィシャル・ページはこちら
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/MarkII/index.html

基本スペックは、直列6気筒DOHC直噴D-4、2.5リッター、200ps、トルクは25.5Kg。燃費は10・15モードで12.4Km/Lと公表されています。価格は295万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、10.0Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は64~65dBでした。運輸省排出ガス認定制度は☆。

全長4735、全幅1760、全高1460、重量1490kg。

エンジンは2リッターと、2.5リッター、そして2.5リッターのターボ。

グレードは高級仕様のグランデG、スポーティーな仕様のグランデiR、そしてグランデ。4WDはFourというネームが入ります。価格帯は235万円~336万円。

トヨタの人は「高級ドライバーズ・セダンを目指した。セダンのよろこびをあらためて実感できるクルマ」とアピールします。

プラットフォームを一新。力強くダイナミックなスタイルを実現したエクステリア。豪華というより仕立ての良い上品さを目指したという室内インテリア。

インプレッションでは「今までの2.5リッター直噴より明らかにトルクフルだ」と新型エンジンのフィーリングを評価。

「最大パワーを引き上げるより低中速のトルク感にこだわった。またターボモデルも中低速域を改良し、全域でリニアな特性とした」とトヨタの人。

今回試乗したスポーティー仕様のグランデiR-Sが、三本さんの好みに合わなかったようです。特に乗り味で「ゴツゴツ感がある」と不満な様子。

タイヤは215/45の17インチ。ターボモデルではさらに225/45の17インチがリアに付くようです。

「そこまで高性能タイヤを履くのなら、乗り心地を損ねないもっと高性能なサスペンションにすべき」とツッコミます。「BMWもかなりの扁平タイヤを履くが、サスペンションがそれを補っている」とビーエムとくらべてしまいました。

ただし山坂道では「コーナリング性能は非常に高い」とホメています。「こういうクルマにこれだけのドライビング性能が必要なのだろうか」そして「乗用車は走行性能はほどほどに、乗り心地を楽しみたい」と言っていました。

三本さんは乗用車としてのセダンを評価しようとしていて、iR-Sの性格付けと噛み合っていないと思いました。

グランデGなら偏平率55%、グランデなら65%のタイヤが付きます。三本さんにはグランデGあたりをセレクトすべきだったのかもしれません。

内装も三本さん的には「安っぽくはないが、意外とそっけない」と言います。私も実際見に行きましたが、シンプルでしたが悪くないと思いました。

試乗車の内装色は、黒とワインレッドが基調だったせいでよりスポーティさが強調されて、これをそっけないと思うかシブイと評価するか。

トヨタの人は「グランデGなどはもっと明るい内装です」と補足します。

ATはベンツのようなゲート式。勾配のキツい坂を下りながらもっとエンブレが欲しくなった三本さんは、「知能があるといってもクルマに任せてられないなあ」と言いながら自分でガチャガチャと操作していました。

この試乗車にITS(インテリジェント・トランスポート・システム)がついていたのか聞き漏らしました。これはナビゲーションシステムと組み合わせてカーブなど道路状況を先読みし、クルマが適切なシフトを行うという先進技術。

もう一度新型マーク2の寸法をくりかえしますと、全長4735、全幅1760、全高1460、重量1490kg。

くらべることが適当かわかりませんが先々週のメルセデス・ベンツCクラスのサイズは、全長4535、全幅1730、全高1425、重量1500kg。

Cクラスにくらべたら大きな車体。三本さんもしきりに「デカイ」と言っていましたが、トヨタの人の認識はまったく逆で、「コンパクトにおさめた」と新しいパッケージングをアピールします。実際に新型マーク2は全長で25ミリ小さくなりました。

ホイールベースは50ミリ延長。これにより室内長は30ミリ拡大。オーバーハングはフロント25ミリ、リア50ミリ短縮。

高さは60ミリもアップしました。これにともない着座位置は35ミリアップして、座面の地上高は520ミリ。視界向上と、いわゆる乗り込み易さを改善。

乗り込み易さに関して最近かなりツッコむようになった三本さん。「セダンでも座面の地上高は600ミリ以上あってもいい」と、これでもまだ低すぎると言います。

三本さんよりは腰が曲がる私としては、乗り込み易さはほどほどでも、良好な視界という点は是非ともこだわりたい。

エクステリアは「ベンツにそっくりだ」と三本さん。特にリアサイド、テールも似ている気がします。

新デザインについてトヨタの人は「かっこいいクルマにしたかった」として「目指すはドライバーズ・セダン。今回サッシュレスをやめて窓枠を付けた。これは力強く骨太のラインを強調するため」とのこと。9代目は力強い走りとスタイルをアピールするクルマへと変貌したようです。

あくまで乗用セダンとして検証する三本さん。自ら後席に座ってみて「後ろの人の視界が悪い」と文句。特に大きめのヘッドレストは前方の視界をさえぎります。

トヨタの人は「室内の前後長は拡大しており、そういう意味で後席の開放感は増しているはず」と反論。さらに「ムチウチ低減機能を持つシートにより、ヘッドレストは若干大ぶりになっている。新型マーク2ではこのムチウチ低減シートを後席にも採用し、これを全席に対応したのはトヨタでマーク2が初めて」だそうです。

燃料タンクを床下へ移動。手が届かないほどトランクの奥行きが拡大しました。しかし荷物に手が届かなければトランクとして使い物にならない。

そこで考え出されたのがシークレットBOXなる怪しい?箱。正式にはラゲージユーティリティボックス。

箱はトランクの一番奥に納まり固定されます。箱にフタはありませんが、奥にあるからトランクを開けた状態から中身は見えませんでした。

室内後席のアームレストの部分がトランクスルーになって、箱の中の物を出し入れできます。

トヨタの人は「赤ちゃんの使用済みオムツをしまっておくのに丁度いいとユーザーから評価された」と使い方の一例を紹介していました。たぶん箱は水洗いできるようなプラスチック素材だと思います。

三本さんは「オムツは年寄りも必要だからなぁ。これはイイ」と妙に感心。

トランクフードはヒンジ式。「ダンパーにしようよ」といつものツッコミが入ります。トヨタの人によると、ダンパー自体のコストはさほどでもないようですが、たてつけの問題で生産性が悪くなるようです。

盗難防止装置イモビライザーは上級車種のみ設定。インフォメーションコーナーで視聴者からハガキによるツッコミがあって、「上級車種のみとはいかがなものか?全車オプション対応にしてほしい」とありました。

セダン氷河期真っ只中。さすがのマーク2も、自らの存在意義と方向性を模索しているようです。

「走り」を前面に出してきた背景には、バランスの良いセダンだからこそ、走りを追求するに相応しいと考えられた結果か。

しかし昔も今も、「走り」という要素は流行の本質ではなかったように思います。

クルマの流行は、若者たちのファッションやスタイル、行動と密接にリンクしているようで、「なぜセダンは売れないのか?」とマジメに考えても答えは出そうにありません。

ミニバンの車内に光る水槽(注:メダカや金魚を飼う水槽ではありません)、ブラックライトの装飾、ラゲージを犠牲にするウーハースピーカーなど、マーク2セダンには結びつかないムーブメントが発生している昨今。

しかし我々の頃もダッシュボードにヤシの木が生えていましたので、不思議なハヤリ物とはあまり関係ないのかもしれません。ちなみに最近でもヤシの木が生えているのを目撃。それはブラックライトで怪しく光っていました。

(妄想)大人の女性をエスコートするのに必要なことは、知的で力強さに裏打ちされたさりげない身のこなしです。

決して車内に水槽を置いてはいけません。ヤシの木などはもってのほか。あくまでさりげなさが大事。

三清さんとアダルティなデートを演出するため、走りを鍛えたマーク2をチョイス。

大人のための上質セダンは、洗練された走りを体感させてくれる。静かな車内は、2人の会話を盛り上げてくれる。仕立ての良い内装は、助手席の彼女を一層引き立ててくれる。そう、セダンでデートできればキミもオトナじゃ~ん。

★次週の予定
ホンダ・ストリーム

★訂正とお詫び
先週のアルファロメオ・アルファスポーツワゴンの中で、「装備で感心するのは助手席エアバックの切りスイッチ」と書きましたが、キルスイッチの誤りでした。