TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

スバル・トラヴィック Vol.159 (2001/10/20)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.159 (2001/10/20) 毎週発行
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★10月15日放映
【スバル・トラヴィック】

ワゴンブームに火がついたのは10年ほど前だったか。そのときプレミアム度がひときわ高かったレガシィで市場をリードしたスバル。しかし、昨今のミニバンブームには乗り損ねた様子。トラヴィックは同じGMグループのオペル・ザフィーラをスバル流にアレンジしたミニバンです。

オフィシャルサイトは
http://www.subaru.co.jp/traviq/

基本スペックは、直列4気筒、DOHC、2.2リッター、147ps、トルクは20.7kg。4速AT。燃費は10・15モードで10.0km/L。価格はSパッケージで224万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、12.2km/Lでした。10・15モードよりいい結果。時速100km走行時の騒音は67~68dBでした。

全長4315、全幅1740、全高1630、重量1470kg。最小回転半径5.5m。

雑誌のレガシィ記事でよく拝見するチーフエンジニアの方が出演していました。トラヴィックについて紹介した内容は以下の通り。

「走る楽しさが味わえる7人乗りのワゴン。ドイツ生まれ、生産は最新鋭のGMタイ工場、技術パートナーはGMのアジアパシフィック、そして走りにこだわるスバルが足回りをチューニング。グローバルに手を組んでつくり上げた戦略車」。

さらに、「スバルが考えるクルマづくりのポリシーは、つくり手の主張が明確で性格のハッキリしたクルマにすること。トラヴィックでは高質な走りや高い安全性、質感の高いクルマづくりでそれを表現できた」とのこと。

オペル・ザフィーラは以前番組に登場ずみです。合理的なパッケージとジャストなサイズで、三本さんに賞賛されたことは記憶に新しい。

スバル・ミニバンの中身は思った以上にザフィーラそのもの。排気量はザフィーラで最大の2.2リッターを標準搭載。

このエンジンはGM製。トランスミッションはアイシン製。エンジンは横置きで前輪駆動。あらためて言うまでもなく、スバル水平対向エンジンでもなければ、4WDでもありません。四輪駆動に今後展開するかどうか、スバルの人からそういったコメントは
ありませんでした。

フォレスターでミニバンを開発していると聞いたが、なぜザフィーラのOEMになったのか」という問いにスバルの人は、「多座席7人乗りにこだわった」とのことでした。フォレスターのベースで3列シートは無理だったらしい。

試乗では、「しっかりしたボディ剛性だ。高張鋼板でハガネのようなガッチリ感がある」とのこと。良くも悪くも正統派のドイツ車的なフィーリング。「マジメな製品だ」といった表現も。

「2.2リッターを搭載したことは大正解」と三本さん。低速重視でトルクフルなエンジンらしい。

また「本国ドイツのディーゼルターボは低速から力強いトルクを持っていて速いんですよ。日本ではディーゼル嫌いがここまで徹底しましたから、その良さを味わえないのは残念だ」といった脱線コメントもありました。

スバルの人は、「アウトバーン育ちのシッカリした足回りにスバルスピリットを注入した」といいます。高速道路では「直進安定性がさらに向上したようだ」と三本さん。

Sパッケージでは205/55R16の高性能タイヤが標準。これはレガシィワゴンのGTにも標準装着されているサイズ。Sパッケージ以外では15インチになります。

乗りごこちはゴツゴツしてカタい。道路の継ぎ目が「ドン、ドン」と伝わってくる。「本当はLパッケージが乗りたかった」と三本さん。

ダンパーについてスバルの人は、「Sパッケージではザフィーラと同じで、タイヤのみサイズを変更。Lパッケージではソフトにセッティングし直している」とのこと。

SパケかLパケか。検討されている方はエアロの見た目だけで判断されずに、試乗して両者比較したほうが良いと思います。

試乗車のSパケではそのタイヤのせいかロードノイズも大きめ。騒音については三本さんも指摘したように、数値的にあと2dB小さければ言うことなし。

山坂道では「スタッフ4人乗車で非力な感じはない」とのこと。トランスミッションがビジーにならない。ビックリするほど力強い」という発言も。

ATの設定についてスバルの人は「エアコン使用を考慮したり、日本の道路事情にあわせてアクセルの踏み込み量が少なくなるように配慮した」と説明。

キビキビした足回り。ステアリングはシャープな印象。「ややアンダーステアぎみだが、シャッキリしたものに仕上がっている」とのこと。特にこのSパケでは「ロールがほとんど感じられない。よくつっぱるなあ」とミニバンらしからぬ印象を感じた様子。

しかし山坂道でも終始「ゴツゴツした乗り味が気になる」と訴えていました。

エクステリアでの変更点はハニカム状のフロントグリルや、そして日本人が大好きなエアロパーツなど。内装はほぼ共通らしく、一部グレードでパネルをメタル調に飾ったり、またMDステレオを標準装着するなど。

シートアレンジの多様性は評判どおり。スタジオで野中さんが座ってくれます。「スカートだとちょっとキツかったデス」と野中さん。いつもこのシーンでメモを取るのを忘れて凝視してしまうのは私だけでしょうか。「3列目も意外と広いんですね」との感
想でした。

万が一のとき、足先の損傷を回避する脱落式ペダルや、アクティヘッドレストなどの安全装備もザフィーラと同じ。

このクルマは魅力は「安い」こと。「なんでザフィーラより価格が安くできるの?」という問いにスバルの人は、「GMグループとのアライアンス(同盟)効果でコストダウンを達成、戦略的な価格が実現した」とのこと。

最も高いLパケで234万円。あまり売れないであろうベーシックバージョンは199万円。

ヤナセで買えるオペル・ザフィーラは、1.8リッターの125psで289万円。日本でザフィーラは売れなくなってしまうのでは?

「7人乗りでもこんなに走りが楽しい!と味わっていただけるワゴンです」とスバルの人。一度も「ミニバン」とは言わずに「ワゴン」と表現していたのが印象的。何かこだわりでもあったのでしょうか。

価格が安く、内容的に悪くないと思います。タイ工場というのがチト気になりますが、基本的な品質に問題ないはず。アフターではやはり「外車」扱いなのか?そのあたりも調査したり、またオペル・ザフィーラの評判もチェックする必要がありそう。

あのイプサム実車を見ると思いのほか肥満体だったし、もう少しコンパクトでキリッとして、それでいて家族が余裕で乗れる広さのジャストサイズ・ミニバンはないものか。豪華なミニバンは多いのですが、高品質でシブイ印象のミニバンが少ない気がする。

クルマはトヨタとガンコに決め付けている人以外だったら、少し冒険したぶん、きっと結果的に満足できるクルマだと思います。

(妄想)都会でも違和感ない大きさやスタイル。セダンのようにさりげなく乗れる雰囲気がうれしい。

真っ赤なトラヴィックでラッキーデート。今日はフジテレビ本社ビルがそびえるお台場へ。

野中さん、もしかしたら民放メジャーの女子アナになりたかったのかも。でも私はフジのイケイケ女子アナより、TVKの野中さんがイチバンです!

アーバンなデートスポットになったお台場ですが、私が学生の頃ウインドサーフィンのメッカで、サーフィンをやるためだけに来た場所でした。ぺんぺん草が生え、大型ダンプが走りまわり、夜になれば向こう岸に東京タワーや貿易センタービルの明かりだけが見えた静かな埋め立て地。

そんな昔話しをしながら、近未来的に飾られたお台場の夜景を、野中さんと2人で眺めるのでした。

★次週の予定
アルファロメオ・アルファ147