TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

第35回東京モーターショーPart1 Vol.161 (2001/11/2)

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 『TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.161 (2001/11/2) 毎週発行
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★10月29日放映
【第35回東京モーターショーPart1】

今世紀最初の東京モーターショー。しばし楽しいクルマ未来を堪能しましょう。

モーターショーのオフィシャルページはこちら
http://www.motorshow.or.jp/

ゲストはモータージャーナリストの牧野茂雄氏。モーターショーははじめてという野中美里アナ。たぶん第1回目から皆勤賞、われら三本和彦氏。


トヨタ
夢のある新しいモビリティーライフを念頭に、軽自動車から大型乗用車まで幅広く展開。環境対策をはじめとする革新的な技術を提示するとともに、クルマの本質的魅力である走るよろこび、使う楽しさを提案。

ダイハツと共同ブース。来年から参戦のF1マシンから軽自動車まで、まさにフルラインナップのトヨタ

FXSは、1991年のモーターショーで展示された4500GTの流れを受けるスーパースポーツ。RSCは、RAV4くらい大きさで迫力あるクロカンルック。podは、ソニーと共同開発した小さなクルマでしっぽが付いており、割り込んでもしっぽをフリフリさせれば許してもらえる?

ES3(イーエスキュービック)は、小型軽量の1.4リッターディーゼルエンジンを積んだ世界トップクラスの低燃費カー。トヨタ独自のディーゼル触媒技術により、優-低排出ガスレベルをディーゼルで実現。また、最先端のリサイクル技術を盛り込んだ現実的な近未来エコカー。DPNRと呼ぶこのディーゼル触媒は、2003年にも小型トラック市場に導入する計画とか。

DMTは、デカイ1BOXミニバン。フラットな床に様々な居住空間をレイアウト。ist(イスト)は、ヴィッツの新兄弟で近々に市販車として登場です。


○日産
多様なコンセプトカーを展示。創造性と個性に満ちた日産らしいクルマづくりと、その実現のために大胆かつ誠実に挑戦する企業姿勢を強く訴えたといいます。

Nallsは、奇抜で楽しいトラック。ideoは、インフォメーションテクノロジーをクローズアップした小型車。KINO(キーノ)は、6人乗りの小さなミニバン。Mocoは、スズキが日産に供給する軽自動車です。

m.mは次期マーチ。「なかなかの出来だ。特にヨーロッパでは4ドアのコンパクトカーの人気が高いから期待できる」とヒットを予感する三本さん。crossbow(クロスボウ)は次期サファリ。ボクシーで観音開きドアー。

目立ったのはGT-R CONCEPT。角張ったボディーはかなり戦闘的。スカイラインと決別し、日産のフラッグシップカーとして全世界をターゲットに市販される予定。V8を積むかV6のツインターボになるか、まだ決まっていないとのこと。

ほぼ市販モデルが展示された新型フェアレディZ。V6の3.5リッターを搭載。専用6速ミッション。史上最強のZ。ゴーン社長はこれを3万ドルで出したいとのこと。ただし一番の輸出国になるアメリカが今、平常ではないことが少し懸念されます。


○三菱
現在、近未来、未来の3つの時間軸に分けて展示。「新生」三菱自動車の新しいクルマづくりの方向性や新しいデザインをアピール。

フロントの顔付きが全車で統一され、三菱車イメージアップを演出。注目はコンパクトカーのCZ2。

CZ3 Tarmacはラリー仕様のスポーティバージョン。S.U.Pは三本さんいわく「タイヤをつけたナマズ」。

SPACE LINERはいろいろなクルマの特徴をミックスしたクロスオーバー・コミューター。流れるようなシルエットで、従来の1BOXにありがちのボクシーなイメージから脱却。必然的に狭くなった室内は、日本の伝統的な空間づくりの手法を取り入れ、心地いいキャビンを演出。


マツダ
テーマは「ズームズーム」。日本では「ブーブー」にあたるアメリカの子供言葉で、子供のころ抱いた動くことへの感動を忘れない集団でありたいというコンセプト。

ロードスターMPS。世界でもっとも売れているスポーツカーであロードスターは、今やマツダの代名詞。「MPSはフランクフルトショーでも大人気だった」と牧野氏。

アテンザは、カペラの後継モデルで今年中に市販予定。SeretHideoutは、デミオの後継になるコンセプトカーで観音開きドアー。MX sport Tourerは、キャンバストップのような屋根が後ろから開いていくのがおもしろい。

少し前に発表され話題になったRX-8。新開発のロータリーエンジンを搭載。4人乗りのスポーツカーで、これもセンターピラーがない観音開きドアー。2003年の初頭にはこの姿で市販されるとか。


○ホンダ
夢の実現に向けてチャレンジを続けていく力「ザ・パワー・オブ・ドリームス」をかかげ、走りの楽しさ、移動空間としての楽しさを広げるそんな価値観をもったクルマづくりを提案。

BULLDOGはラゲージにミニバイクが載ってます。モトコンポの再来か。DUALNOTEは、ミッドシップハイブリッドカーで4ドアスポーツクーペ。

UNIBOXはスケルトンボディーの1BOXで、中がスケスケ丸見え。「こんなスッポンポンのクルマはいやだよ」と三本さん。将来はスケルトンボディの時代が来るのか。

model Xは小型SUVで観音開きドアー。「デトロイトショーでも評判よかった」と牧野氏。シビック・ハイブリッドは年内中にも登場予定で、トヨタを追撃。

w・i・cは、背が高くタイヤを四隅へ配置したコンパクトカーで、トヨタ・bBの対抗馬か。S・U・Uは3列シートの小型コミューター。そしてスーパースポーツNSRのTYPE-R。

今週はここまででした。牧野氏は「日産とマツダがよかった。これからの商品をわかりやすく意思表示していたと思う」とのこと。さらに「日本車のデザインがよくなってきた」と全体的に評価。

また観音開きドアーのクルマが多いことについて、「強度不足の問題はすでにクリアしているようだ」とのこと。

三本さんは燃料電池車について「この2年でかなりコンパクトになり現実味をおびてきた。少し前までウシが入る風呂場みたいだったからね」。

そして牧野氏同様、「デザインが伸びやかになってきた」と好意的なコメント。「メーカーにも古いオヤジが少なくなって、伸び伸びやれるようになったのでしょう」と三本さん。

そして今回だけの新コーナー「野中美里セレクション・私が選ぶこの1台」。企画としては最高っす。野中さんが選んだイケてるクルマは、いすゞのBEGIN FUNKYBOX。私もモーターショーに行きましたけど、どうやら野中さんが選んだクルマを見落としてしまったようです(なんたる不覚!)。

FUNKYBOXはトラックの荷台をホビースペースに改造した楽しいクルマ。好きなようにアレンジされた3畳ほどの広い空間で、野中さんとコンパニオンのお姉さんが楽しそうに語らっていました。しかし運転はちょっとキツそう。

来週は、残りの国産車メーカーと輸入車メーカーのご紹介です。

★次週の予定
第35回東京モーターショーPart2

アルファロメオ・アルファ147 Vol.160 (2001/10/26)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.160 (2001/10/26) 毎週発行
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★10月22日放映
アルファロメオ・アルファ147】

伝統ある官能的ブランド。クルマとしてマニアックな部類に入ると思いますが、この番組ではもうお馴染みです。

オフィシャルサイトは
http://www.alfa147.jp/

基本スペックは、直列4気筒、DOHC、2リッター、ツインスパーク、150ps、トルクは18.5kg。ATモード付き5速シーケンシャルトランスミッション。10・15モード燃費は発表されませんでした。価格は5ドアハッチバックで295万円。3ドアは285万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、10.3km/Lでした。時速100km走行時の騒音は67dBでした。

全長4170、全幅1730、全高1420、重量1310kg。最小回転半径5.75m。

本国イタリアでは2000年にデビュー。プレステージ・スポーツコンパクトとして高く評価され、2001年度ヨーロピアン・カーオブザイヤーを受賞。

「盾」をモチーフとした独創的なフロントマスク。三本さんは「アルファの顔付きの中ではおとなしい」といった感想。1949年の6C/2500ヴィラデステのデザインを彷彿とさせるクラシックな顔付き。

昔、アルファ・スッドというクルマを所有していたという三本さん。145の前身だったアルファ33。さらにその前身がスッドやスプリントと呼ばれたクルマたちで、14シリーズの最新モデルである147はスッドの子孫といえます。

日本に導入されるのは、2リッターツインスパークのセレスピードのみ。ツインスパークとは、1気筒あたり点火プラグが2本あるエンジン。

セレスピードに装備されるATモード付き5速シーケンシャルトランスミッションは、クラッチペダルがないATでいわゆるセミオートマ。これがなかなか楽しいらしい。シティモードを選べば普通のAT車として走行可能。日本のAT限定免許で乗れます。

個性派アルファも、フィアットグループの一員となってからすでに10年以上たち、共通するパーツも多いらしい。信頼性が向上することはたいへん結構なこと。しかしファンからすればアルファらしさは固持してほしいところ。

まずデザインでは、アルファらしさ健在。「デザインするとき、アルファは未だにコンピュータを使わないそうだ。レンダリングを修正しながら完成させていく。コンピュータと相談するのは最後の量産フェーズのとき」と三本さん。

自動車と思えないフロントデザインは、社内のデザイナーが生み出すとか。カリスマ的デザイナーの作品というより、アルファの伝統そのものがこの独創的なシルエットをクリエイトしているのかも。

乗り味もアルファらしさを感じた様子。ステアリングはかなりクイックな印象。

そして「回す楽しさ」みたいなものがあるようです。「日本車のようにやたら大きな高出力のエンジンを積むのでなく、適当な大きさが好感持てる」と三本さん。エンジンは横置きで前輪駆動。

時速100キロ時のエンジン回転数は5速で約3000。4速では約3600、3速では約5000弱。高周波系のエンジン音。

山坂道ではシフトダウンの制御が見事。クルマがエンジンをふかしてダブルクラッチを切るらしい。箱根のウィンディングで「エヘヘ」と楽しそうな三本さん。

「F1のセミオートマの技術が生かされている」と代理店の人。しかしギアチェンジ操作後の「ラグ」が長いようです。ワンテンポ遅れる感じ。「まあ人間が手足で操作するよりは早くて正確でしょう」と三本さん。

またATとしては日本車にくらべてシフトショックが大きい模様。「スムーズな変速とはいえない」とのこと。

タイヤは太めの205/55R16。「コーナリングパワーはあるけど、せっかく小さいクルマなのに小回りが阻害される」と三本さん。

内装は洗練されていると思いました。コックピットはMT車そのものです。質感が高そうなインパネ。本革シート、またMOMOやレカロのシートがオプション設定。

3人分のヘッドレストが付くリアシート。楽しみにしていた野中さんのシートチェックがなくて残念でした。仕方ないので他の試乗記を浮気見すると、後席は少し狭いらしいです。

ボーズサウンドシステムが標準装着。三本さんは「花札の坊主じゃないですよ、BOSEですよ」と解説してくれました。

スタジオでボンネットオープナーを引くためドアーをあけると、何やら作動音が。何の音ですか?とびっくりする三本さんに代理店の人は、「セレスピードのハイドロニックポンプの作動音です。ドアーをあけるとスタンバイ状態に準備します」とのこと。まるで生き物が息を吹き返すみたい。

「小さくてもアルファの味を損ねてないクルマづくりは、さすが」と三本さん。価格的には合格だと思いました。300万円を切ればなんとか射程圏内。価格が安いことは、クルマに対する興味と見かたが変わります。

さて、いよいよ2年に一度のビックイベント、クルマ好き&コンパニ好きの夢の祭典、第35回東京モーターショーが開催されます。もちろん私も観に行きます!(クルマを)

○一般公開日:10月27日(土)~11月7日(水)
○開催時間 :平日10時~19時、土休日9時30分~19時
○開催場所 :幕張メッセ
○入場料  :一般1200円、小中学生600円

※テロ対策で警備体制が強化されるようです。たとえば大きな手荷物や、バズーカ砲のような望遠レンズの持ち込みは避けましょう。

(妄想)ドイツ車よりイタリア車が似合う野中さん。真っ赤なアルファの助手席には、野中さんのフレッシュ笑顔。

典型的な日本人でA型の私は、デートの下見をしたり、どうしても段取っちゃう。しかしアルファのステアリングを握るとあら不思議、エモーショナルなラテン野郎に変身です。

アルファデートに筋書きも段取りも不要。官能的に攻めまくるだけ。もう、これ以上は書けません…。

★次週の予定
第35回東京モーターショーPart1

日産ステージアM35(2002/9)マイカーインプレッション

日産ステージアM35

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○平均燃費(東京都在住)
 市街地(都心):6Km~8Km
 高速     :8Km~11Km
(ハイオク仕様)

○2002年9月現在の走行距離
 1万4千キロ

○色
フレアレッド

○エクステリア(外観)の評価
特徴的なフロントデザインは飽きがこないし注目度も高い。ちょっと変な顔がイケてる。マーク2ブリッドよりかっこいいと思っている。

○インテリア内装の評価
トヨタ車的ゴージャス感には欠けるが、よくいえばシンプル。あと少し質感が演出できれば言うことなし。

ラゲージはたいへん広い。タイヤハウスの張り出しが気にならない。初代より継承されたリモコン可倒式リアシートは、不要論をもあるようだが意外と使ったりする。「リモコン」という名称はちょっと大げさだと思うが。

ラゲージパネルのオープナー機能は、気に入っているが普段あまり使わない。なぜならラゲージには荷物が載っているわけで、その床をダンパーで押し上げるにはすべてどかさなければならない。ちなみに載っている荷物を吹き飛ばすほどのパワーはない。

セカンドシートを前に倒せば実感としては奥行き180センチ(正確な寸法は215センチ)のフラットスペースが出現。セカンドシートが少し浮くが、ほとんどフラットといえる。Mサイズの大人なら2人が余裕で寝れる。オープナー機能でラゲージ床の剛性を懸念したが、車中泊してみて問題なかった。

シートはRSグレードだと黒地、生地はナイロン系とスエード?の組み合わせで丈夫な感じで質感もいい。座り心地は少しかためでちょうどいい。シートサイズが小さいという批評があるようだが、私はちょうどいい。

○走りの性能
ステージアを評価する上で前提となるターボエンジンにくらべNAは一般的なエンジン。しかしターボがうらやましいときは、高速道路での追い越し加速時くらい。これはわかっていたので、あえてターボを選ばなかったのは正解だったと思っている。特に不満に思わない。

ブレーキは、軽くない車体に見合う性能だと思う。

5速ATはやや難あり。初期ロットでは不具合が続出?したようで、私のステージアもアクセルワークによってガクガクと振動したりする不具合が出たが、ディーラーに症状を訴えCPU調整で改善。

しかし、アクセルを開けている最中にアクセルを放すと、妙なショックを未だに感じるときがある。また40キロ以下の低速でトロトロ走っているときの微妙なアクセルワークに対する反応がギクシャクする場合がある。反対にトルクを与えているとき、このATはスムーズな制御をする。

ほかにも不具合といえば、N→Dへ入れて軽いショクを感じたあとすぐにアクセルを踏むとギクシャクする。N→Rも同様。2秒くらい経ったあとだと問題なし。この現象は運用でカバーできるため放置している。もうディーラーで説明するのが面倒。

ネット掲示板などを見ると、このあたりの不具合について最近の出荷車は対策されているらしい。

マニュアルモードは、長い下り坂のときなど重宝するが、操作後の反応は遅い。これを駆使してスポーティに走るという代物ではない。たとえば3速に固定し回転を高めに保つとか、そういう使い方だと思う。忙しくカチャカチャやる理由もないのでこれはこれでいい。

しかし、シフトダウンしたつもりなのにされていないことがある。しっかりと操作しないと入らない。もう少し軽いタッチで反応してほしい。これはマニュアルモードのリミットを調整すると改善できるらしいが、さらにヘンになると困るし余計なことはしない。

インジケータ表示上はシフトダウンされたのにエンブレが効かないことが2~3度あった。条件は通常の速度と回転数だったのに。雪道でこんなことになると怖い思いをするかもしれない。やはりこのATはバグが多いのかも。

以上のような不具合を除けば、この5速ATの基本性能は満足。全段にわたりシフトショックはほぼ感じないレベルだし、妙にキックダウンするようなお粗末なこともない。加速時もスムーズで気持ちがいい。中低速を一定速度で走っているときの回転数はびっくりするほど低い。

足回りは、フニャフニャとかロールしすぎるとか批判されているが、私はたいへん気に入っていて、かたすぎず、やわらかすぎず、芯があってマイルドだと思っている。乗用車なんだからこれくらいでいいのではないか。ニスモのサスペンションへ変更するユーザーも多いようだが、もったえない気がする。

大きいクルマではあるが、山坂道で楽しい。フロント・ミッドシップがやはりいいのか、中心から回るような感じがする。そんなにスピードを出して攻めの走りをするわけでもないが、ワインディングを走るのが楽しい。アルミ製ボンネットも寄与しているのかもしれない。とにかくドライブが楽しくなった。高速走行では風きり音も少なく安定性している。

アテーサと呼ぶトルクスプリット4WDは、必要に応じてトルク配分が変化する仕様とのことだが、アスファルトの山坂道ではどのように変化をしているのか体感できない。

雪道では、シンクロモードでたいへん安定していた。正月、ドカ雪が降り、スキー場の駐車場から脱出できないFR車が続出していたが、まったく問題なく発進できた(4輪スタッドレス)。

○内装/装備 
純正DVDナビを装着。アフターにくらべれば機能的に足りないこともあるが、精度は悪くない。ポップアップ式モニターは実にスマートで、この収まり感は後付けではマネできない。モニターを手動で出し入れするのはイマイチかもしれないが、妙なトラブルがない分、これでいいと思う。

純正DVDを装着するメリットは他にもあって、警告メッセージを音声で発すること。燃料残量警告、パーキングブレーキ解除忘れ、半ドアなど。またミッション系などトラブルが発生した場合に、モニターに警告表示や現在地から近くの日産ディーラーへナビゲートするメニューが展開したりする(らしい)。

ステアリングは37センチと小径。新車情報の三本さんは不満だといっていたが、私は気に入っている。チルトステアリング&チルトメーターは最初に一度しか使わないが、そのお陰でメーター類の視認性はグッド。不満点は、キーシリンダーがハンドルに隠れて見えないこと。いつも裏を覗きこむ感じ。

バックドアは樹脂製で軽く、開閉は電動オートクロージャー。使い勝手は悪くない。またガラスハッチが開いて便利。しかしこのガラスハッチは少々調子が悪く開けづらいときがある。どうやら初期ロット車の不具合らしく対策されているらしい。私の場合は症状が軽いので放置。

○そのほか
良い点
・燃料タンクが大きい。80リッターは長旅で給油する手間が減る。

・収納が考えられている。インストサイドポケットは携帯を入れておくのに便利。ドアポケットは開口部が広がり厚いものも入る。カップフォルダーが収納としても使える。

・シートベルトがシックリくる。このクラスなら当たり前なのかもしれないが、締めていることを感じさせない。

・外気温度計というものをステージアで初体験したが、これが意外に重宝する。特にスキー場へ向かう道中では外気温は気になるし、普段でも暑いとか寒いとか目安になる。ただし精度は1~2度くらい幅を読んだほうがいい。

フォグランプ。丸いライトの上半分がいわゆるヘッドライトのLOWでHID、下半分がH4タイプでヘッドライトのHIとフォグランプを兼用している。いかにもこれがフォグランプです、というものが嫌いなのでこの構成がたいへん気に入っている。雨天や夕暮れ時の早期点灯に、このスマートなフォグを有効活用している。

不満点
・走り出だし時のアクセル操作。無造作に踏むと飛び出す感じ。すぐ慣れるが、未だに気を使う。ATについては前文にもいろいろ書いたが、とにかくツメが甘いと思う。ミッションの出来はエンジン以上に、クルマに対する印象を左右してしまうものだ。

新車情報の三本さんも指摘していたが、Aピラーが視界をさえぎることがある。交差点や山坂道などで視線が変わるような状況のとき。やはりデザインや剛性を満たすために(ピラーが太くなること)仕方ないのか。

これまでのトラブル
・ATの不具合。
・インパネのステレオ付近からキシミ音。

走り、スタイル、ユーティリティ、自分のライフスタイルに合ったいいクルマだと思う。

 

スバル・トラヴィック Vol.159 (2001/10/20)

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         Vol.159 (2001/10/20) 毎週発行
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★10月15日放映
【スバル・トラヴィック】

ワゴンブームに火がついたのは10年ほど前だったか。そのときプレミアム度がひときわ高かったレガシィで市場をリードしたスバル。しかし、昨今のミニバンブームには乗り損ねた様子。トラヴィックは同じGMグループのオペル・ザフィーラをスバル流にアレンジしたミニバンです。

オフィシャルサイトは
http://www.subaru.co.jp/traviq/

基本スペックは、直列4気筒、DOHC、2.2リッター、147ps、トルクは20.7kg。4速AT。燃費は10・15モードで10.0km/L。価格はSパッケージで224万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、12.2km/Lでした。10・15モードよりいい結果。時速100km走行時の騒音は67~68dBでした。

全長4315、全幅1740、全高1630、重量1470kg。最小回転半径5.5m。

雑誌のレガシィ記事でよく拝見するチーフエンジニアの方が出演していました。トラヴィックについて紹介した内容は以下の通り。

「走る楽しさが味わえる7人乗りのワゴン。ドイツ生まれ、生産は最新鋭のGMタイ工場、技術パートナーはGMのアジアパシフィック、そして走りにこだわるスバルが足回りをチューニング。グローバルに手を組んでつくり上げた戦略車」。

さらに、「スバルが考えるクルマづくりのポリシーは、つくり手の主張が明確で性格のハッキリしたクルマにすること。トラヴィックでは高質な走りや高い安全性、質感の高いクルマづくりでそれを表現できた」とのこと。

オペル・ザフィーラは以前番組に登場ずみです。合理的なパッケージとジャストなサイズで、三本さんに賞賛されたことは記憶に新しい。

スバル・ミニバンの中身は思った以上にザフィーラそのもの。排気量はザフィーラで最大の2.2リッターを標準搭載。

このエンジンはGM製。トランスミッションはアイシン製。エンジンは横置きで前輪駆動。あらためて言うまでもなく、スバル水平対向エンジンでもなければ、4WDでもありません。四輪駆動に今後展開するかどうか、スバルの人からそういったコメントは
ありませんでした。

フォレスターでミニバンを開発していると聞いたが、なぜザフィーラのOEMになったのか」という問いにスバルの人は、「多座席7人乗りにこだわった」とのことでした。フォレスターのベースで3列シートは無理だったらしい。

試乗では、「しっかりしたボディ剛性だ。高張鋼板でハガネのようなガッチリ感がある」とのこと。良くも悪くも正統派のドイツ車的なフィーリング。「マジメな製品だ」といった表現も。

「2.2リッターを搭載したことは大正解」と三本さん。低速重視でトルクフルなエンジンらしい。

また「本国ドイツのディーゼルターボは低速から力強いトルクを持っていて速いんですよ。日本ではディーゼル嫌いがここまで徹底しましたから、その良さを味わえないのは残念だ」といった脱線コメントもありました。

スバルの人は、「アウトバーン育ちのシッカリした足回りにスバルスピリットを注入した」といいます。高速道路では「直進安定性がさらに向上したようだ」と三本さん。

Sパッケージでは205/55R16の高性能タイヤが標準。これはレガシィワゴンのGTにも標準装着されているサイズ。Sパッケージ以外では15インチになります。

乗りごこちはゴツゴツしてカタい。道路の継ぎ目が「ドン、ドン」と伝わってくる。「本当はLパッケージが乗りたかった」と三本さん。

ダンパーについてスバルの人は、「Sパッケージではザフィーラと同じで、タイヤのみサイズを変更。Lパッケージではソフトにセッティングし直している」とのこと。

SパケかLパケか。検討されている方はエアロの見た目だけで判断されずに、試乗して両者比較したほうが良いと思います。

試乗車のSパケではそのタイヤのせいかロードノイズも大きめ。騒音については三本さんも指摘したように、数値的にあと2dB小さければ言うことなし。

山坂道では「スタッフ4人乗車で非力な感じはない」とのこと。トランスミッションがビジーにならない。ビックリするほど力強い」という発言も。

ATの設定についてスバルの人は「エアコン使用を考慮したり、日本の道路事情にあわせてアクセルの踏み込み量が少なくなるように配慮した」と説明。

キビキビした足回り。ステアリングはシャープな印象。「ややアンダーステアぎみだが、シャッキリしたものに仕上がっている」とのこと。特にこのSパケでは「ロールがほとんど感じられない。よくつっぱるなあ」とミニバンらしからぬ印象を感じた様子。

しかし山坂道でも終始「ゴツゴツした乗り味が気になる」と訴えていました。

エクステリアでの変更点はハニカム状のフロントグリルや、そして日本人が大好きなエアロパーツなど。内装はほぼ共通らしく、一部グレードでパネルをメタル調に飾ったり、またMDステレオを標準装着するなど。

シートアレンジの多様性は評判どおり。スタジオで野中さんが座ってくれます。「スカートだとちょっとキツかったデス」と野中さん。いつもこのシーンでメモを取るのを忘れて凝視してしまうのは私だけでしょうか。「3列目も意外と広いんですね」との感
想でした。

万が一のとき、足先の損傷を回避する脱落式ペダルや、アクティヘッドレストなどの安全装備もザフィーラと同じ。

このクルマは魅力は「安い」こと。「なんでザフィーラより価格が安くできるの?」という問いにスバルの人は、「GMグループとのアライアンス(同盟)効果でコストダウンを達成、戦略的な価格が実現した」とのこと。

最も高いLパケで234万円。あまり売れないであろうベーシックバージョンは199万円。

ヤナセで買えるオペル・ザフィーラは、1.8リッターの125psで289万円。日本でザフィーラは売れなくなってしまうのでは?

「7人乗りでもこんなに走りが楽しい!と味わっていただけるワゴンです」とスバルの人。一度も「ミニバン」とは言わずに「ワゴン」と表現していたのが印象的。何かこだわりでもあったのでしょうか。

価格が安く、内容的に悪くないと思います。タイ工場というのがチト気になりますが、基本的な品質に問題ないはず。アフターではやはり「外車」扱いなのか?そのあたりも調査したり、またオペル・ザフィーラの評判もチェックする必要がありそう。

あのイプサム実車を見ると思いのほか肥満体だったし、もう少しコンパクトでキリッとして、それでいて家族が余裕で乗れる広さのジャストサイズ・ミニバンはないものか。豪華なミニバンは多いのですが、高品質でシブイ印象のミニバンが少ない気がする。

クルマはトヨタとガンコに決め付けている人以外だったら、少し冒険したぶん、きっと結果的に満足できるクルマだと思います。

(妄想)都会でも違和感ない大きさやスタイル。セダンのようにさりげなく乗れる雰囲気がうれしい。

真っ赤なトラヴィックでラッキーデート。今日はフジテレビ本社ビルがそびえるお台場へ。

野中さん、もしかしたら民放メジャーの女子アナになりたかったのかも。でも私はフジのイケイケ女子アナより、TVKの野中さんがイチバンです!

アーバンなデートスポットになったお台場ですが、私が学生の頃ウインドサーフィンのメッカで、サーフィンをやるためだけに来た場所でした。ぺんぺん草が生え、大型ダンプが走りまわり、夜になれば向こう岸に東京タワーや貿易センタービルの明かりだけが見えた静かな埋め立て地。

そんな昔話しをしながら、近未来的に飾られたお台場の夜景を、野中さんと2人で眺めるのでした。

★次週の予定
アルファロメオ・アルファ147

ヒュンダイ・XG Vol.158 (2001/10/12)

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         Vol.158 (2001/10/12) 毎週発行
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★10月8日放映
ヒュンダイ・XG】

今年の1月から日本進出を果した韓国最大の自動車メーカー。総生産台数は年間260万台で世界第8位。新車情報にもすでに2回登場しました。今回紹介するXGはヒュンダイの最上級セダンです。

オフィシャルサイトは
http://www.hyundai-motor.co.jp

基本スペックは、V6、DOHC、3リッター、192ps、トルクは26.5kg。5速AT。10・15モードは発表されませんでした。価格は279.8万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、7.9km/Lでした。時速100km走行時の騒音は62~63dBでした。

全長4865、全幅1825、全高1420、重量1630kg。最小回転半径5.3m。

アメリカでは約1500台/月、韓国では「グレンジャー」という名前で約4000台/月も売れている人気車種。

XGの生い立ちについて詳しくわかりませんが、初代は三菱のデボネアをベースにしていたようです。2代目は三菱と共同開発。今回の新型ではプラットフォームから独自開発?らしい。

全幅1825といえばセルシオより5ミリしか違わない堂々とした図体。これでも前モデルよりシェイプアップされて、「外寸では全長で200ミリ、全幅で20ミリ小さくなった。しかし室内長は120ミリ大きくなった」と代理店の人。

数年前、韓国にてデボネアベースのXGに試乗したことがあるという三本さん。当時からその出来の良さに脅威を感じたとのこと。そして今回の新しい韓国のクラウン、いやFFだから韓国のウィンダムはどんなクルマか。

高速道路では「静かだ。エンジン音、風切り音、ロードノイズもにほとんど聞かせない」と三本さん。先週のウィンダムでは話題の吸音材を用いて高い静粛性を実現していましたが、番組の騒音測定結果だけで見るとXGのほうに軍配が上がりました。

どうしてこんなに静かにできるの?という三本さんの質問に代理店の人は、シリンダーブロック素材の工夫、井形サブフレームを用いたエンジンマウント、サンドイッチ構造のエンジンルーム、ボンネットフード内側に防音材、エンジンカバーに吸音材などを施しているとのこと。普通にやれることをマジメにやった、といった感じか。ちなみにボンネットフードはダンパー式。

走りも滑らか、と表現。しかし「タイヤの空気圧が高めなのか、ややゴツつき感がある。道路の継ぎ目でショックを感じる」とのこと。

路面の凹凸でアタリが伝わる感じは高速道路だけでなく、箱根の山坂道でも訴えていました。といっても妙な不快感というわけでもなく、「これは味付けの感性や考え方の違いかな」とのこと。

日本の平均値からするとスペック的にはやや控え目なV6エンジンですが、可変吸気システムを備え「低中速トルク重視の使いやすいエンジンだ」とのこと。とにかくノイズを出さない静かなユニット。燃料は庶民のレギュラー仕様。

マニュアル操作が可能な5速AT。このあたりも世界の高級車に引けをとっていません。

ステアリングは軽い操舵感。「軽くて遊びが少ないが、そのあとの重さで不自然な感じがした」とのこと。パワステの油圧アシストのフィーリングで、少し違和感があった模様。

またブレーキは「ペダルストロークが深すぎる。もう少し軽いタッチで制動するほうが日本人好みかも」とのコメント。

内装は木目調パネルで高級感を演出していますが、なんとなくヤボッたい。「細かい仕上げではやや見劣りする」と三本さん。

今回試乗している279.8万円の300Lでは本革シートが標準。スタジオで野中さんが座ってくれます。シートはかためがスキ!という野中さん、「ちょうどイイかたさです」とのこと。三本さんも不満は無いようでした。

「北米のヒツジの革を使用している。シートのデザインはヨーロッパに依頼している」と代理店の人。運転席、助手席とも電動シート。

キーレスエントリーで開錠できる大きなトランク。ちなみにトランクフードはヒンジ式で、三本さんのツッコミが入っていました。

最上級のXGを「日本車でいえば350万円くらいのクルマ」と三本さん。そのくらい、高級車の実力と手応えを実感した様子でした。

ちなみに239.8万円のグレードもあって、こちらは織物シートになります。韓国車のユニクロ的神髄は、このグレードかも。

アフターサービスでも抜かりない体制を目指しており、日本国内で現在30店舗まで拡大。

韓国で第3位の自動車メーカー起亜(キア)を傘下に入れ、ヒュンダイは22車種を生産するビックプレーヤー。2010年には世界5大メーカーの仲間入りを果す、という目標を掲げているとのこと。

三本さんは「クルマと会社は小回りがきかないとダメ」とメーカーが肥大化することを牽制しますが、品質と安さのユニクロ戦法で勝負を挑むヒュンダイには寝耳に水、といったところか。

その品質と安さはアメリカで人気。そして欧州でも欧州車の対抗馬として雑誌などで紹介されているようです。自動車大国へ急速に成長している韓国。ハイブリッドカーの生産もはじまっており、すでにハワイで実験販売しているとか。燃料電池への取り組みも積極的に行っていることは言うまでもありません。

一方で我々は韓国車に対する注目度がかなり低い。恐れながら、バカにしている傾向があるのも事実。しかし産業から国家に至るまで歴史を見れば明らかなように、パワーある新興勢力をあなどる既存の大将は、必ず負ける。

日本車のマネ。しかし日本のメーカーも、未だにマネをしています。マネができれば一人前。

ところで私たち日本のユーザーは、本当に「クルマは安い」と感じたことがあるでしょうか。三本さんが言うように、年収の1/3で満足できるクルマを購入できているのか。そして日本車の出来に100%満足しているのか。

日本では売れなくても、海外では着実にセールスしている韓国車。我々が脅威を脅威と感じないでいるとしたら、かなりヤバイかも。

(妄想)ドライブの秋。食欲の秋。そして恋する秋。野中さんとステディな秋をすごしたい。

今週は河口湖付近へ早朝ドライブです。さ、寒ぶ~。野中さんの吐く息が白かった。まるで季節を飛び越え冬にやってきたみたい。

雪を頂く富士山に向かって走るヒュンダイXG。その満足できる走りと静粛性に、ニッポンの将来に少しばかり危機感を抱く。

しかし野中さんとのラブラブデートや、そして番組「新車情報は永遠に不滅です!(趣旨不明)

★次週の予定
スバル・トラヴィック

トヨタ・ウィンダム Vol.157 (2001/10/5)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.157 (2001/10/5) 毎週発行
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★10月1日放映
トヨタウィンダム

トヨタの最上級FFセダン。初代ウィンダムは1991年に登場。1996年にモデルチェンジを行い、今回で3代目。アメリカでは「レクサスES300」として人気が高く、この新型もアメリカで高い評価を得ることは間違いなし。

オフィシャルサイトは
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Windom/

基本スペックは、V6、DOHC、3リッター、215ps、トルクは30.5kg。5速AT。燃費は10・15モードで9.8km/L。国土交通省の排気ガス認定は☆。価格は386万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、10.0km/Lでした。10・15モードよりいい結果。時速100km走行時の騒音は63~64dBでした。

全長4865、全幅1810、全高1455、重量1530kg。最小回転半径5.6m。

トヨタの人は「初代、2代目とも国際的な感覚を持ったニューエグゼクティブの方々にふさわしい車として、高性能と高品質、そして洗練されたスタイルに高い評価を頂きました。3代目も高級セダンの世界標準を目指し、世界同一の仕様としました」とのこと。

さらに「テーマは2つ。乗る人のセンス、ゆとりのライフスタイルを感じられるような美しいスタイリング。2つ目はプラットフォームを一新し、米国のみならず世界の高級車のエントリーカーにふさわしい、ニア・ラグジュアリーをリードする基本性能を追求すること」。

三本さんが「ニア・ラグジュアリーとは何?」と質問すると、それは「米国市場でラグジュアリーのエントリーカーが属するセグメント」だそうです。

要は、海外で高い評価を得ている高級ブランド「レクサス」のエントリーモデルがウィンダムです。

エンジンは2.5リッターを廃止して3リッターに一本化。もともと2.5リッターモデルは日本仕様だけでした。ウィンダム生産はすべて日本国内で行われ、そのほとんどがアメリカ市場へ。向こうでは日本の販売台数の3倍も売れているらしい。

そんなアメリカ仕様の純日本車に、ニッポンの頑固オヤジが試乗します。

静粛性に驚く三本さん。「新車情報」史上、最も静かだったクルマ、三菱・プラウディアにはおよびませんでした。打倒セルシオで徹底的に遮音したプラウディアは驚異的な静かさでしたが、すでにお亡くなりになってます。

「遮音材を徹底的に施すことで静かなクルマになるが、遮音材だけで重量が約40キロも増してしまう。音を遮断するだけでなく、吸収する発想をした」とトヨタの人。

高密度と低密度のフェルトを組み合わせた新防音材を採用し、最適なポイントに設置したといいます。これにより高い静粛性を実現しながら遮音材の重量は3割削減。

コストがかさみ、かつ重くなる遮音材に頼らない手法が一般的になれば、庶民のクルマがもっと静かになる可能性があるのかも。

高速道路での乗り味は静かでスムーズ。時速100キロ時のエンジン回転数は約2000。FFの5速ATはトヨタでは初めて。

ステアリングは意外と機敏でクイックな印象。

上級のGグレードには、ダンパーの減衰力を最適に制御する新型TEMSを標準装備。これにより高速道路の車線変更などで、適度な安定感をもたらす模様。

このセミアクティブサスペンションは、お好みの固さにマニュアルで設定することも可能。三本さんは山坂道でハードに設定し、「気持ちイイ走りだ」とコメントしています。また少しばかり攻めてもタイヤが鳴り出すようなく、足回りは成熟されている模様。

3リッターV6ユニットはパワーに不満なし。先代モデルに搭載されていたエンジンをさらに改良したもの。

室内はウッド調パネルを多様し、品のある豪華な空間を演出。三本さんも「悪くない」といった感想でした。また室内はたいへん広い。単に広いだけでなく、適度なつつまれ感を出して高級車らしさを表現。

本革のシート。サイズが大きくホメていました。アメリカ向けと同じシート。

エクステリアは先代のイメージを踏襲。特徴あるフロントまわりをさらに強調。サメの目みたいですが、アメリカ人には好評らしい。デザインは、各拠点のデザインセンターで競合させ、最終的にはトヨタ社内の日本人デザイナーの案が採用されたとか。

ツッコミは一点、やはり「日本ではデカすぎる」。1.8メートルを超える車幅は、そこらのミニバンよりデカイです。

デカくてうれしいのはトランク。人を運べそうなくらいデカい。トランクフードはヒンジ式ですが、そのアームが収納されるように工夫されていて、閉めたときにアームで荷物をつぶすということがない。「これならダンパー式でなくてもいい」とホメていました。

アメリカのエグゼクティブが毎日通勤に使う場面を想定したら、かなり満足度が高いクルマだと思います。ストレスを感じない走りと静かな室内。そこで音楽を聴いたりする朝のひととき。

そして世界一の信頼性。ある朝エンジンがかかりにくく、大事なプレゼンに遅刻した、なんてことは皆無でしょう。

(妄想)大人の紅葉ドライブ&温泉。内風呂、ゆかた、シメジの天ぷら。このようなキーワードを聞くだけで興奮してしまうのは私だけでしょうか。

まもなく紅葉で賑わう日光の中禅寺湖畔。イケてるカップルは今の時期にこそ訪れて、季節の境界を肌で味わう。紅葉した枝葉を時折見つけては、静かな秋の足音を感じる。

「動」の性能を磨きながら「静」を大切にしたクルマ、ウィンダムならそんなオータムドライブに最適です。

いつもおしゃべりの野中さんも、ウィンダムが演出する静寂を楽しんでいる様子。

一方私は、「静」から「動」へ、いつ豹変すべきか。そればかり考えていました。

★次週の予定
ヒュンダイ・XG

ジャガー・タイプX Vol.156 (2001/9/28)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.156 (2001/9/28) 毎週発行
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★9月24日放映
ジャガー・タイプX】

JAGUAR。英国のクラフトマンシップを伝える芸術品であり、クルマを超えた価値観を享受することができる限られた人達だけのブランド。一般ピープルには縁がないクルマの代表格でした。しかしフォードグループの一員になってからは、数とコストを意識する戦略へと変化。そして今回、400万円台の激安?ジャガーが登場です。

オフィシャルサイトは
http://www.jaguarcars.com/jp/

基本スペックは、V6、DOHC、2.5リッター、198ps、トルクは24.9kg。5速AT。フルタイム4WD。燃費は10・15モードで7.9km/L。価格はSEグレードで475万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、8.0km/Lでした。10・15モードよりいい結果。時速100km走行時の騒音は67dBでした。

全長4685、全幅1790、全高1420、重量1620kg。最小回転半径5.3m。

エンジンは2.5リッターと3リッターいずれもV6の2本立て。2.5リッターでは3グレードが用意され、今回取り上げているSEのほかにスポーツというグレードが455万円。最も安いのが425万円。3リッターではSEグレードのみで525万円。意外とバリエーション豊富で選択肢が広い。

ジャガージャパンのイギリス人社長自ら番組に出演して、日本語で以下のようにアピールしました。

「タイプXはジャガー初のコンパクト・スポーツセダンである。その目的は、成長著しくまた競争の激しいこのセグメントで、新しくかつ強力な選択肢をご提供すること、そしてジャガーおける新世代顧客の獲得である。また、タイプXはジャガーの生産台数で約5割を占めるべく、ボリュームリーダーとしても位置づけている」とのこと。

この発言からタイプXが単なるジャガーのエントリーカーではなく、最も流通するジャガー、つまり「顔」にするということか。

横置きエンジン、フルタイム4WD。今までのジャガーになかった新レイアウト。タイプXのベースはグループの親会社、フォードのモンデオ

「プラットフォームはモンデオですよね」という三本さんに社長は、「プラットフォームの定義は難しい。まるでモンデオの台車の上にジャガーのボディを載せたような言い方をする人がいるが、まったく違う」とタイプX=モンデオといった論評を牽制します。

「共通化されたプラットフォームとは、統一化されたシステムのことである。モンデオはフォードで開発され、ジャガーはジャガーで開発している。別々のチームが統一化されたシステムの中で開発する過程において、両者で区別する必要がない機能は共通化している。たとえばワイパーモーターはその機能を満たせばいいわけであり、そういったものは共通化している」と社長。

フォードのエンジンをパクッてると言われていますが、これについても同様。社長は「確かにブロックはフォード製のものを使っているが、ヘッドからエンジン・マネジメントまでジャガー開発。ジャガーらしいエンジンとは、ジャガーのために作らなければならない。それができなければフォードのベースは使わなかった」とのこと。

ジャガーの「味」に関係ない部分、ユーザーの目に見えない部分はオリジナルでなくてもいいという考え方。それ以外はあくまでジャガーオリジナルである。だからタイプXはジャガーそのものである、と主張します。

すでにヨーロッパでプロトタイプを試乗ずみの三本さん。「フォード製とは思えないエンジンだ。3000回転で最大トルクを発生する低中速重視のユニットはたいへん扱いやすい。」と感心。フォードのエンジンをそのままではないことは、先の社長のお話の通り。

「自動車は四輪が駆動すべき」という持論の三本さん。ジャガー初の4WDを、「直進安定性がいい。よく出来た4WDだ」と評価。

山坂道では、「ジャガーのスムーズ感は出ているが、やはり今までのジャガーとはカテゴリー自体が違う」とのこと。この発言はどういう意味か?ジャガーらしくないということか。

ステアリングはダイレクト感があるスポーティな印象。お決まりJ型のATセレクタレバーは、機能的で扱いやすいとのこと。

ジャガーらしい内装。仕立てのいい革シート。本物の機能を追求することが革シートを採用する本来の価値観なのかも。「牛の革の品質管理は大変難しい。タイプXのシートもこれまで通りジャガーの厳しい品質管理の中からご提供している」と社長。

クラシックな文字のインパネのメータ。最高級といわれる明るいバーズアイメイプルウッドで装飾されたインパネ。「ドイツ車の合理主義に徹した豪華さとは明らかに異なる。ジャガーは豪華というより贅沢な味をかもし出す」と三本さん。

ジャガーらしい仕上がりで、気持ちがいい走りができる。完成度は高いと思った」とコメント。タイプXを駆る三本さんは、やはり「ジャガー」をドライブしている顔になっていました。

ツッコミは一点。「エクステリア優先で背が低いからだと思うが、頭上空間が狭い。私の座高では手のひら一枚程度。もう少し余裕がほしい」とのこと。

しかしジャガーとしては、これでも随分と実用的なパッケージらしい。タイプXのマーケティング担当は、「室内が広く実用的」とアピールしています。

全長はタイプSよりさらに19.5ミリ短いですが、一目でジャガーだとわかるエレガントなエクステリア。

今までになかった異色のジャガーで売り込み難くないですか?という三本さんの問いにマーケティング担当は、「ジャガーの伝統的価値は、スタイル、猫足と賞される足回り、ジャガーらしいハンドリングであり、タイプXはそれらの価値を十分に兼ね備えている。そしてトラクション4などの新しい価値が加わったことで、タイプXはより魅力的なジャガーである」とのこと。

もっと安くなりません?と値切る三本さん。社長は「安くするには、どこかでコストを削らなければならない。コストを削っていくことで、ジャガージャガーでなくなってはならない。そのバランスが難しいと思う」とのこと。

さらに「日本は装備に期待する市場であり、安全装備もフル装備で提供しなくてはならない。必然的にコストは増加する市場」とのことでした。

たとえばFFにすればコストは抑えられるのでは?という問いには、「ジャガーらしければ前輪駆動でも私はいいと思う。ジャガーらしくないものを、ジャガーとして商品にはできない。お客様からジャガーであると評価して頂けるか、それだけです」とのこと。

最後に社長が三本さんに「タイプXはジャガーだと思いますか」と質問。「ジャガーだと思います」と答えると、「ありがとう」いわんばかりに三本さんの胸元にX型のバッチを付けていました。

ジャガーであること。ジャガーらしさ。売る側は、伝統とブランドを強く意識しているようでした。それは同時にジャガーユーザーの意向なのかもしれません。

庶民派の私にはジャガーというブランドの重みについてよくわかりませんが、これまでジャガーをつくってきた人達がジャガーあることを強く意識してつくったクルマなら、まぎれもなくそれは「ジャガー」なんだと思います。

(妄想)美しくなければジャガーではない…。そんなコンセプトを堂々と言い放つすごいクルマ。先週のシトロエンに続き、極上のデートカー。

プレミアムな女性をエスコートするためのジャガーは、美しい野中さんにふさわしい。ゆっくり走っても満足できる数少ないクルマかも。

ジャガーデートは終始美しくなければならない。マクドナルドのドライブスルーに入っていいのだろうか。自由の女神がそびえ立つラブホテルはたぶんバツ

ダ、ダメだ!行動範囲が限定されてデートにならん。

番組「新車情報」にふさわしいクルマでないと、妄想も冴えません。

★次週の予定
トヨタ・ウインダム