☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
『TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
Vol.157 (2001/10/5) 毎週発行
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
★10月1日放映
【トヨタ・ウィンダム】
トヨタの最上級FFセダン。初代ウィンダムは1991年に登場。1996年にモデルチェンジを行い、今回で3代目。アメリカでは「レクサスES300」として人気が高く、この新型もアメリカで高い評価を得ることは間違いなし。
オフィシャルサイトは
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Windom/
基本スペックは、V6、DOHC、3リッター、215ps、トルクは30.5kg。5速AT。燃費は10・15モードで9.8km/L。国土交通省の排気ガス認定は☆。価格は386万円。
三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、10.0km/Lでした。10・15モードよりいい結果。時速100km走行時の騒音は63~64dBでした。
全長4865、全幅1810、全高1455、重量1530kg。最小回転半径5.6m。
トヨタの人は「初代、2代目とも国際的な感覚を持ったニューエグゼクティブの方々にふさわしい車として、高性能と高品質、そして洗練されたスタイルに高い評価を頂きました。3代目も高級セダンの世界標準を目指し、世界同一の仕様としました」とのこと。
さらに「テーマは2つ。乗る人のセンス、ゆとりのライフスタイルを感じられるような美しいスタイリング。2つ目はプラットフォームを一新し、米国のみならず世界の高級車のエントリーカーにふさわしい、ニア・ラグジュアリーをリードする基本性能を追求すること」。
三本さんが「ニア・ラグジュアリーとは何?」と質問すると、それは「米国市場でラグジュアリーのエントリーカーが属するセグメント」だそうです。
要は、海外で高い評価を得ている高級ブランド「レクサス」のエントリーモデルがウィンダムです。
エンジンは2.5リッターを廃止して3リッターに一本化。もともと2.5リッターモデルは日本仕様だけでした。ウィンダムの生産はすべて日本国内で行われ、そのほとんどがアメリカ市場へ。向こうでは日本の販売台数の3倍も売れているらしい。
そんなアメリカ仕様の純日本車に、ニッポンの頑固オヤジが試乗します。
静粛性に驚く三本さん。「新車情報」史上、最も静かだったクルマ、三菱・プラウディアにはおよびませんでした。打倒セルシオで徹底的に遮音したプラウディアは驚異的な静かさでしたが、すでにお亡くなりになってます。
「遮音材を徹底的に施すことで静かなクルマになるが、遮音材だけで重量が約40キロも増してしまう。音を遮断するだけでなく、吸収する発想をした」とトヨタの人。
高密度と低密度のフェルトを組み合わせた新防音材を採用し、最適なポイントに設置したといいます。これにより高い静粛性を実現しながら遮音材の重量は3割削減。
コストがかさみ、かつ重くなる遮音材に頼らない手法が一般的になれば、庶民のクルマがもっと静かになる可能性があるのかも。
高速道路での乗り味は静かでスムーズ。時速100キロ時のエンジン回転数は約2000。FFの5速ATはトヨタでは初めて。
ステアリングは意外と機敏でクイックな印象。
上級のGグレードには、ダンパーの減衰力を最適に制御する新型TEMSを標準装備。これにより高速道路の車線変更などで、適度な安定感をもたらす模様。
このセミアクティブサスペンションは、お好みの固さにマニュアルで設定することも可能。三本さんは山坂道でハードに設定し、「気持ちイイ走りだ」とコメントしています。また少しばかり攻めてもタイヤが鳴り出すようなく、足回りは成熟されている模様。
3リッターV6ユニットはパワーに不満なし。先代モデルに搭載されていたエンジンをさらに改良したもの。
室内はウッド調パネルを多様し、品のある豪華な空間を演出。三本さんも「悪くない」といった感想でした。また室内はたいへん広い。単に広いだけでなく、適度なつつまれ感を出して高級車らしさを表現。
本革のシート。サイズが大きくホメていました。アメリカ向けと同じシート。
エクステリアは先代のイメージを踏襲。特徴あるフロントまわりをさらに強調。サメの目みたいですが、アメリカ人には好評らしい。デザインは、各拠点のデザインセンターで競合させ、最終的にはトヨタ社内の日本人デザイナーの案が採用されたとか。
ツッコミは一点、やはり「日本ではデカすぎる」。1.8メートルを超える車幅は、そこらのミニバンよりデカイです。
デカくてうれしいのはトランク。人を運べそうなくらいデカい。トランクフードはヒンジ式ですが、そのアームが収納されるように工夫されていて、閉めたときにアームで荷物をつぶすということがない。「これならダンパー式でなくてもいい」とホメていました。
アメリカのエグゼクティブが毎日通勤に使う場面を想定したら、かなり満足度が高いクルマだと思います。ストレスを感じない走りと静かな室内。そこで音楽を聴いたりする朝のひととき。
そして世界一の信頼性。ある朝エンジンがかかりにくく、大事なプレゼンに遅刻した、なんてことは皆無でしょう。
(妄想)大人の紅葉ドライブ&温泉。内風呂、ゆかた、シメジの天ぷら。このようなキーワードを聞くだけで興奮してしまうのは私だけでしょうか。
まもなく紅葉で賑わう日光の中禅寺湖畔。イケてるカップルは今の時期にこそ訪れて、季節の境界を肌で味わう。紅葉した枝葉を時折見つけては、静かな秋の足音を感じる。
「動」の性能を磨きながら「静」を大切にしたクルマ、ウィンダムならそんなオータムドライブに最適です。
いつもおしゃべりの野中さんも、ウィンダムが演出する静寂を楽しんでいる様子。
一方私は、「静」から「動」へ、いつ豹変すべきか。そればかり考えていました。
★次週の予定
ヒュンダイ・XG