TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

トヨタ・カムリ Vol.163 (2001/11/16)

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 『TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.163 (2001/11/16) 毎週発行
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★11月12日放映
トヨタ・カムリ

日本では地味な存在ですが、世界100ヶ国で販売され月に5万台もセールスするトヨタの基幹車種。全米では4年連続ベストセラー。世界中の信頼を得ながら進化を重ね、今回で5代目。

オフィシャルサイトは
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Camry/

基本スペックは、直列4気筒、DOHC、2.4リッター、159ps、トルクは22.4kg。4速AT。前輪駆動。4WDもあり。燃費は10・15モードで11.0km/L。国土交通省の排ガス認定は☆☆☆。価格はツーリングナビパッケージで278万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、9.4km/Lでした。時速100km走行時の騒音は62~63dBでした。なお、東名高速道路の集中工事が完了し、このロケを境に騒音レベルがかなり低減された模様。

全長4815、全幅1795、全高1490、重量1420kg。最小回転半径5.6m。

トヨタの人がアピールした点は以下のとおり。1、ラージクラスに匹敵する広い室内空間。2、新プラットフォームにより走りの基本性能の向上および最小回転半径の改善。3、高い安全性の確保。4、燃費、加速性能の向上。☆☆☆を獲得した低排出レベル。

「中低速でねばりがあり、かつ高速で力不足を感じない。なかなかの出来」と絶賛する三本さん。このエンジンはエスティマでも採用され、「3リッターモデルよりバランスがいい」などと一部で評価されるくらい定評あるユニット。3つ星達成は、触媒を改良した結果とのこと。

海外向けに6気筒モデルがありますが、国内では4気筒のみ。アメリカでも売れるのは4気筒で約8割を占めるとか。

時速100キロのときのエンジン回転数は約2200。3速のときは約3200。4気筒エンジンとは思えないほど静か。まったく申し分ない騒音レベル。

乗り味はトヨタらしい柔らかな感じで、三本さんは「伝統的なトヨタ車の味」と表現しています。

トヨタ独自の電子制御H∞TEMSを装備したダンパー。減衰力を4段階にマニュアル設定可能。三本さんはいろいろな減衰力を試しながら小刻みにハンドルをゆすったり、車線変更を繰り返したりしていましたが、不満を訴えるコメントはありませんでした。

ミディアムクラスといっても日本では大型サイズ。このゆとりがコストパフォーマンスを感じさせるのかも。

内装では特に目新しさはありませんが、高級車といえる装備と質感を備え、さすがトヨタのメジャー品質を感じさせる出来。

今週の山坂道は舗装が悪い道路でしたが、ここでも際立ったのは静粛性。ダンパーをカタめに設定すればロールも気にならず、もはやファミリーカーの域を越えている。

ワンクラス上の基本性能。それもそのハズ、新型ウィンダムと共通のプラットフォーム。しかし共用しているパーツは無い模様。

三本さんは「着なれた下着」と表現していました。その心は、「どんなものを着ていたのかは忘れてしまうが、実用として申し分ない」という意味で、はき心地のいいパンツといったところか。ちなみに「カムリ」とはパンツどころか、冠(かんむり)からイメージされた造語です。

どんなクルマの助手席でもバッチリかわいい野中さんが座ってくれます。室内はセダンとして十分広い。助手席、後席ともにすこぶる快適の様子。

しかし三本さんは、乗降性が良くないとツッコミます。Aピラーが思いのほか傾斜しており、首を傾げないと三本さんの大きな顔が支柱にあたる。全高は高くなるが、デザインと空力の関係かAピラーは寝るのが最近の傾向。三本さんは「Aピラーの立ち上がり位置をもっと前へずらしてくれれば改善する」と訴えます。

リアガラスからの直射日光を防ぐサンシェード付き。電動式ではなく手で引き出すタイプですが、ノーテン直撃を避けられるありがたい高級装備。

トランク容量は十分は大きい模様。トランクスルーの機能はリヤシートの背もたれが倒れるタイプ。ラゲッジネットが標準装備です。フードはダンパー式ではありませんが、そのアームはポケットに納まり、荷物をつぶすようなことがなく、これなら三本さんもツッコミなし。

スタジオに来たグレードはリアウィングが付いており、三本さんが「この羽は何のため?」と質問するとトヨタの人は「まあ見た目ですね」と答えると、「こんなモン付けないと見た目が悪いなんて、そんなハンパなデザインしか出来ない無能なやつはクビにしろ!」イカリング

さらにカムリに限らず、最近の傾向についてツッコミます。塗装されたボディ一体型バンパーは、バンパーの修理に十万円以上。バンパーとは本来、少しくらいブツけても平気なもののはず。

ツルリンとしたラインを出すため、ドアーにサイドプロテクターが無い。隣のクルマのドアーが軽くヒットしただけでエクボになってしまう軟弱ドアー。

クルマは外で使うもの。ボディを保護する外装本来の機能を満たしながら、美しいデザインを創造するのがデザイナーの役割だと主張する三本さん。

と、少し脱線しましたが、新型カムリは特記すべき点はないかもしれないが、すべての項目で標準以上。さすが、世界が認めたワールド・メジャー・カムリです。

(妄想?)野中さんとのラッキーデートもごぶさたしてました。この冬、どんなデートプランを立てたらいいのか。その前に、愛車の室内チェック。

数少ない私の経験からだと、ドライブデートの勝敗にクルマの車種は関係ありません。必要なのはその空間が2人にとって快適であること。

どんなにイケてるクルマであっても、室内がクサかったり、キタナイのはバツ

できれば禁煙にしましょう。ヤニ臭いのはよろしくない。また、タバコが超苦手の女子にとっては、車内での喫煙は動くガス室と同じ。

コンソールボックストとシートの隙間にマックのポテトが落ちている、といったことがないように。

洗車嫌いなあなたもフロアマットだけはマメに掃除しましょう。ときどき車外に出して砂やホコリを捨てたり、パタパタやれば十分。彼女のバッグが足元に置けないような状況ではバツ

ダッシュボードなどにうっすら積もった砂やホコリ。マメに拭き取るだけでずいぶんと印象が違ってきます。「クリンポイ」などで、彼女を迎えに行く途中の信号待ちなどでサッと掃除しましょう。

クルマの香水選びは慎重にしないと逆効果。トイレで使うような匂いのキツイものはバツ。基本は無臭。

彼女を迎えるにあたり快適な車内空間を整え、最高のドライブデートを演出。しかし車内でのエッチ行為は、足がつったりシートが汚れる場合があるので控えましょう。

★次週の予定
ホンダ・CR-V

第35回東京モーターショーPart2 Vol.162 (2001/11/9)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.162 (2001/11/9) 毎週発行
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★11月5日放映
【第35回東京モーターショーPart2】

先週に引き続き東京モーターショー特集。

モーターショーのオフィシャルページはこちら
http://www.motorshow.or.jp/

ゲストはモータージャーナリストの牧野茂雄氏。コンパニお姉さんよりずっとイケてる野中美里アナ。実は皆勤賞ではなかった、ゴットファーザー三本和彦氏。


○スバル
テーマは「ドライビング・エモーション」。独自の4WDテクノロジを中心に、走る楽しさを追求するクルマづくりの姿勢をアピール。

ST-Xは、レガシィワゴンの後部をトラック風に仕立てたと思われるアクティブなレジャービークル。WX-01は、3列シートの7人乗りビックワゴン。

HM-01は、コンパクトなハイブリッド4WD。前輪はエンジン、後輪はモーターで駆動。軽自動車も手がけるスバルでは、スモールカーのあるべき姿や個性を追求、より新しいスポーティーなミニカーを提案していきたいとのこと。


○スズキ
テーマは「メイク・イット・ユニーク」。ユニークな発想でユニークなモノづくり、新しい楽しさを発見し、未体験の便利さと楽しさを紹介。

シボレークルーズは、スズキがシボレーに提供する小型車。Covie(コビー)は、MMCスマートに似たスモールEVカー。

GSX-R/4は、バイクの1300ccエンジンを積んだ2シータースポーツで、まさに四輪のバイク。MR Wagonは、どれだけキャビンスペースが稼げるか挑戦した小さなミニバン。Lapinは、明るい黄緑色をした飛び抜けてユニークなデザイン。


ダイハツ
トヨタと共同ブース。エコロジー、スポーツ、ニューコンセプト3つのコーナーを中心に展示。クルマの本質的魅力である走るよろこび、使う楽しさを提案。

FF Ultra Spaceは小さなエスティマといった感じ。軽自動車とは思えないキャビンスペース。センターピラー・レスでかなりの開放感。

U4Bは、小型4WDのSUV。MUSE(ミューズ)は、ITをウリにしたコンセプトカー。「MUSEはITのクローズアップよりも、大人4人がキチンと乗れたりするパッケージングのほうを評価したい」と牧野氏。

UFEは、660cc直噴エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドで、「超」省エネにこだわったエコカー。空力に優れたボディデザインでcd値0.25。樹脂やアルミを多用し、車重は630kg。燃費は55km/Lを実現。「これはおもしろい」と三本さんも興味しんしん。

COPEN(コペン)は丸みをおびたデザインのオープン2シータースポーツ。ハードトップの屋根が電動で開閉し、まるでミニ・ソアラ。しかし荷物がぜんぜん積めないのが難点。


いすゞ
テーマは「ゴーファーザー」。誰よりも遠くへ。新開発のSUVを提案。

AXIOMは、昨年アメリカで発表され人気を博したモデルで、いすゞSUVの力強さを提案。GBXは、シートがセンター側に片持ちで固定されており、車外から見るとシートが浮いているよう。これもセンターピラー・レスで開放感あり。

Z・E・Nは、ゼット・イー・エヌと読みますが、その由来は「禅」から。純和風の内装を提案。木目ではなく木造といった感じ。たとえば窓はオオギ形のデザイン。シートを収納するとタタミの「和室」が出現。我々が忘れかけていたこのなごみ感は、渋滞でもイライラ知らず?。走りのほうは、4WDの走破性と商業車的な機能性を持ちあわせているとか。

以上が国産大手5メーカー以外の国産メーカー。「これらのメーカーは自分たちが何をすべきか、何が得意かをきちっとアピールしている。大手にない得意な部分を見せていた」と評価する牧野氏。

「反面、とんでもなく夢みたいなものは無くなった。それが今回のモーターショーの特徴でもある」と三本さん。


○外国車

メルセデスSL500は、夢のスーパーカブリオレ。F400 carvingは2シーターのオープンモデル。他に注目は、ロードスターアグレッシブやスマートクロスブレード。

BMWは新しい7シリーズ760iがお披露目。コックピットにシフトノブが無く、ジョグダイヤルで操作するという斬新さ。牧野氏は、「このシステムをまとめたのがアルパインアルプス電気といった日本企業。こういう試みは最初に日本車メーカーが提案すべきでは?くやしい」とコメント。

オペルでは、屋根がお風呂のフタのような、ユニークフロッグスター。ロータスそっくりの2シータースポーツ、スピードスター。アストラクーペOPCエクストリームは、ガルウイング・ドアーのレーシングカー。

アウディでは、白い内装が贅沢なA4カブリオレ

フォルクスワーゲンでは、V型エンジンを2つくっつけたW型エンジン搭載のW12クーペコンセプト。V8エンジンのニューパサートWB。レトロでなごみ系デザインのマイクロバス。

ドイツ車を見ながら「ドイツ車はシャレっ気はないが、合理性や実用性は目を見張るものがある。日本人は理屈っぽいからね」と三本さん。

ルノーでは、日産のV8エンジンを搭載したタリスマン。クリフカットが斬新なアヴァンタイムは、まもなく市販予定。ヴェルサティスもまもなく市販予定とか。

シトロエンでは、コンパクトなC3。三本さんお気に入り。

プジョーでは、307。「プジョーに限らず、フランス車は乗り心地は全般的にドイツ車的になってきた。あのしっとりした味がなくなったのはちょっと残念」と三本さん。

ランドローバーでは、トゥームレイダー仕様のディフェンダー。アルファロメオでは、アルファ156GTA。サーブでは、9X。ジャガーでは、Rクーペが目を引く。新しいミニクーパーSもお披露目。

ボルボでは、ACCやPCC。そして牧野氏が注目するSCC。セーフティー・コンセプト・カーの略で、客室の安全をどう確保していくか、という観点から提案。

クルマがデカくなる傾向が続くアメ車。カテラの後継である新しいキャディラックCTSは、FFからFRに回帰した模様。ウィゾンはセダンとSUVのクロスオーバー。

シボレーeクルーズは、スズキがつくる小型車で「シボレークルーズ」のITバージョン。

フォードでは、サンダーバードクライスラーでは、日本でも意外と人気が継続しているPTクルーザーのコンバーチブルがお披露目。そして元祖クロカンで、大幅に進化したというジープチェロキー

「アメ車のデザインはヨーロッパ車とはまた違ったおおらかさがあって、今後も楽しみ」と牧野氏。

東京モーターショーで年々パワーアップを見せる韓国ヒュンダイ日本車にそっくりですが、中味のクオリティもそっくりかも。で、値段は安い。

最後に、華やかな自動車ショーの影でひっそりと展示する部品メーカー。無骨な社員が出迎える屋台のようなこのブース群こそ、自動車大国ニッポンを支える総本山。

ボディ、ブレーキ、トランスミッション、電装、塗装。もちろんタイヤ。

シート、ダッシュボードやインパネ、純正アルミホイールなど普段自分のクルマで見慣れているパーツが、普段は聞いたことがない部品メーカーのブースで見ることができます。

「部品メーカーの力が、日本車の力だ」と牧野氏。三本さんは「モジュール化がさらに進む中で、もはや自動車メーカーは組み立て屋さん」とのこと。

そして自動車メーカーにとって組み立てと同じくらい大事なことは、「イメージづくり」だと思います。

★次週の予定
トヨタ・カムリ

第35回東京モーターショーPart1 Vol.161 (2001/11/2)

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★10月29日放映
【第35回東京モーターショーPart1】

今世紀最初の東京モーターショー。しばし楽しいクルマ未来を堪能しましょう。

モーターショーのオフィシャルページはこちら
http://www.motorshow.or.jp/

ゲストはモータージャーナリストの牧野茂雄氏。モーターショーははじめてという野中美里アナ。たぶん第1回目から皆勤賞、われら三本和彦氏。


トヨタ
夢のある新しいモビリティーライフを念頭に、軽自動車から大型乗用車まで幅広く展開。環境対策をはじめとする革新的な技術を提示するとともに、クルマの本質的魅力である走るよろこび、使う楽しさを提案。

ダイハツと共同ブース。来年から参戦のF1マシンから軽自動車まで、まさにフルラインナップのトヨタ

FXSは、1991年のモーターショーで展示された4500GTの流れを受けるスーパースポーツ。RSCは、RAV4くらい大きさで迫力あるクロカンルック。podは、ソニーと共同開発した小さなクルマでしっぽが付いており、割り込んでもしっぽをフリフリさせれば許してもらえる?

ES3(イーエスキュービック)は、小型軽量の1.4リッターディーゼルエンジンを積んだ世界トップクラスの低燃費カー。トヨタ独自のディーゼル触媒技術により、優-低排出ガスレベルをディーゼルで実現。また、最先端のリサイクル技術を盛り込んだ現実的な近未来エコカー。DPNRと呼ぶこのディーゼル触媒は、2003年にも小型トラック市場に導入する計画とか。

DMTは、デカイ1BOXミニバン。フラットな床に様々な居住空間をレイアウト。ist(イスト)は、ヴィッツの新兄弟で近々に市販車として登場です。


○日産
多様なコンセプトカーを展示。創造性と個性に満ちた日産らしいクルマづくりと、その実現のために大胆かつ誠実に挑戦する企業姿勢を強く訴えたといいます。

Nallsは、奇抜で楽しいトラック。ideoは、インフォメーションテクノロジーをクローズアップした小型車。KINO(キーノ)は、6人乗りの小さなミニバン。Mocoは、スズキが日産に供給する軽自動車です。

m.mは次期マーチ。「なかなかの出来だ。特にヨーロッパでは4ドアのコンパクトカーの人気が高いから期待できる」とヒットを予感する三本さん。crossbow(クロスボウ)は次期サファリ。ボクシーで観音開きドアー。

目立ったのはGT-R CONCEPT。角張ったボディーはかなり戦闘的。スカイラインと決別し、日産のフラッグシップカーとして全世界をターゲットに市販される予定。V8を積むかV6のツインターボになるか、まだ決まっていないとのこと。

ほぼ市販モデルが展示された新型フェアレディZ。V6の3.5リッターを搭載。専用6速ミッション。史上最強のZ。ゴーン社長はこれを3万ドルで出したいとのこと。ただし一番の輸出国になるアメリカが今、平常ではないことが少し懸念されます。


○三菱
現在、近未来、未来の3つの時間軸に分けて展示。「新生」三菱自動車の新しいクルマづくりの方向性や新しいデザインをアピール。

フロントの顔付きが全車で統一され、三菱車イメージアップを演出。注目はコンパクトカーのCZ2。

CZ3 Tarmacはラリー仕様のスポーティバージョン。S.U.Pは三本さんいわく「タイヤをつけたナマズ」。

SPACE LINERはいろいろなクルマの特徴をミックスしたクロスオーバー・コミューター。流れるようなシルエットで、従来の1BOXにありがちのボクシーなイメージから脱却。必然的に狭くなった室内は、日本の伝統的な空間づくりの手法を取り入れ、心地いいキャビンを演出。


マツダ
テーマは「ズームズーム」。日本では「ブーブー」にあたるアメリカの子供言葉で、子供のころ抱いた動くことへの感動を忘れない集団でありたいというコンセプト。

ロードスターMPS。世界でもっとも売れているスポーツカーであロードスターは、今やマツダの代名詞。「MPSはフランクフルトショーでも大人気だった」と牧野氏。

アテンザは、カペラの後継モデルで今年中に市販予定。SeretHideoutは、デミオの後継になるコンセプトカーで観音開きドアー。MX sport Tourerは、キャンバストップのような屋根が後ろから開いていくのがおもしろい。

少し前に発表され話題になったRX-8。新開発のロータリーエンジンを搭載。4人乗りのスポーツカーで、これもセンターピラーがない観音開きドアー。2003年の初頭にはこの姿で市販されるとか。


○ホンダ
夢の実現に向けてチャレンジを続けていく力「ザ・パワー・オブ・ドリームス」をかかげ、走りの楽しさ、移動空間としての楽しさを広げるそんな価値観をもったクルマづくりを提案。

BULLDOGはラゲージにミニバイクが載ってます。モトコンポの再来か。DUALNOTEは、ミッドシップハイブリッドカーで4ドアスポーツクーペ。

UNIBOXはスケルトンボディーの1BOXで、中がスケスケ丸見え。「こんなスッポンポンのクルマはいやだよ」と三本さん。将来はスケルトンボディの時代が来るのか。

model Xは小型SUVで観音開きドアー。「デトロイトショーでも評判よかった」と牧野氏。シビック・ハイブリッドは年内中にも登場予定で、トヨタを追撃。

w・i・cは、背が高くタイヤを四隅へ配置したコンパクトカーで、トヨタ・bBの対抗馬か。S・U・Uは3列シートの小型コミューター。そしてスーパースポーツNSRのTYPE-R。

今週はここまででした。牧野氏は「日産とマツダがよかった。これからの商品をわかりやすく意思表示していたと思う」とのこと。さらに「日本車のデザインがよくなってきた」と全体的に評価。

また観音開きドアーのクルマが多いことについて、「強度不足の問題はすでにクリアしているようだ」とのこと。

三本さんは燃料電池車について「この2年でかなりコンパクトになり現実味をおびてきた。少し前までウシが入る風呂場みたいだったからね」。

そして牧野氏同様、「デザインが伸びやかになってきた」と好意的なコメント。「メーカーにも古いオヤジが少なくなって、伸び伸びやれるようになったのでしょう」と三本さん。

そして今回だけの新コーナー「野中美里セレクション・私が選ぶこの1台」。企画としては最高っす。野中さんが選んだイケてるクルマは、いすゞのBEGIN FUNKYBOX。私もモーターショーに行きましたけど、どうやら野中さんが選んだクルマを見落としてしまったようです(なんたる不覚!)。

FUNKYBOXはトラックの荷台をホビースペースに改造した楽しいクルマ。好きなようにアレンジされた3畳ほどの広い空間で、野中さんとコンパニオンのお姉さんが楽しそうに語らっていました。しかし運転はちょっとキツそう。

来週は、残りの国産車メーカーと輸入車メーカーのご紹介です。

★次週の予定
第35回東京モーターショーPart2

アルファロメオ・アルファ147 Vol.160 (2001/10/26)

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         Vol.160 (2001/10/26) 毎週発行
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★10月22日放映
アルファロメオ・アルファ147】

伝統ある官能的ブランド。クルマとしてマニアックな部類に入ると思いますが、この番組ではもうお馴染みです。

オフィシャルサイトは
http://www.alfa147.jp/

基本スペックは、直列4気筒、DOHC、2リッター、ツインスパーク、150ps、トルクは18.5kg。ATモード付き5速シーケンシャルトランスミッション。10・15モード燃費は発表されませんでした。価格は5ドアハッチバックで295万円。3ドアは285万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、10.3km/Lでした。時速100km走行時の騒音は67dBでした。

全長4170、全幅1730、全高1420、重量1310kg。最小回転半径5.75m。

本国イタリアでは2000年にデビュー。プレステージ・スポーツコンパクトとして高く評価され、2001年度ヨーロピアン・カーオブザイヤーを受賞。

「盾」をモチーフとした独創的なフロントマスク。三本さんは「アルファの顔付きの中ではおとなしい」といった感想。1949年の6C/2500ヴィラデステのデザインを彷彿とさせるクラシックな顔付き。

昔、アルファ・スッドというクルマを所有していたという三本さん。145の前身だったアルファ33。さらにその前身がスッドやスプリントと呼ばれたクルマたちで、14シリーズの最新モデルである147はスッドの子孫といえます。

日本に導入されるのは、2リッターツインスパークのセレスピードのみ。ツインスパークとは、1気筒あたり点火プラグが2本あるエンジン。

セレスピードに装備されるATモード付き5速シーケンシャルトランスミッションは、クラッチペダルがないATでいわゆるセミオートマ。これがなかなか楽しいらしい。シティモードを選べば普通のAT車として走行可能。日本のAT限定免許で乗れます。

個性派アルファも、フィアットグループの一員となってからすでに10年以上たち、共通するパーツも多いらしい。信頼性が向上することはたいへん結構なこと。しかしファンからすればアルファらしさは固持してほしいところ。

まずデザインでは、アルファらしさ健在。「デザインするとき、アルファは未だにコンピュータを使わないそうだ。レンダリングを修正しながら完成させていく。コンピュータと相談するのは最後の量産フェーズのとき」と三本さん。

自動車と思えないフロントデザインは、社内のデザイナーが生み出すとか。カリスマ的デザイナーの作品というより、アルファの伝統そのものがこの独創的なシルエットをクリエイトしているのかも。

乗り味もアルファらしさを感じた様子。ステアリングはかなりクイックな印象。

そして「回す楽しさ」みたいなものがあるようです。「日本車のようにやたら大きな高出力のエンジンを積むのでなく、適当な大きさが好感持てる」と三本さん。エンジンは横置きで前輪駆動。

時速100キロ時のエンジン回転数は5速で約3000。4速では約3600、3速では約5000弱。高周波系のエンジン音。

山坂道ではシフトダウンの制御が見事。クルマがエンジンをふかしてダブルクラッチを切るらしい。箱根のウィンディングで「エヘヘ」と楽しそうな三本さん。

「F1のセミオートマの技術が生かされている」と代理店の人。しかしギアチェンジ操作後の「ラグ」が長いようです。ワンテンポ遅れる感じ。「まあ人間が手足で操作するよりは早くて正確でしょう」と三本さん。

またATとしては日本車にくらべてシフトショックが大きい模様。「スムーズな変速とはいえない」とのこと。

タイヤは太めの205/55R16。「コーナリングパワーはあるけど、せっかく小さいクルマなのに小回りが阻害される」と三本さん。

内装は洗練されていると思いました。コックピットはMT車そのものです。質感が高そうなインパネ。本革シート、またMOMOやレカロのシートがオプション設定。

3人分のヘッドレストが付くリアシート。楽しみにしていた野中さんのシートチェックがなくて残念でした。仕方ないので他の試乗記を浮気見すると、後席は少し狭いらしいです。

ボーズサウンドシステムが標準装着。三本さんは「花札の坊主じゃないですよ、BOSEですよ」と解説してくれました。

スタジオでボンネットオープナーを引くためドアーをあけると、何やら作動音が。何の音ですか?とびっくりする三本さんに代理店の人は、「セレスピードのハイドロニックポンプの作動音です。ドアーをあけるとスタンバイ状態に準備します」とのこと。まるで生き物が息を吹き返すみたい。

「小さくてもアルファの味を損ねてないクルマづくりは、さすが」と三本さん。価格的には合格だと思いました。300万円を切ればなんとか射程圏内。価格が安いことは、クルマに対する興味と見かたが変わります。

さて、いよいよ2年に一度のビックイベント、クルマ好き&コンパニ好きの夢の祭典、第35回東京モーターショーが開催されます。もちろん私も観に行きます!(クルマを)

○一般公開日:10月27日(土)~11月7日(水)
○開催時間 :平日10時~19時、土休日9時30分~19時
○開催場所 :幕張メッセ
○入場料  :一般1200円、小中学生600円

※テロ対策で警備体制が強化されるようです。たとえば大きな手荷物や、バズーカ砲のような望遠レンズの持ち込みは避けましょう。

(妄想)ドイツ車よりイタリア車が似合う野中さん。真っ赤なアルファの助手席には、野中さんのフレッシュ笑顔。

典型的な日本人でA型の私は、デートの下見をしたり、どうしても段取っちゃう。しかしアルファのステアリングを握るとあら不思議、エモーショナルなラテン野郎に変身です。

アルファデートに筋書きも段取りも不要。官能的に攻めまくるだけ。もう、これ以上は書けません…。

★次週の予定
第35回東京モーターショーPart1

日産ステージアM35(2002/9)マイカーインプレッション

日産ステージアM35

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○平均燃費(東京都在住)
 市街地(都心):6Km~8Km
 高速     :8Km~11Km
(ハイオク仕様)

○2002年9月現在の走行距離
 1万4千キロ

○色
フレアレッド

○エクステリア(外観)の評価
特徴的なフロントデザインは飽きがこないし注目度も高い。ちょっと変な顔がイケてる。マーク2ブリッドよりかっこいいと思っている。

○インテリア内装の評価
トヨタ車的ゴージャス感には欠けるが、よくいえばシンプル。あと少し質感が演出できれば言うことなし。

ラゲージはたいへん広い。タイヤハウスの張り出しが気にならない。初代より継承されたリモコン可倒式リアシートは、不要論をもあるようだが意外と使ったりする。「リモコン」という名称はちょっと大げさだと思うが。

ラゲージパネルのオープナー機能は、気に入っているが普段あまり使わない。なぜならラゲージには荷物が載っているわけで、その床をダンパーで押し上げるにはすべてどかさなければならない。ちなみに載っている荷物を吹き飛ばすほどのパワーはない。

セカンドシートを前に倒せば実感としては奥行き180センチ(正確な寸法は215センチ)のフラットスペースが出現。セカンドシートが少し浮くが、ほとんどフラットといえる。Mサイズの大人なら2人が余裕で寝れる。オープナー機能でラゲージ床の剛性を懸念したが、車中泊してみて問題なかった。

シートはRSグレードだと黒地、生地はナイロン系とスエード?の組み合わせで丈夫な感じで質感もいい。座り心地は少しかためでちょうどいい。シートサイズが小さいという批評があるようだが、私はちょうどいい。

○走りの性能
ステージアを評価する上で前提となるターボエンジンにくらべNAは一般的なエンジン。しかしターボがうらやましいときは、高速道路での追い越し加速時くらい。これはわかっていたので、あえてターボを選ばなかったのは正解だったと思っている。特に不満に思わない。

ブレーキは、軽くない車体に見合う性能だと思う。

5速ATはやや難あり。初期ロットでは不具合が続出?したようで、私のステージアもアクセルワークによってガクガクと振動したりする不具合が出たが、ディーラーに症状を訴えCPU調整で改善。

しかし、アクセルを開けている最中にアクセルを放すと、妙なショックを未だに感じるときがある。また40キロ以下の低速でトロトロ走っているときの微妙なアクセルワークに対する反応がギクシャクする場合がある。反対にトルクを与えているとき、このATはスムーズな制御をする。

ほかにも不具合といえば、N→Dへ入れて軽いショクを感じたあとすぐにアクセルを踏むとギクシャクする。N→Rも同様。2秒くらい経ったあとだと問題なし。この現象は運用でカバーできるため放置している。もうディーラーで説明するのが面倒。

ネット掲示板などを見ると、このあたりの不具合について最近の出荷車は対策されているらしい。

マニュアルモードは、長い下り坂のときなど重宝するが、操作後の反応は遅い。これを駆使してスポーティに走るという代物ではない。たとえば3速に固定し回転を高めに保つとか、そういう使い方だと思う。忙しくカチャカチャやる理由もないのでこれはこれでいい。

しかし、シフトダウンしたつもりなのにされていないことがある。しっかりと操作しないと入らない。もう少し軽いタッチで反応してほしい。これはマニュアルモードのリミットを調整すると改善できるらしいが、さらにヘンになると困るし余計なことはしない。

インジケータ表示上はシフトダウンされたのにエンブレが効かないことが2~3度あった。条件は通常の速度と回転数だったのに。雪道でこんなことになると怖い思いをするかもしれない。やはりこのATはバグが多いのかも。

以上のような不具合を除けば、この5速ATの基本性能は満足。全段にわたりシフトショックはほぼ感じないレベルだし、妙にキックダウンするようなお粗末なこともない。加速時もスムーズで気持ちがいい。中低速を一定速度で走っているときの回転数はびっくりするほど低い。

足回りは、フニャフニャとかロールしすぎるとか批判されているが、私はたいへん気に入っていて、かたすぎず、やわらかすぎず、芯があってマイルドだと思っている。乗用車なんだからこれくらいでいいのではないか。ニスモのサスペンションへ変更するユーザーも多いようだが、もったえない気がする。

大きいクルマではあるが、山坂道で楽しい。フロント・ミッドシップがやはりいいのか、中心から回るような感じがする。そんなにスピードを出して攻めの走りをするわけでもないが、ワインディングを走るのが楽しい。アルミ製ボンネットも寄与しているのかもしれない。とにかくドライブが楽しくなった。高速走行では風きり音も少なく安定性している。

アテーサと呼ぶトルクスプリット4WDは、必要に応じてトルク配分が変化する仕様とのことだが、アスファルトの山坂道ではどのように変化をしているのか体感できない。

雪道では、シンクロモードでたいへん安定していた。正月、ドカ雪が降り、スキー場の駐車場から脱出できないFR車が続出していたが、まったく問題なく発進できた(4輪スタッドレス)。

○内装/装備 
純正DVDナビを装着。アフターにくらべれば機能的に足りないこともあるが、精度は悪くない。ポップアップ式モニターは実にスマートで、この収まり感は後付けではマネできない。モニターを手動で出し入れするのはイマイチかもしれないが、妙なトラブルがない分、これでいいと思う。

純正DVDを装着するメリットは他にもあって、警告メッセージを音声で発すること。燃料残量警告、パーキングブレーキ解除忘れ、半ドアなど。またミッション系などトラブルが発生した場合に、モニターに警告表示や現在地から近くの日産ディーラーへナビゲートするメニューが展開したりする(らしい)。

ステアリングは37センチと小径。新車情報の三本さんは不満だといっていたが、私は気に入っている。チルトステアリング&チルトメーターは最初に一度しか使わないが、そのお陰でメーター類の視認性はグッド。不満点は、キーシリンダーがハンドルに隠れて見えないこと。いつも裏を覗きこむ感じ。

バックドアは樹脂製で軽く、開閉は電動オートクロージャー。使い勝手は悪くない。またガラスハッチが開いて便利。しかしこのガラスハッチは少々調子が悪く開けづらいときがある。どうやら初期ロット車の不具合らしく対策されているらしい。私の場合は症状が軽いので放置。

○そのほか
良い点
・燃料タンクが大きい。80リッターは長旅で給油する手間が減る。

・収納が考えられている。インストサイドポケットは携帯を入れておくのに便利。ドアポケットは開口部が広がり厚いものも入る。カップフォルダーが収納としても使える。

・シートベルトがシックリくる。このクラスなら当たり前なのかもしれないが、締めていることを感じさせない。

・外気温度計というものをステージアで初体験したが、これが意外に重宝する。特にスキー場へ向かう道中では外気温は気になるし、普段でも暑いとか寒いとか目安になる。ただし精度は1~2度くらい幅を読んだほうがいい。

フォグランプ。丸いライトの上半分がいわゆるヘッドライトのLOWでHID、下半分がH4タイプでヘッドライトのHIとフォグランプを兼用している。いかにもこれがフォグランプです、というものが嫌いなのでこの構成がたいへん気に入っている。雨天や夕暮れ時の早期点灯に、このスマートなフォグを有効活用している。

不満点
・走り出だし時のアクセル操作。無造作に踏むと飛び出す感じ。すぐ慣れるが、未だに気を使う。ATについては前文にもいろいろ書いたが、とにかくツメが甘いと思う。ミッションの出来はエンジン以上に、クルマに対する印象を左右してしまうものだ。

新車情報の三本さんも指摘していたが、Aピラーが視界をさえぎることがある。交差点や山坂道などで視線が変わるような状況のとき。やはりデザインや剛性を満たすために(ピラーが太くなること)仕方ないのか。

これまでのトラブル
・ATの不具合。
・インパネのステレオ付近からキシミ音。

走り、スタイル、ユーティリティ、自分のライフスタイルに合ったいいクルマだと思う。

 

スバル・トラヴィック Vol.159 (2001/10/20)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.159 (2001/10/20) 毎週発行
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★10月15日放映
【スバル・トラヴィック】

ワゴンブームに火がついたのは10年ほど前だったか。そのときプレミアム度がひときわ高かったレガシィで市場をリードしたスバル。しかし、昨今のミニバンブームには乗り損ねた様子。トラヴィックは同じGMグループのオペル・ザフィーラをスバル流にアレンジしたミニバンです。

オフィシャルサイトは
http://www.subaru.co.jp/traviq/

基本スペックは、直列4気筒、DOHC、2.2リッター、147ps、トルクは20.7kg。4速AT。燃費は10・15モードで10.0km/L。価格はSパッケージで224万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、12.2km/Lでした。10・15モードよりいい結果。時速100km走行時の騒音は67~68dBでした。

全長4315、全幅1740、全高1630、重量1470kg。最小回転半径5.5m。

雑誌のレガシィ記事でよく拝見するチーフエンジニアの方が出演していました。トラヴィックについて紹介した内容は以下の通り。

「走る楽しさが味わえる7人乗りのワゴン。ドイツ生まれ、生産は最新鋭のGMタイ工場、技術パートナーはGMのアジアパシフィック、そして走りにこだわるスバルが足回りをチューニング。グローバルに手を組んでつくり上げた戦略車」。

さらに、「スバルが考えるクルマづくりのポリシーは、つくり手の主張が明確で性格のハッキリしたクルマにすること。トラヴィックでは高質な走りや高い安全性、質感の高いクルマづくりでそれを表現できた」とのこと。

オペル・ザフィーラは以前番組に登場ずみです。合理的なパッケージとジャストなサイズで、三本さんに賞賛されたことは記憶に新しい。

スバル・ミニバンの中身は思った以上にザフィーラそのもの。排気量はザフィーラで最大の2.2リッターを標準搭載。

このエンジンはGM製。トランスミッションはアイシン製。エンジンは横置きで前輪駆動。あらためて言うまでもなく、スバル水平対向エンジンでもなければ、4WDでもありません。四輪駆動に今後展開するかどうか、スバルの人からそういったコメントは
ありませんでした。

フォレスターでミニバンを開発していると聞いたが、なぜザフィーラのOEMになったのか」という問いにスバルの人は、「多座席7人乗りにこだわった」とのことでした。フォレスターのベースで3列シートは無理だったらしい。

試乗では、「しっかりしたボディ剛性だ。高張鋼板でハガネのようなガッチリ感がある」とのこと。良くも悪くも正統派のドイツ車的なフィーリング。「マジメな製品だ」といった表現も。

「2.2リッターを搭載したことは大正解」と三本さん。低速重視でトルクフルなエンジンらしい。

また「本国ドイツのディーゼルターボは低速から力強いトルクを持っていて速いんですよ。日本ではディーゼル嫌いがここまで徹底しましたから、その良さを味わえないのは残念だ」といった脱線コメントもありました。

スバルの人は、「アウトバーン育ちのシッカリした足回りにスバルスピリットを注入した」といいます。高速道路では「直進安定性がさらに向上したようだ」と三本さん。

Sパッケージでは205/55R16の高性能タイヤが標準。これはレガシィワゴンのGTにも標準装着されているサイズ。Sパッケージ以外では15インチになります。

乗りごこちはゴツゴツしてカタい。道路の継ぎ目が「ドン、ドン」と伝わってくる。「本当はLパッケージが乗りたかった」と三本さん。

ダンパーについてスバルの人は、「Sパッケージではザフィーラと同じで、タイヤのみサイズを変更。Lパッケージではソフトにセッティングし直している」とのこと。

SパケかLパケか。検討されている方はエアロの見た目だけで判断されずに、試乗して両者比較したほうが良いと思います。

試乗車のSパケではそのタイヤのせいかロードノイズも大きめ。騒音については三本さんも指摘したように、数値的にあと2dB小さければ言うことなし。

山坂道では「スタッフ4人乗車で非力な感じはない」とのこと。トランスミッションがビジーにならない。ビックリするほど力強い」という発言も。

ATの設定についてスバルの人は「エアコン使用を考慮したり、日本の道路事情にあわせてアクセルの踏み込み量が少なくなるように配慮した」と説明。

キビキビした足回り。ステアリングはシャープな印象。「ややアンダーステアぎみだが、シャッキリしたものに仕上がっている」とのこと。特にこのSパケでは「ロールがほとんど感じられない。よくつっぱるなあ」とミニバンらしからぬ印象を感じた様子。

しかし山坂道でも終始「ゴツゴツした乗り味が気になる」と訴えていました。

エクステリアでの変更点はハニカム状のフロントグリルや、そして日本人が大好きなエアロパーツなど。内装はほぼ共通らしく、一部グレードでパネルをメタル調に飾ったり、またMDステレオを標準装着するなど。

シートアレンジの多様性は評判どおり。スタジオで野中さんが座ってくれます。「スカートだとちょっとキツかったデス」と野中さん。いつもこのシーンでメモを取るのを忘れて凝視してしまうのは私だけでしょうか。「3列目も意外と広いんですね」との感
想でした。

万が一のとき、足先の損傷を回避する脱落式ペダルや、アクティヘッドレストなどの安全装備もザフィーラと同じ。

このクルマは魅力は「安い」こと。「なんでザフィーラより価格が安くできるの?」という問いにスバルの人は、「GMグループとのアライアンス(同盟)効果でコストダウンを達成、戦略的な価格が実現した」とのこと。

最も高いLパケで234万円。あまり売れないであろうベーシックバージョンは199万円。

ヤナセで買えるオペル・ザフィーラは、1.8リッターの125psで289万円。日本でザフィーラは売れなくなってしまうのでは?

「7人乗りでもこんなに走りが楽しい!と味わっていただけるワゴンです」とスバルの人。一度も「ミニバン」とは言わずに「ワゴン」と表現していたのが印象的。何かこだわりでもあったのでしょうか。

価格が安く、内容的に悪くないと思います。タイ工場というのがチト気になりますが、基本的な品質に問題ないはず。アフターではやはり「外車」扱いなのか?そのあたりも調査したり、またオペル・ザフィーラの評判もチェックする必要がありそう。

あのイプサム実車を見ると思いのほか肥満体だったし、もう少しコンパクトでキリッとして、それでいて家族が余裕で乗れる広さのジャストサイズ・ミニバンはないものか。豪華なミニバンは多いのですが、高品質でシブイ印象のミニバンが少ない気がする。

クルマはトヨタとガンコに決め付けている人以外だったら、少し冒険したぶん、きっと結果的に満足できるクルマだと思います。

(妄想)都会でも違和感ない大きさやスタイル。セダンのようにさりげなく乗れる雰囲気がうれしい。

真っ赤なトラヴィックでラッキーデート。今日はフジテレビ本社ビルがそびえるお台場へ。

野中さん、もしかしたら民放メジャーの女子アナになりたかったのかも。でも私はフジのイケイケ女子アナより、TVKの野中さんがイチバンです!

アーバンなデートスポットになったお台場ですが、私が学生の頃ウインドサーフィンのメッカで、サーフィンをやるためだけに来た場所でした。ぺんぺん草が生え、大型ダンプが走りまわり、夜になれば向こう岸に東京タワーや貿易センタービルの明かりだけが見えた静かな埋め立て地。

そんな昔話しをしながら、近未来的に飾られたお台場の夜景を、野中さんと2人で眺めるのでした。

★次週の予定
アルファロメオ・アルファ147

ヒュンダイ・XG Vol.158 (2001/10/12)

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★10月8日放映
ヒュンダイ・XG】

今年の1月から日本進出を果した韓国最大の自動車メーカー。総生産台数は年間260万台で世界第8位。新車情報にもすでに2回登場しました。今回紹介するXGはヒュンダイの最上級セダンです。

オフィシャルサイトは
http://www.hyundai-motor.co.jp

基本スペックは、V6、DOHC、3リッター、192ps、トルクは26.5kg。5速AT。10・15モードは発表されませんでした。価格は279.8万円。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、7.9km/Lでした。時速100km走行時の騒音は62~63dBでした。

全長4865、全幅1825、全高1420、重量1630kg。最小回転半径5.3m。

アメリカでは約1500台/月、韓国では「グレンジャー」という名前で約4000台/月も売れている人気車種。

XGの生い立ちについて詳しくわかりませんが、初代は三菱のデボネアをベースにしていたようです。2代目は三菱と共同開発。今回の新型ではプラットフォームから独自開発?らしい。

全幅1825といえばセルシオより5ミリしか違わない堂々とした図体。これでも前モデルよりシェイプアップされて、「外寸では全長で200ミリ、全幅で20ミリ小さくなった。しかし室内長は120ミリ大きくなった」と代理店の人。

数年前、韓国にてデボネアベースのXGに試乗したことがあるという三本さん。当時からその出来の良さに脅威を感じたとのこと。そして今回の新しい韓国のクラウン、いやFFだから韓国のウィンダムはどんなクルマか。

高速道路では「静かだ。エンジン音、風切り音、ロードノイズもにほとんど聞かせない」と三本さん。先週のウィンダムでは話題の吸音材を用いて高い静粛性を実現していましたが、番組の騒音測定結果だけで見るとXGのほうに軍配が上がりました。

どうしてこんなに静かにできるの?という三本さんの質問に代理店の人は、シリンダーブロック素材の工夫、井形サブフレームを用いたエンジンマウント、サンドイッチ構造のエンジンルーム、ボンネットフード内側に防音材、エンジンカバーに吸音材などを施しているとのこと。普通にやれることをマジメにやった、といった感じか。ちなみにボンネットフードはダンパー式。

走りも滑らか、と表現。しかし「タイヤの空気圧が高めなのか、ややゴツつき感がある。道路の継ぎ目でショックを感じる」とのこと。

路面の凹凸でアタリが伝わる感じは高速道路だけでなく、箱根の山坂道でも訴えていました。といっても妙な不快感というわけでもなく、「これは味付けの感性や考え方の違いかな」とのこと。

日本の平均値からするとスペック的にはやや控え目なV6エンジンですが、可変吸気システムを備え「低中速トルク重視の使いやすいエンジンだ」とのこと。とにかくノイズを出さない静かなユニット。燃料は庶民のレギュラー仕様。

マニュアル操作が可能な5速AT。このあたりも世界の高級車に引けをとっていません。

ステアリングは軽い操舵感。「軽くて遊びが少ないが、そのあとの重さで不自然な感じがした」とのこと。パワステの油圧アシストのフィーリングで、少し違和感があった模様。

またブレーキは「ペダルストロークが深すぎる。もう少し軽いタッチで制動するほうが日本人好みかも」とのコメント。

内装は木目調パネルで高級感を演出していますが、なんとなくヤボッたい。「細かい仕上げではやや見劣りする」と三本さん。

今回試乗している279.8万円の300Lでは本革シートが標準。スタジオで野中さんが座ってくれます。シートはかためがスキ!という野中さん、「ちょうどイイかたさです」とのこと。三本さんも不満は無いようでした。

「北米のヒツジの革を使用している。シートのデザインはヨーロッパに依頼している」と代理店の人。運転席、助手席とも電動シート。

キーレスエントリーで開錠できる大きなトランク。ちなみにトランクフードはヒンジ式で、三本さんのツッコミが入っていました。

最上級のXGを「日本車でいえば350万円くらいのクルマ」と三本さん。そのくらい、高級車の実力と手応えを実感した様子でした。

ちなみに239.8万円のグレードもあって、こちらは織物シートになります。韓国車のユニクロ的神髄は、このグレードかも。

アフターサービスでも抜かりない体制を目指しており、日本国内で現在30店舗まで拡大。

韓国で第3位の自動車メーカー起亜(キア)を傘下に入れ、ヒュンダイは22車種を生産するビックプレーヤー。2010年には世界5大メーカーの仲間入りを果す、という目標を掲げているとのこと。

三本さんは「クルマと会社は小回りがきかないとダメ」とメーカーが肥大化することを牽制しますが、品質と安さのユニクロ戦法で勝負を挑むヒュンダイには寝耳に水、といったところか。

その品質と安さはアメリカで人気。そして欧州でも欧州車の対抗馬として雑誌などで紹介されているようです。自動車大国へ急速に成長している韓国。ハイブリッドカーの生産もはじまっており、すでにハワイで実験販売しているとか。燃料電池への取り組みも積極的に行っていることは言うまでもありません。

一方で我々は韓国車に対する注目度がかなり低い。恐れながら、バカにしている傾向があるのも事実。しかし産業から国家に至るまで歴史を見れば明らかなように、パワーある新興勢力をあなどる既存の大将は、必ず負ける。

日本車のマネ。しかし日本のメーカーも、未だにマネをしています。マネができれば一人前。

ところで私たち日本のユーザーは、本当に「クルマは安い」と感じたことがあるでしょうか。三本さんが言うように、年収の1/3で満足できるクルマを購入できているのか。そして日本車の出来に100%満足しているのか。

日本では売れなくても、海外では着実にセールスしている韓国車。我々が脅威を脅威と感じないでいるとしたら、かなりヤバイかも。

(妄想)ドライブの秋。食欲の秋。そして恋する秋。野中さんとステディな秋をすごしたい。

今週は河口湖付近へ早朝ドライブです。さ、寒ぶ~。野中さんの吐く息が白かった。まるで季節を飛び越え冬にやってきたみたい。

雪を頂く富士山に向かって走るヒュンダイXG。その満足できる走りと静粛性に、ニッポンの将来に少しばかり危機感を抱く。

しかし野中さんとのラブラブデートや、そして番組「新車情報は永遠に不滅です!(趣旨不明)

★次週の予定
スバル・トラヴィック