TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

トヨタ・エスティマ Vol.74 (2000/3/1)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.74 (2000/3/1) 毎週発行
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★2月28日放映
トヨタエスティマ

今回のフルモデルチェンジで2代目。初代は1990年に登場し丸10年勤めました。「天才タマゴ」などと呼ばれ、その未来的なデザインと斬新なミッドシップレイアウトで、ファミリーユースの1BOX車に革命をもたらしたといっても過言ではないと思います。

エスティマのオフィシャル・ページはこちら
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/Estima/
をご覧ください。

基本スペックは、3リッター、V6、DOHC、220ps、トルクは31Kg。8人乗り。燃費は10・15モードで9.4Km/Lと公表されています。価格は310万円です。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、8.7Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は63~64dBでした。

これまで番組では「64dBを切ったら高級車と呼ぼう」としていましたが、最近では静かなクルマが続々登場し、「62dBを切ったら高級車と呼ぶ」と基準を改めました。

エンジンは3リッターの他に、直列4気筒の2.4リッターがラインナップされます。2.4リッターの10・15モードは10.6Km/Lと公表されています。

価格帯は229万円から今回取り上げている最上級グレードの310万円まで。4WDは両方のエンジンで選べ、それぞれ若干高くなります。

エスティマの登場を期に、ルシーダとエミーナは廃止されました。これに関して番組に視聴者からハガキが来ていて、それを元に三本さんが「なんで?」とトヨタの人に聞
くと、「エスティマらしさの確立」といったような回答でした。

どうしてもサイズにこだわらないといけない方には、タウンエース・ノアやイプサム、ガイアなどがあるから、そちらをセレクトしてほしいとのことです。

選ぶ余地のない新エスティマのサイズは、全長4750、全幅1790、全高1770、重量1720kg、最小回転半径は5.6m。

エスティマ・フルサイズの数値をチェックしなかったのでわかりませんが、トヨタの人は全長は変わっていないと言っていました。

今回からFFレイアウトへ大きく変更されました。高速道路では、まず「静か」。エンジンがフロントへ出たことで、車内の静粛性に大きく寄与しているようです。

トヨタの人はFF化した理由を2つ上げていて、一つは最新のV6ユニットを使いたかったこと、そして高級乗用車並みの静粛性を得たかったこと。

三本さんは「多座席で重量の変動が大きいクルマは、後輪駆動のほうが有利ではないか」とツッコんでいましたが、トヨタの人は、「その点は十分研究した。ホイールベースを長くしたりいろいろ工夫し、重量配分は空車状態で前後6:4くらい、8人フル乗車でも5:5くらいの変動に押さえるよう設計。ご指摘のデメリットは解消している」としています。

ステアリング感覚はスローな感じだが、違和感がなくていいとのことです。

V6のエンジンはトルク変動が少なく走りやすいとのこと。山坂道では、「FFを感じさせない」と言っていました。

やたら静かな様子で、「エンジン音、ロードノイズは聞えない。音といったらエアコンのファンくらい」だそうです。実はこのコメント、山坂道で言っていました。

エスティマも斬新なインパネでしたが、更に進化?しています。メーター類は、ほぼ中央の高い位置にあり、ドライバーは視線を大きく変えずに視認できるようです。試乗車は自発光するオプティトロンメーターでした。

警告ランプ群はメーターとは別に、ドライバーの正面付近に設置されます。

ハンドルの少し左側から生える、ガングリップタイプのATセレクターレバー。このインジケーターも根元付近に独立して設けられています。

三本さんは「アッチコッチで変じゃない?」とツッコんでいましたが、トヨタの人は「(速度計などの)メーターが煩雑にならないよう警告灯を分離した。セレクター表示も、操作する物の近くにあるほうが自然だし、わかりやすいハズ」と言っていました。

なるほど、話を聞くとそうかもしれないと思ったし、三本さんもそれ以上ツッコまないところを見ると、試乗して特に不具合はなかったのかもしれません。

スライド・ドアーは両方設けられました。左側(助手席側)が電動で開閉。キーのリモコンで、少し離れた場所からも操作できます。

運転席側は手動です。道路側のスライド・ドアーを電動で自動開閉させることは、乗降者の危機意識が薄くなり危険だ、という認識のようです。

スライドでいつも話題になる「ギロチン現象」。これは窓から顔を出していたままスライドさせると、ドアーとボディーの間に顔が挟まれてしまう現象を言っています。

エスティマのセーフティは、窓を下げたままドアーを開けた場合、最後までスライドせずに途中で止まるようになっていました。だから仮に窓から顔を出していてスライドしても、頭一個か二個分くらいの余裕を持ってスライドが止まるから、挟まれることはないようです。

「後席はタップリしている。空間は広々していて気持ちいい」と言っていました。FF化により居住空間は広くなっているようです。

目玉?の新兵器は世界初、「バックガイドモニター」。一部のトヨタ車で既に採用しているものとどう違うのかわかりませんが、リアにカメラがついており、ギアをバックに入れると、ナビのディスプレイに後方の映像が映しだされ、その映像の上にテニスコートみたいな枠が表示されます。その枠を目安にハンドル操作すると、みごとキッチリ駐車できる、といった代物でした。

実用のほどは使ってみないとわかりませんが、確かにケツの長いクルマの場合、バックモニターは有効だと思います。夜間はどうなんでしょう。このテニスコート表示は、モニターが見づらい場合の補助的役割があるのでしょうか?

エスティマディーゼルの設定はありません。三本さんが「なんで?」と聞くと、トヨタの人は「旧エスティマのときからディーゼルの販売実績はよくなかった。今回、高い静粛性や快適性の向上を目指す上で、ディーゼルは外した」とのこと。

三本さんは「安易にディーゼルから逃げることはけしからん!」とばかり声を荒げていました。「ヨーロッパではどのメーカーでも良質なディーゼルを開発し投入している。そんな努力を怠ってはいけない」とのこと。

これに対しトヨタの人は「情勢を受けながら、しっかり研究開発はやっています」と言っていました。

内情を知るよしもありませんが、ディーゼルエンジンなしと聞いて、私も逃げた印象を持ちました。トップの自動車メーカーで、しかも日本を代表するメーカーが、臭いものにフタをするようなトレンドをつくってはいけません。

一方で、有害物質を排出するディーゼルを一台も供給しないことは評価すべきだ、という意見があるかもしれません。

やめれば確かにそれでいいのかもしれませんが、どうも単純にそのような思考にはなれません。日本のエンジニアは、きっとどこにも負けないすばらしいものを生み出せると思うのです。それとも徳大寺有垣氏が言うように、PMの関係からディーゼルに未来はないのでしょうか。

2つが存在していて、一方を抹殺することは、長い目でみたとき、もう一方にとっても不幸なことだと思います。ディーゼルへの挑戦は、きっとガソリンエンジンにとってもいい影響を与える技術へつながるのではないでしょうか。

それとも内燃機関自体、終焉のときを迎えようとしているのでしょうか。

私ごときが生意気ですけど、ディーゼルに関わる方々には、東京都知事ご自身が進んで乗りたくなるようなディーゼルを、ぜひつくってほしいです。そしてそのディーゼル車のCMには、石原慎太郎氏を起用してください。

モーターショーで話題だったエスティマのハイブリッド。今年中には登場の予定らしいですが、具体的な時期や内容について、トヨタの人ははっきり言及しませんでした。

さて、「一歩も二歩も先を行ってる印象ですね」と新エスティマを高く評価している三清さん。それでは瞑想いや、妄想です。

(妄想)先週はみんなで温泉に出向きましたが、今週はエスティマでスキーに行きます。もちろん4WDをセレクトし、スタッドレスでいざ雪国へ。

「事務所からスノボ禁止令が出てるの」という三清さんはとりあえずスキー。でもスノボもやってみたい様子。

しかしスノボは一度もやったことがなく、絶対ケガするからやめたほうがいいと仲間からも禁止令が出てしまい、少しへこんだ三清さん。

ゴンドラで山頂まで上がると雪化粧の山々を一望でき、とてもすばらしい景色だったので、一同見とれてしまいました。

三清さんは都会派で、スキー場には合わないと思ってる方もいらっしゃるかもしれませんが(?)、白銀の美しい景色の中で、白い息を吐く三清さん。イケてます。

★次週の予定
三菱・プラウディア