TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

トヨタ・bB Vol.81 (2000/4/19)

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TVKテレビの 「新車情報2000」を斬る!』
         Vol.81 (2000/4/19) 毎週発行
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★4月17日放映
トヨタ・bB】

ブラック・ボックスの頭文字をとってbB(ビー・ビー)と呼びます。ユーザー・カスタマイズを前提としたブラックボックス・カー。一昔前のトヨタだったら、考えられないコンセプトです。

bBのオフィシャル・ページはこちら
http://www.toyota.co.jp/Showroom/All_toyota_lineup/bB/index.html
をご覧ください。

基本スペックは、1.5リッター、直列4気筒DOHC、110ps、トルクは14.6Kg。燃費は10・15モードで15Km/Lと公表されています。価格はタイプX仕様で157.8万円です。

三本さん達のロケの満タン法で計測された燃費は、12.8Km/Lでした。時速100Km走行時の騒音は65~66dBでした。

12万円高のタイプX仕様は、エアロパーツとアルミホイール、プライバシーガラス、本革巻ステアリングなどが付ます。

エアロを付けないbBは、日産のどこでもドアーのラシーンになってしまいますから、がんばってタイプXをセレクトすべきでしょう。

bBはご存知の通り、ヴィッツ兄弟の一員です。ヴィッツのプラットフォームから派生したクルマは、プラッツ、ファンカーゴ、WiLL Vi、そしてbB。

トヨタの人は「トヨタがこれまで苦手としていた層や分野の市場を挽回したい」と言っていました。私的には、bBの出来不出来の話の前に、このようなクルマを出してきたトヨタの試みを評価したいです。

また「デザイン的に、最初からユーザーカスタマイズを考慮した」という開発コンセプトも、いい方向性だと思います。もちろん、改造することが何でもいいとは思いませんが。

トヨタの人が「トヨタ車らしくないスタイル」と言った、シンプルな面で構成される外観は、ボディ・ペインティングし易くするためだとか。ウチのクルマに好きな画を描いてね、なんてすごいです。

また「エアロパーツを取り付け易くした」とも言っていました。イケてるパーツをガンガン付けてね、ってことです。

ちょっと昔まで、ドノーマル以外は即、違法改造と非難されました。それでもいじって、車検前に元に戻し、車検を通してまたいじる。まったく不毛な行為だし、制度はまさに嫌がらせ。そんな暗黒時代が長く続いたわけですが、クルマとはそういうものだと思ってました。

それがいつの頃からか、貿易摩擦の外圧などで一気に規制緩和され、保安基準に適合していればOKですよ、と変わってきました。

トヨタの責任者自ら「アフターパーツの種類や数は、私も把握しきれません」なんて、いい時代になったものです。

しかし、あくまでユーザー責任なんだ、という大前提を我々は肝に命じる必要があります。やっぱり規制でがんじがらめにしておいたほうが正解だった、なんてならないようにしたいものです。

大きいようでコンパクトなbBのサイズは、全高1640、全幅1690、全長3845。最小回転半径は5.5m。

車内運転席のサンバイザーには、全高の数字が書いてあります。「立体駐車場などの高さ制限のある場所で、自分の高さ忘れて迷わないように」とトヨタの人。また、燃料給油口が左右どっちに付いているか、インパネに矢印で表記してあり、初めての給油でも迷うことはありません。

走りのほうですが、高速道路では、「乗りごこちはよくない」とのコメント。特に道路のつなぎ目を乗り越えたとき、バウンディング(上下の揺れ)が気になるようです。ゴトン、ゴトンと音も気になります。

時速100キロのときの、エンジン回転数は2400と、1.5リッターエンジンとしては標準的。

車線変更でのハンドリングはダルな印象で、スポーティー感はありません。これは山坂道においても同様のフィーリングで、ワインディングを楽しめるようなクルマではないようです。

また、乗りごこちが悪いわりに足回りはヤワなのか、山坂道で大きくロールするようです。

しかも三本さんは「ブレーキが甘いようだ」と指摘していました。特に下りで不満だ、とコメント。

山坂道で、「若干アンダーパワーに感じることがある」とのことです。でも「中低速のトルクがあるから、不満ではないし、普通に走る分にはまったく問題ない」とのこと。

エンジンは今回試乗の1.5リッターと、1.3リッターの2本立てですが、三本さんの発言から読み取ると1.5をセレクトすべきか。

「若者がこのパワー・乗りごこち・走行性能で、満足するだろうか」と厳しい三本さんのコメント。かなり割り切ったクルマだなという印象です。

辛口ばかりが目立ちましたが、ホメた点は、「金魚ばちに首をつっこんだような」見晴らしの良さ。メチャ広い室内空間。三本さんの座高でも、頭上空間はかなり余裕あります。また足元空間も大変広いです。

そそり立ったAピラーのおかげで、乗降性は大変良好。三本さんも、まったく首をかしげることなく、乗り降りしていました。

シート生地はソリッドな織物。前席はベンチシートタイプですが、左右を仕切るアームレストが付いていて、これが「しっかりしている」とのこと。

ラゲージスペースはそれだけで広いですが、さらに後席を前に倒すと、26インチのマウンテンバイクがそのまま収納できるそうです。

このクラスだと、ステレオのスピーカー数は大抵4個ですが、bBは全車標準で6個付きます。bBにとって、音楽は欠かすことの出来ない性能の一つ。なんと宇多田ヒカルの曲で最良の音質が出るようにアレンジしたという、ヒッキー・チューン。

三本さんが「宇多田ヒカルが流行らなくなったらどうするんですか」と聞くと「別の人にします」とトヨタの人。

純正のカーステでは、演歌からロックまであらゆるジャンルを、ほどほどに聴けるように調整しているそうです。まあ純正は調整するほどのシロモノでもないですが。

bBでは、ヒッキーで一番いい音にセッティングされてますから、演歌をかけるのはやめたほうがいいでしょう。もしヒッキーが演歌を出したら。。

bBの予想販売台数は4千台/月。しかし、販売一ヶ月で約2万6千台を受注しており、「しばらくお待ちいただいております」とのことでした。

ユーザー自身が本当に個性的になったのかどうか、定かではありませんが、これからは個性的であることが広くアピールするようです。この場合、奇抜な外観だけではなく、ユーザーの個性化指向をくすぐる工夫が必要です。

ちょっと特異な趣味的外観に触れないとすれば、bBは今までのクルマにあった、いわゆる一般的な常識にとらわれていないことが魅力的です。またサイズに依存しないデザインで、適正サイズであること。そして値段が安いこと。今まで積み重ねた常識をある程度割り切ってることも、意外とポイントかもしれません。

さて、今週のインフォメーションコーナーでは、横浜で行われた、話題のフォルクスワーゲンの3リッターカー、VW・ルポ3Lの試乗会の模様でした。

ご存知の通り3リッターカーとは、3リッターの燃料で100キロの距離を走しれるクルマを言います。

ルポ3Lは、ディーゼルエンジンでそれを実現しています。もちろん黒煙など吐いていませんでした。

試乗会が開かれたものの、今のところ日本に輸入される予定はないとのこと。理由として、燃料である軽油の成分がヨーロッパと日本では若干違います。またディーゼルに対して、我が国ではかなりお寒い状況になっているのは周知のとおり。

トヨタのチーフエンジニアは全社で18名だそうです。その一人がスタジオにいたわけですが、三本さんは「ディーゼルについて日本は欧州にくらべ、10年は遅れている」と嘆きます。我々は技術で遅れちゃダメだ!と日本の将来を案じていました。

★次週の予定
ダイハツ・オプティクラシック