TVKテレビの新車情報を斬る!

三本さんと三清さんの新車情報が大好きで長年メルマガを発行していた筆者のブログ

三菱・ランサーエボリューション7 Vol.125 (2001/2/25)

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TVKテレビの 「新車情報2001」を斬る!』
         Vol.125 (2001/2/25) 毎週発行
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★2月19日放映
【三菱・ランサーエボリューション7】

初代ランサーは1973年に登場し、エボリューション・シリーズは1992年10月に登場しました。今回でバージョン7。

オフィシャル・ページはこちら
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/EVO/

基本スペックは、直列4DOHCターボ、2リッター、280ps、トルクは39.0kg。燃費は10・15モードで9.6km/Lと公表されています。価格は299.8万円。モータースポーツへのエントリーを想定した競技用ベース車、RSは受注生産で251.8万円。

今回は筑波サーキットでロケが行われ、燃費および騒音測定はありませんでした。

全長4455、全幅1770、全高1450、重量1400kg。

WRC世界ラリー選手権でその名を知られたランエボ。昨年フルモデルチェンジしたランサーセディアをベースとしています。

セディアは5ナンバー枠におさまっているのに対し、ランエボでは7センチも幅広になっている理由は、安定性を増すためトレッドの拡大と、大径幅広タイヤを覆うオーバーフェンダー

ボディ剛性はベース車のセディアも十分高いですが、エボリューションではホイールハウスやキャビンを更に強化し、ねじりで4割、曲げで1割の剛性アップ。

最高出力はもちろん自主規制いっぱい。今回はターボチャージャーの改良と吸排気系の圧力損失の軽減を図り、トルクが増大しています。

タービンフィン形状の見直し、オイルクーラーのコアサイズ大型化、エンジンのロッカーカバーのマグネシウムダイキャスト化、カムシャフトの中空化など軽量化、エンジンルーム内の配置見直しにともなうエアインテークホースの短縮、インタークーラーの大型化、マフラー配管のリファインなど。

5速MT。発進性能を向上させるため、シリーズ6のトミー・マキネンエディションよりも、1速をローギヤ化しているようです。

ちなみにRSには、レース用のスーパークロスギアをメーカーオプションで設定。言うまでもなく、オートマはありません。

サーキット・インプレッションだったので、街中での使い勝手など知るよしもありませんが、まあそういった話しは野暮というもの。

ラリーは4年くらい前までやっていたそうですが、サーキットを走るのは20年ぶりだという三本さん。

緊張ぎみ?だったハズもなく、タイヤを鳴らしてギンギンに走り込んでいました。油断すると撮影NG?になってしまう一般公道の山坂道とは違い、アドレナリン分泌し放題。

コーナーからの立ち上がりでは、ハイギアのままでも強力なトルクを発生。すばらしく扱いやすいエンジンだ、と絶賛します。

また「シフトが簡単に入る」「ステアリングの操舵力が軽い」「私がラリーをやってた頃にくらべて格段に扱いやすくなっている」など、スーパーマシンは思いのほか扱いや
すい様子。

高いレベルで安定したコーナリング。その秘密はレースからフィードバックされた電子制御のアクティブシステム群。

今回新たに追加されたACD(アクティブ・センター・ディファレンシャルシステム)は、前後輪の差動制限を制御。

運転席インパネには、TARMAC(舗装路)、GRAVEL(ジャリ道)、SNOW(雪道)という3モードを選択できるボタンがあり、すべりやすい路面に設定にするほ
ど前輪と後輪の回転拘束力が高まり、いわゆる直結に近い状態で安定性を増します。

AYC(アクティブ・ヨー・コントロールシステム)は左右後輪の駆動力配分をコントロールし、アンダーステアなどを修正します。

スポーツABSでは、ABSが作動した状況下で操舵力を高めるようなコントロールをするそうです。

ブレーキはブレンボ社製。フロント17インチ、リヤ16インチの大径ベンチレーテッド・ディスク・ブレーキ。やはり「強力にきく」そうです。

足もとは235/45R17。このタイヤのパフォーマンスもホメていました。フルタイム4WDなので前後とも同じサイズ。

乗りごこちは良いそうです。また室内は意外なほど静か。三菱の人は「それをねらったわけではないが、遮音材などのパーツをセディアから流用することで結果的にそうなった。しかしRSは遮音材を抜いているのでウルサイです」とのこと。

フルモデルチェンジでセディアが進化している分、ランエボも上質なフィールになったようです。

運転席はコックピットと呼ぶにふさわしく、戦闘力を感じさせるつくりとデザイン。「小さく前にならえ」状態で体が固定されるバケットシート

フロントマスクのエクステリアは好みが分かれるところ。みなさんはどう評価しているでしょうか。お決まりのリアウイングはスノボなみのデカさ。

燃料タンクが48リッターで「少なすぎないか?」とツッコンでいましたが、セディアと同じです。4WD仕様はリアのデフレンシャルなどで多少スペースの制約を受け、2WDより容量で2リッターほど少ない模様。

スタジオでボンネットを開けると「ずいぶん軽いなあ」と三本さん。「フードはアルミ製です」と三菱の人。

このままラリーに出れそうなポテンシャル。これでも、WRCに出場するクルマとは全く別物。アクテイブコントロールについても、基本思想は同様ながらもメカニズムは異なるそうです。

300万円以内の価格設定はかなりお買い得。エボリューションは毎回限定生産らしく、いずれも完売しているとか。今回は1万台。やはり値引きは期待できないかもしれません。

三菱の人は「安く提供することで、世界選手権だけでなく、幅広くモータースポーツを盛り上げて行きたい」と話していました。

さて先日、三菱は国内で40万台の追加リコールを発表しました。米国でも95万台をリコール申請する予定。また中国では「パジェロ」のブレーキに欠陥があったのにその対応の悪さが批判の的になっているそうで、「三菱リコール問題」は依然として解決していない模様。

さすがにそろそろヤバイかもしれません。リコールは素早い対応が何より重要。ユーザーとの信頼関係そのものです。

自分のクルマが、今さらリコール対象だったと聞かされたオーナーは、どんな気持ちでしょう。

疑いを抱きながらもそれなりに信頼していた三菱車のユーザー達。結果的に何事もなかったとしても、裏切られた気持ちになることでしょう。その40万人は全員三菱関係者なのでしょうか。

番組の最後、三本さんも三菱のリコール問題について触れていました。「神様がクルマをつくっているんじゃないんだからミスは付きもの。しかしそれを隠してはならない」全く同感です。

ランエボを開発した三菱のチーフエンジニアは、三本さんが語っているあいだ申し訳なさそうに下を向き、視聴者の視線に耐えていました。そして三本さんの言葉に大きくうなずいていました。

そして「何度も見直し、間違いのない商品にしました」と言っていました。技術者として偽りない言葉だと思いました。が、もう一言、「それでも万が一、不備が発覚しましたら、直ちに報告して対処します」と言ってほしかったです。

優秀な社員は今まで以上に努力しているはず。では三菱自工をダメにしているのは、一体誰なのでしょうか?

(妄想)男子が運転したいクルマと、女子が助手席に乗りたいクルマは、すごく隔たりがあるのをご存知でしょうか。

元レディースでもない限り、ランエボは残念ながら最下位に近いポジションにあると思われます。

デートにおけるイケナイ運転五ヶ条は、運転に集中しすぎる、やたら追い抜く、前のクルマをあおる、遅いクルマにグチる、無意味な急加速。

まるで雪道を走るように、やさしいドライブで三清さんを送ったあと、一人で楽しむランエボ・デート。

★次週の予定
VW・ボーラV6/4MOTION